エンジニアの中途採用では、求められるスキルがピンポイントになることが多く、活かせる経験を職務経歴書で具体的にアピールすることが必要になります。
エンジニアの職務経歴書であっても、多くの場合、最初に目を通すのは採用担当ですので、求人企業のニーズを正確に把握し、わかりやすく経験やスキルを伝えることが大切です。
求人企業が求めている経験やスキルと関連の少ない記載が多いと、求人ニーズに合致していないと判断されてしまう可能性があります。
職務経歴書では、自分がアピールしたいことよりも、求められてい経験やスキルがあるということに重点を置いてアピールしましょう。
製造系エンジニアの職務経歴書の書き方についてご紹介します。
製造系エンジニアの職務経歴書
職務経歴書とは
職務経歴書は履歴書より職務内容を詳細に記載した応募書類です。
実務能力を重視する転職の採用選考では、多くの場合、履歴書と職務経歴書で書類審査が行われます。
一般的に書類審査を通過した人に対してのみ、面接が行われますので、転職の採用選考における職務経歴書の重要度は高いといえます。
職務経歴書の役割
- 求められている経験やスキルがあることを伝える
- 未経験や不足しているスキルは勉強中であることを示す
- 伝えたいことをわかりやすくまとめる
エンジニアの職務経歴書の記載内容
応募企業で活かせる経験やスキルを強調して、A4サイズ1~2枚にまとめます。
経験が少ない第二新卒や未経験者であっても、応募職種の適性があることを示すために、技術知識や資格、使用可能言語・ツールを記載して、アピールにつなげます。
職歴の要約・概要
冒頭に要約を入れておくと、どのような経験があり、何ができるかが伝わりやすくなります。
応募職種に関連する内容を中心に200~300字程度でまとめます。
会社概要
会社概要や企業規模から経験した業務がイメージしやすくなります。
簡単に業種や事業内容、売上高や従業員数などで、勤務先の企業情報を記載しましょう。
職務内容
経験した業務の期間、担当製品、担当フェーズ、プロジェクトの規模や立場・役割などを記載します。
リーダーの経験がある場合は、積極的にアピールします。
リーダー補佐などでも経験した業務を記載しましょう。
中途採用では、マネジメント力、コミュニケーション力も重視されますので、何人のメンバーをまとめたかなどを盛り込みます。
活かせる経験・技術
開発言語やソフト、使用ツール、経験を記載します。
社内外の技術研修などで習得したスキルもアピールになります。
未経験者は関連する学歴や基礎学問の知識をアピールします。
資格・免許
応募企業で活かせる資格や免許を記載します。
エンジニアには専門技術の資格やスキルだけでなく、英語力が求められることもあります。
TOEICのスコアもアピール材料です。
自己PR
製造系エンジニアとしての強みや、職務を通じて習得したこと、応募企業で貢献できることを記載します。
第二新卒や未経験者にとっては、実績をカバーする意欲や姿勢を伝える重要な項目になります。
フォーマット
エンジニアの職務経歴書は、経歴を時系列にまとめる「編年体式」より、職務内容を製品やプロジェクトごとにまとめる「キャリア式」の方がわかりやすい場合が多いです。
自分のキャリアをアピールしやすい書き方を選びましょう。
編年体式
経歴を古いものから順に時系列にまとめる書き方です。
基本的な構成は入社、配属、異動などの見出しと見出しに沿った職務内容、実績を記載する形式です。
古い方から書くのが一般的ですが、最新のものから書く形式(逆編年体形式)もあります。
習熟度やレベルアップをアピールしやすいので、同じ業務に携わってきた人に向いています。
キャリア式
時系列ではなく、職務内容ごとに経歴をまとめる書き方です。
製品やプロジェクト別などキャリア(同じ業務)ごとにまとめて記載する形式です。
担当製品ごとに業務内容や規模が違うエンジニアの人に向いています。
- 年代順に製品・プロジェクトごとの業務を記載する
- 職務内容を箇条書きにする
- 必要に応じて、表を使用する
組込・ソフト系のアピールポイント
組込・ソフト系は専門的な技術知識が必要となり、経験が重視されます。
求められるスキルは具体的であることが多く、活かせる実績やスキルをアピールします。
経験者
- 応募企業で活かせる技術領域とスキルの詳細
- リーダーやマネジメント経験は有利なアピール材料
- 仕様調整や折衝経験などの業務推進力
未経験者
- ソフトウェア・電気・機械の基礎知識
- 応募企業で活かせる資格やスキル、技術知識
- 対人折衝力、コミュニケーション力、英語や中国語などの語学力
