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食肉・乳製品の業界研究:就活・転職に

食品産業は規模が大きく、多くの業種に分類されます。なかでも肉製品や乳製品などの畜産食料品製造は堅調な業界です。

就活・転職で押さえておきたい食肉・乳製品の概要と業界動向についてご紹介します。

食品業界

食品とはすべての飲食物(医薬品を除く)のことです。

食品の種類には「生鮮食品」と「加工食品」があり、さらに「加工食品」は工程上、一次加工食品、二次加工食品、三次加工食品に分類されます。

食品製造業は「食料品製造業」と「飲料・たばこ・飼料製造業」の二部門で構成され、日本の食の安定供給と安全性に大きな役割を担っています。

生活必需品を提供することから、景気変動の影響が少ない業界といえますが、輸入原材料価格の高騰や人口減少に伴い、売上から利益重視の戦略へ移行しつつあります。

海外展開を進める企業も増えています。

【食料品製造業】

  • 畜産食料品製造業
  • 水産食料品製造業
  • 野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造
  • 調味料製造業
  • 砂糖・でんぷん糖類製造業
  • 精穀・製粉業
  • パン・菓子製造業
  • 動植物油脂製造業
  • その他の食料品製造業

(参考:総務省「日本標準産業分類」)

食肉加工食品

ハム・ベーコンなどの食肉加工食品は、日常の食生活に欠かせない役割を果たしています。

食肉惣菜類のハンバーグ、ミートボール、コロッケ、餃子などの調理品の消費量が増加しています。

需要は増加していますが、原材料や燃料の高騰が懸念材料となっています。

日本ハム

食肉関連の最大手。

食肉をはじめ食肉加工食品、水産加工食品、乳製品、外食事業などを展開しています。

  • 設立:1949年5月30日
  • 本社:大阪府
  • 売上高:1兆2,597億円
  • 従業員数:16,064人
  • 平均年齢:40歳

伊藤ハム米久ホールディングス

日本ハムに次ぐ業界2位。

伊藤ハムと米久が経営統合しました。

  • 創業:1928年4月
  • 本社:兵庫県
  • 売上高:9,226億円
  • 従業員数:8,010人
  • 平均年齢:42歳

プリマハム

業界3位。

加工食品が主力で、コンビニ向け惣菜にも強みがあります。

  • 設立:1948年7月9日
  • 本社:東京都
  • 売上高:4,307億円
  • 従業員数:3,696人
  • 平均年齢:42歳

丸大食品

加工食品が主力。

レトルトカレーやデザート、飲料も好調です。

  • 設立:1958年6月10日
  • 本社:大阪府
  • 売上高:2,219億円
  • 従業員数:1,967人
  • 平均年齢:43歳

エスフーズ

食肉加工品は「こてっちゃん」が主力です。

  • 設立:1967年5月22日
  • 本社:兵庫県
  • 売上高:3,992億円
  • 従業員数:2,467人

スターゼン

卸が主力で、加工品にも強みがあります。

  • 設立:1948年6月17日
  • 本社:東京都
  • 売上高:4,251億円
  • 従業員数:2,729人
  • 平均年齢:40歳

乳業・乳製品

乳製品は生乳などの乳原料をもとに飲用牛乳や乳飲料、加工乳、ヨーグルトなどの発酵乳、チーズ、バターなどを幅広く生産しています。

健康志向の高まりで、乳酸菌飲料などが好調です。

明治ホールディングス

乳業・チョコレートの最大手。

牛乳や乳製品、菓子、一般用医薬品を中心に事業を展開しています。

  • 設立:2009年4月1日
  • 本社:東京都
  • 売上高:8,656億円
  • 従業員数:17,290人
  • 平均年齢:45歳

森永乳業

乳業2位。

牛乳やアイスクリーム、ヨーグルト、チーズなど事業が売上の半数以上を占めています。

  • 設立:1949年4月13日
  • 本社:東京都
  • 売上高:5,256億円
  • 従業員数:7,040人
  • 平均年齢:40歳

雪印メグミルク

雪印乳業と日本ミルクコミュニティが経営統合。

乳製品と飲料・デザート、飼料・種苗の事業を展開しています。

  • 本社:東京都(本店:北海道)
  • 設立:2009年10月1日
  • 売上高:5,843億円
  • 従業員数:5,715人
  • 平均年齢:41歳

ヤクルト本社

乳酸菌飲料でヤクルトレディによる独自の販売方法。

  • 設立:1955年4月9日
  • 本社:東京都
  • 売上高:4,830億円
  • 従業員数:29,880人
  • 平均年齢:43歳
食品メーカーランキング【売上高・純利益・営業利益率】
企業の業績は採用計画に大きく影響します。食品メーカーの売上高・純利益・営業利益率ランキングをご紹介します。

食品業界の業務

食品メーカーでは、商品開発から製造、営業などさまざまな部門で重要な役割を担っています。

研究開発部門

国内市場の縮小傾向から、メーカー各社は積極的に新商品の開発に取り組んでいます。この仕事には、高度は専門知識や技術だけでなく、新しい商品を生み出す探求心も求められます。

生産技術部門

商品を製造するための工程設計、生産性検討、設備計画、生産性指標の検証、食品加工技術開発などの仕事があります。工場など現場担当者とのコミュニケーションも重要です。

生産・品質管理部門

生産管理は高品質で安全な食品を経済的に生産するための管理を、品質管理は食品の安全性、栄養機能、食べやすさを経済的に実現するための管理を行います。

マーケティング部門

市場の開発、拡大に関わる業務です。消費者の好みや流行を敏感に取り入れ、商品企画を行います。

市場調査、コンセプト開発、試作、マーケティングプラン、市場投入、検証などの仕事があります。

営業・販促部門

食品メーカーの営業で代表的なものは、食品卸会社への営業、スーパーやコンビニ、百貨店などの小売店への営業、レストランなど外食産業への営業などがあります。

ルート営業もあれば新規開拓のための飛び込み営業を行うこともあります。

食品業界で有利なおすすめ資格
食品関連の資格はたくさんあります。転職・就職に資格が必須なわけではありませんが、食に関する意識の高まりとともに資格者が求められるようになっています。

食品業界の採用市場

食品業界は新卒から中途採用、文系・理系ともに高い人気があります。食品メーカーには優良企業が多く、地域の中小ケーカーも高収益企業が少なくありません。

地方から中央に進出するケースも多く、求める人材に大企業と中小企業の差はあまりないといえます。

食料品製造業の給与

区分20~24歳25~29歳43.5歳
(平均)
所定内労働時間167時間167時間164時間
残業21時間19時間17時間
月収226,100円246,400円273,600円
年間賞与等286,100円455,700円556,500円
年収2,999,300円3,412,500円3,839,700円

(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より)

まとめ

就業者数が120万人を超える食品業界。一般的に不況に強いといわれ、転職・就職でも人気があります。

これまでは大手企業が主流でしたが、地域に根付いた中小企業にも注目が集まっています。さまざまな業態がある食品業界は、仕事や働き方も多彩です。

食料品・飲料製造の仕事
食料品は、生産や輸入、製造・加工、流通などを経て、消費者に届けられます。食料品にはさまざまな種類があり、製品を製造・加工する多くの仕事があります。
業界天気図一覧(2025年):就活・転職に
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は就活・転職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。

 

【参考】
・総務省「日本標準産業分類」
・日本ハム・ソーセージ工業協同組合
・一般社団法人日本乳業協会
・各企業公式サイト
・日本経済新聞出版『日経業界地図2024年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2024年版』