地方公務員・社会人採用の「社会人基礎試験」


地方自治体の採用試験において、社会人の幅広い層から人材を確保するために、従来の公務員試験とは異なる新しいタイプの「社会人基礎試験」が広がっています。

「社会人基礎試験」とはどのような試験なのか。その内容と対策をご紹介します。

社会人基礎試験の内容と対策

社会人基礎試験とは

社会人基礎試験は、社会人を対象とした採用活動において、受験者が現在の職場、職務で身につけた能力で試験に臨むことが可能な試験です。

新しい職場に適応しやすい人材を採用できるよう能力試験と適性検査がセットになった筆記試験です。

公務員にチャレンジしたいが、公務員試験を受験するための準備が難しい社会人にとって、受験のための特別な準備をしなくても受験できる内容となっています。

実施している自治体は、「社会人基礎試験」という名称を使っているとは限りませんが、このタイプの試験を導入する自治体は、年々増加しています。

試験日

(平成30年度は)年3回の統一試験日に設定されていました。統一試験日に行われる社会人対象の試験で実施される可能性があります。

試験内容

社会人基礎試験は、職務を遂行する上で必要な基礎的能力を見る「職務基礎力試験」と職務・職場への適応性を見る「職務適応性検査」の2つを組み合わせた試験です。

問い合わせ

公益財団法人 日本人事試験研究センター

職務基礎力試験

受験生が仕事をしながら受験することを考慮し、受験のための特別な準備が必要のない内容となっています。

公務に必要な基礎的な知的能力の検証を目的とする試験
問題数:75題
形 式:四肢択一式
解答時間:90分

社会的関心と理解について問う分野

新聞、ニュースなどで採り上げられる国内外の重要な出来事を関心をもって把握していれば解答できる問題、様々なニュースを理解するために必要となる基本的な知識を問う問題、地方自治に関する基礎的な知識を問う問題です。

言語的な能力を問う分野

日常目にするような日本語の文章や語彙、用法、漢字、簡単な英文や英語の用法等の理解を問う問題です。

論理的な思考力を問う分野

与えられた文章やグラフ、表などから、論理的に考察することにより正答を導き出す問題です。

職務適応性検査

社会人の職務、職場への適応性(職務への対応、人間関係等)の観点から受験者の性格傾向を把握する内容となっています。

面接や採用に当たって必要な情報の提供を目的とする試験
質問項目数:150項目
形 式:4件法
回答時間:20分

測定内容

質問項目に「当てはまる」「やや当てはまる」「あまり当てはまらない」「当てはまらない」の4つのうちから1つを選ぶ形式です。

  • 積極性:自発的かつ前向きに物事に取り組むことができる傾向
  • 共感性:人の気持ちや立場をよく理解し、協力や気配りができる傾向
  • 柔軟性:プラス思考で気持ちの切り替えがよく、オープンな態度をとれる傾向
  • 自我強度:自分というものに安定感・充実感があり、粘り強く努力できる傾向
  • 規範性:ルールを大切にし、規範意識に支えられた行動をとろうとする傾向

社会人基礎試験の対策

社会人基礎試験は、受験性が受験のための特別な準備をしなくても受験できる試験ですので、普段の生活から出題分野への関心を高めておくことが1番の対策といえます。

ただ、職務基礎力試験では、一般的な公務員試験の教養試験とは全く異なる内容の問題が出題されますので、問題は見ておきたいという人も多いのではないでしょうか。

市販の問題集で社会人基礎試験の問題の雰囲気や時間配分などを確認することができます。

社会人基礎試験の問題集

公務員試験の対策講座

公務員の社会人採用

社会人採用の動向

自治体では、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が求められるようになっています。民間企業経験者に対しても、門戸が広く開かれ、現在の仕事を辞めずに働きながら公務員試験に合格している人もたくさんいます。

既卒・未経験からの受験も可能

公務員試験の合格者は、新卒以外の人も多く、既卒や職務経験のない人、フリーターなどからも幅広く受験できます。

一般行政系試験

一般行政系試験の受験資格は、自治体や試験区分により異なりますが、29歳程度までが多く、30歳以上まで上限を引き上げている自治体もあります。

学歴制限を設けているところは少なく、20代には経験者採用試験と平行して受験のチャンスが多いといえます。

都道府県・政令指定都市・特別区

  • 地方上級:大学卒業程度
  • 地方中級:短大卒業程度
  • 地方初級:高校卒業程度

経験者採用試験

多くの自治体が、民間企業などでの職務経歴が4年程度以上の人を対象とした人材を採用する「経験者採用試験」を実施しています。

必要な職務経験の年数や経験内容は自治体により異なりますが、職務経験にアルバイトや契約社員パートタイマーを含む自治体もあります。

横浜市の場合

  • 受験資格:民間企業等での職務経験5年以上
  • 試験内容:【1次】一般教養、専門試験、一般論文【2・3次】面接

神戸市の場合

  • 受験資格:民間企業等での職務経験3年以上
  • 試験内容:【1次】基礎的能力試験、専門試験、適性検査【2次】面接、グループワーク【3次】面接、論文

まとめ

行政の課題が多様化し、自治体では幅広い層から人材を確保しようとする動きが活発になっています。今後も、社会人経験者のニーズは高まると考えられます。

社会人経験者が受験しやすい試験を導入する自治体もますます増えていくでしょう。

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