キーワード解説
フランチャイズ
フランチャイズとは、事業者(フランチャイザー)が一定の条件で他の事業者(フランチャイジー)に営業権を与えて、対価としてロイヤリティを受け取る契約形態のことをいいます。
フランチャイジーは、フランチャイザーの商標・サービスマーク・チェーン名称等を使用する権利、商品・サービスを販売する権利、事業を行う上での情報・ノウハウなどを得ることができます。
フランチャイズ・システムでは、フランチャイジーが資本を用意するので、フランチャイザーは、比較的少額の資本で急速な店舗展開が可能となります。
フランチャイズでチェーン展開を行う業種は、コンビニエンスストア等の小売業、ハンバーガーショップ等の外食業、CDレンタルショップ等のサービス業など多岐に渡ります。
フランチャイズ・ビジネス
フランチャイズ契約では、フランチャイジーが、
- フランチャイザーの商標、サービス・マーク、チェーン名称を使用する権利
- フランチャイザーが開発した商品やサービス、情報など、経営上のノウハウを利用する権利
- フランチャイザーがフランチャイジーに与える指導や援助
を継続的に得ることができます。
一方、フランチャイジーは権利に対する対価(加盟金、保証金、ロイヤルティ)をフランチャイザーに支払う義務を負います。
フランチャイズチェーン
業種 | チェーン数 | 店舗数 | 売上高 (百万円) |
小売業 | 322 | 108,256 | 18,812,557 |
外食業 | 558 | 52,777 | 3,670,258 |
サービス業 | 428 | 92,984 | 2,937,596 |
総計 | 1,308 | 254,017 | 25,420,410 |
(日本フランチャイズチェーン協会2020年度統計調査より)
小売業
コンビニエンスストアを代表とする小売業は、フランチャイズの店舗、売上高ともに多くを占めています。
- コンビニエンスストア
- スーパーマーケット
- 100円ショップ
- ディスカウントストア
- 家電機器販売店
- 医薬品・書籍・スポーツ用品・中古品等小売 など
外食業
外食業にはファストフードを中心に、多くのフランチャイズチェーンがあります。
- ハンバーガー
- サンドウィッチ
- フライドチキン
- ドーナツ
- うどん
- コーヒーショップ
- 焼肉店
- 専門レストラン など
サービス業
サービス業では、ライフスタイルの変化やニーズの多様化に対応した特徴のある店舗が売上を伸ばしています。
- CD・DVD・ビデオレンタル
- レンタカー
- 生活用品レンタル
- 学習塾
- クリーニング
- ホテル、レジャー施設
- フィットネスクラブ
- マッサージ
- 介護サービス など
フランチャイジーのメリット
システムをうまく活用すればメリットが大きいといわれています。
- 独自に事業をスタートするよりリスクが低い
- 比較的小資本で開業できる
- フランチャイザーの知名度・イメージを活用できる
- 過去の成功実績・ノウハウを引き継ぐことができる
- 販売活動に専念できる
- 安定した商品・サービスを販売することができる
フランチャイジーのデメリット
システム独特のデメリットもあります。
- 加盟金・ロイヤルティの負担がある
- フランチャイザーに経営が左右される
- 契約条件は基本的に一律で希望が受け入れられる余地は少ない
- 店舗の独自性を出しにくい
フランチャイザーの情報収集
フランチャイズに加盟するときには、関心のある業種や資金に見合ったフランチャイザーを探すための情報収集が必要です。
- 募集用パンフレット
- 事業説明会
- フランチャイザー訪問
- 既存店舗訪問
- 法定開示書面
- 新聞・雑誌の記事や広告
- フランチャイザーのウェブサイト
- セミナーへの参加 など
フランチャイズチェーン契約
フランチャイズ・システムは統一的に運用されているので、契約内容を変更することは難しいといえます。
- フランチャイズの付与
商標等の使用とノウハウ - フランチャイザーに支払う金銭
加盟金・ロイヤルティ・保証金 - テリトリー
店舗設置場所・営業範囲 - 店舗運営
研修・教育制度、各種マニュアル、指導・支援、内外装のデザイン、従業員の服装、商品の仕入れ方法など - 契約の終了
自動更新が多い - 競業避止義務および守秘義務
契約中だけでなく契約終了後も一定期間は義務が存続 - その他の契約
開業準備
開業するまでに準備しておかなければならないことがあります。
- 資金調達
・自己資金
・出資や借り入れ
・公的金融機関からの融資
・地方自治体の融資制度など - 店舗建設・内外装工事
- 開業前研修
- 従業員の採用
・採用人数の決定
・勤務条件の決定
・採用の募集
・書類選考、面接
・採用の決定、研修 - 開店直前準備および開店
加盟後のトラブル
フランチャイズ本部と加盟店の間では、契約に関するトラブルが発生することがあります。
トラブルの主な内容は、「本部への不信・不満」や「解約」についてです。
当事者の話し合いで解決できない場合には、訴訟問題に発展していくこともあります。
参考:一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会