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冷凍・インスタント食品の業界研究:就活・転職に

食品産業は規模が大きく、多くの業種に分類されます。冷凍・インスタント食品は利便性から需要が拡大しています。

就活・転職で押さえておきたい冷凍・インスタント食品の概要と業界動向についてご紹介します。

食品業界

食品とはすべての飲食物(医薬品を除く)のことです。

食品の種類には生鮮食品と加工食品があり、加工食品は工程上、一次加工食品、二次加工食品、三次加工食品に分けられます。

食品製造業は「食料品製造業」と「飲料・たばこ・飼料製造業」の二部門で構成され、日本の食の安定供給と安全性に大きな役割を担っています。

生活必需品を提供することから、景気変動の影響が少ない業界といえますが、輸入原材料価格の高騰や人口減少に伴い、売上から利益重視の戦略へ移行しつつあります。

海外展開を進める企業も増えています。

加工食品の種類

  • 一次加工食品
    白米、小麦粉、砂糖、缶詰、味噌、醤油、食用油など
  • 二次加工食品
    食パン、麺類、マーガリン、ハム、マヨネーズ、ソースなど
  • 三次加工食品
    菓子、冷凍食品、インスタント食品、レトルト食品など

冷凍食品

冷凍食品は品質が劣化しないように急速冷凍し、品質を保持している食品です。

うどんやコロッケ、チャーハン、ギョウザなどが人気です。

インスタント食品

インスタント食品は調理に時間をかけずにすぐに食べられる貯蔵性食品です。

即席めんが代表的です。

冷凍食品

冷凍食品は長期保存を目的として加工されます。時短・簡便化志向のトレンドで冷凍食品の市場規模は拡大を続けています。

マルハニチロ

水産最大手。

冷凍食品もトップクラスです。

グローバルに水産・食品事業を展開しています。

  • 設立:1943年3月31日
  • 本店所在地:東京都
  • 売上高:1兆204億円
  • 従業員数:12,483人
  • 平均年齢:42歳

ニッスイ(旧日本水産)

水産の老舗。

水産物に特化した加工食品に強みがあります。

海外事業の選択と集中を進めています。

  • 設立:1943年
  • 本店所在地:東京都
  • 売上高:7,681億円
  • 従業員数:9,515人
  • 平均年齢:43歳

極洋

水産会社。

水産物貿易や漁業、加工食品に強みがあります。

  • 設立:1937年9月3日
  • 本店所在地:東京都
  • 売上高:2,721億円
  • 従業員数:2,112人
  • 平均年齢:41歳

ニチレイ

冷凍食品大手。

低温物流にも強みがあります。

  • 設立:1942年12月24日
  • 本店所在地:東京都
  • 売上高:6,622億円
  • 従業員数:15,766人
  • 平均年齢:45歳

テーブルマーク

JT子会社の冷凍食品大手。

冷凍麺、冷凍お好み焼き、冷凍パン・デザート、パックごはんなどの事業を展開しています。

  • 本店所在地:東京都
  • 売上高:1,092億円
  • 従業員数:3,568人

ヨコレイ

冷蔵倉庫大手。

販売部門は水産物を中心に展開しています。

  • 創業:1948年5月13日
  • 本店所在地:神奈川県
  • 売上高:1,152億円
  • 従業員数:1,620人
  • 平均年齢:36歳

インスタント食品

インスタント食品は、広義では缶詰や冷凍食品、レトルト食品、乾燥食品などの加工食品を含みますが、インスタントラーメンなど即席めんが代表的です。

原材料高騰の影響により即席めん各社は主力商品を値上げしています。

日清食品ホールディングス

即席めんで国内シェアトップ。

傘下の明星食品とで全体の5割を占めています。

  • 設立:1948年9月4日
  • 本店所在地:大阪府
  • 売上高:6,692億円
  • 従業員数:1,5227人
  • 平均年齢:41歳

東洋水産

即席めんを主力とした総合食品メーカー。

「マルちゃん」ブランド。うどん・そば類にも強みがあります。

  • 設立:1953年3月25日
  • 本店所在地:東京都
  • 売上高:4,357億円
  • 従業員数:4,745人
  • 平均年齢:41歳

サンヨー食品

袋めん「サッポロ一番」を展開しています。

傘下にエースコック。

  • 創業:1953年11月
  • 本店所在地:東京都
  • 売上高:1,615億円
  • 従業員数:7,338人

即席めん

  • 明星食品
  • エースコック
  • シマダヤ
  • まるか食品 など
食品メーカーランキング【売上高・純利益・営業利益率】
企業の業績は採用計画に大きく影響します。食品メーカーの売上高・純利益・営業利益率ランキングをご紹介します。

食品業界の業務

食品メーカーでは、商品開発から製造、営業などさまざまな部門で重要な役割を担っています。

研究開発

メーカー各社は積極的に新商品の開発に取り組み、毎年多くの新商品を発売しています。この仕事には、高度は専門知識や技術だけでなく、新しい商品を生み出す探求心も求められます。

生産技術

商品を製造するための工程設計、生産性検討、設備計画、生産性指標の検証、食品加工技術開発などの仕事があります。工場など現場担当者とのコミュニケーションも重要です。

製造

商品の製造は工場で行われます。各工程における加工技術を熟知し、納期までに商品を製造する責任があります。

生産・品質管理

生産管理は高品質で安全な食品を経済的に生産するための管理を、品質管理は食品の安全性、栄養機能、食べやすさを経済的に実現するための管理を行います。

マーケティング部門

市場の開発、拡大に関わる業務です。消費者の好みや流行を敏感に取り入れ、商品企画を行います。

市場調査、コンセプト開発、試作、マーケティングプラン、市場投入、検証などの仕事があります。

営業・販促

食品メーカーの営業で代表的なものは、食品卸会社への営業、スーパーやコンビニ、百貨店などの小売店への営業、レストランなど外食産業への営業などがあります。

食品業界で有利なおすすめ資格
食品関連の資格はたくさんあります。転職・就職に資格が必須なわけではありませんが、食に関する意識の高まりとともに資格者が求められるようになっています。

食品業界の求人・転職

食品業界は新卒から中途採用、文系・理系ともに高い人気があります。食品メーカーには優良企業が多く、地域の中小メーカーも高収益企業が少なくありません。

地方から中央に進出するケースも多く、求める人材に大企業と中小企業の差はあまりないといえます。

食料品製造業の給与

区分20~24歳25~29歳43.5歳
(平均)
所定内労働時間167時間167時間164時間
残業21時間19時間17時間
月収226,100円246,400円273,600円
年間賞与等286,100円455,700円556,500円
年収2,999,300円3,412,500円3,839,700円

(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より)

まとめ

食品業界は一般的に不況に強いといわれ、就職でも高い人気があります。

これまでは大手企業が主流でしたが、地域に根付いた中小企業にも注目が集まっています。さまざまな業態がある食品業界は、仕事や働き方も多彩です。

食料品・飲料製造の仕事
食料品は、生産や輸入、製造・加工、流通などを経て、消費者に届けられます。食料品にはさまざまな種類があり、製品を製造・加工する多くの仕事があります。
業界天気図一覧(2025年):就活・転職に
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は就活・転職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。

 

【参考】
・農林水産省ウェブサイト
・一般社団法人日本冷凍食品協会
・一般社団法人日本即席食品工業協会
・各企業公式サイト
・日本経済新聞出版『日経業界地図2024年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2024年版』