電気・電子系のアピールポイント
回路設計は専門的な知識やスキルが必要となり、経験が重視されます。
設計業務、使用ツール、技術知識をわかりやすくまとめます。
経験者
- 応募企業で活かせる設計経験とスキルの詳細
- リーダーやマネジメント経験は有利なアピール材料
- 他部署や社外との連携などプロジェクト推進力
未経験者
- 電気電子の基礎知識
- 応募企業で活かせる資格やスキル、技術知識
- 対人折衝力、コミュニケーション力、英語や中国語などの語学力
機械系のアピールポイント
機械設計は汎用性が高く、絶対的に必要な資格はあまりありませんが、経験が重視されます。
未経験者であっても、今までの経験をどのように活かせるかを示すことがポイントです。
経験者
- 応募企業で活かせる経験領域とスキルの詳細
- リーダーやマネジメント経験は有利なアピール材料
- 他部署との連携などプロジェクト推進力
未経験者
- 応募する職種や業界の知識
- 応募企業で活かせる資格やスキル、技術知識
- 対人折衝力、コミュニケーション力、チームワーク、語学力
研究・開発系のアピールポイント
研究・開発は高度な専門職種であり、基本的に経験者採用が中心です。
育成を前提とした第二新卒の採用以外で、未経験者採用の可能性はかなり低いといえます。
経験者
- 研究開発対象の深い専門知識
- 特許に関する知識や経験
- 研究開発に活かせる資格や技能
未経験者
- 開発製品やその製品材料を扱っていたなどの経験
- 英語や中国語などの語学力
- コミュニケーション力
評価・試験のアピールポイント
評価・試験の業務範囲は広く、業界や製品により評価・試験方法が異なるため、どのような業務を経験してきたかを伝えることが必要です。
未経験者であっても、製品知識があれば有利です。
経験者
- 経験した製品や業務範囲
- リーダーやマネジメント経験は有利なアピール材料
- 習得したスキルや知識、使える道具
未経験者
- 対象製品の知識
- 基礎となる技術知識
- 環境関連など活かせる資格や知識
化学系のアピールポイント
化学系エンジニアは専門性や得意分野を明確にして、応募企業で活かせる実績をアピールします。
未経験者は学生時代の専門分野や研究内容で応募職種との関連性を示します。
経験者
- 携わった素材分野や開発フェーズ
- 具体的な評価方法
- 習得したスキルや知識
未経験者
- 化学・素材系の基礎知識
- 学生時代の専攻・研究テーマ・実験等
- 応募職種に関連するセミナー・研修など
製造系エンジニアの書類作成サポート
製造系エンジニアの転職活動
作成した応募書類に自信が持てなかったり、応募する前に添削してもらいたい、という人も多いのではないでしょうか。
エージェントサービスを利用すると、業界や職種に精通したコンサルタントのサポートを受けることができます。
サービスのメリット
- キャリアの可能性を広げるコンサルティング
- 非公開・独自案件の求人紹介
- 書類作成や面接対策のアドバイス など
まとめ
職務経歴書では、担当した製品と業務をただ羅列してもアピールにはなりません。
応募企業で求めている経験やスキルを中心にまとめることが、書類選考を通過させる重要なポイントです。
基本的にはチームで業務を行いますので、メンバーとの関係、英語を含むコミュニケーション力も選考ポイントのひとつになります。
参考:職務経歴書の基本構成
職務経歴書
20××年×月×日
氏名○○ ○○
【職務概要】
「キャリア式」で書く場合には、冒頭に簡単な経歴を【職務概要】や【経歴要約】などとしてまとめると、採用担当にも伝わりやすくなります。
【職務内容】
担当した職務やプロジェクト、製品ごとにまとめます。期間、業務内容、開発環境、メンバー、立場などを記載するとわかりやすくなります。
- 勤務先、勤務期間、所属、職種
- 経験した業務の詳細・実績
- 昇格・昇進、リーダー経験など
【習得スキル】
開発言語や環境、使用していたツールやソフト、語学力などを記載します。
- 開発言語・開発環境
- 使用ツール・パソコンスキル
- 受講研修
- 語学力など
【資格・免許】
応募職種に活かせる資格や免許をすべて記載します。
【自己PR】
自分の強みや経験・スキルが応募職種にどのように活かせるかを記載します。ものづくりへの思いを伝えることもポイントです。特に経験が浅い第二新卒や未経験者は、積極的や姿勢や意欲を伝えることが大切です。
- アピールポイント
- 転職(退職)理由
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス