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地方公務員・社会人採用の「職務基礎力試験(BEST)」

自治体はじめとする公的部門の採用試験において、民間企業志望者や社会人など幅広い層から多様な人材を確保するために、従来の公務員試験とは異なる新しいタイプの試験を採用する動きが広がっています。

職務遂行能力と適性を総合的に判定する「職務基礎力試験」は、受験者の負担が少ないコンパクトな試験として社会人採用などで導入されています。

「職務基礎力試験」について、その内容と対策をご紹介します。

職務基礎力試験の内容と対策

職務基礎力試験とは

職務基礎力試験は、社会人など対象が広がる公務員等の採用試験において、受験者が現在の職場、職務で身につけた能力で試験に臨むことが可能な試験です。

幅広い対象者に対応し、受験者の基礎的な能力を総合的に判定できる試験として、「職務能力試験(BEST-A)」と「職務適応性検査(BEST-P)」の二つのテストで構成されています。

公務員にチャレンジしたいけれど、公務員試験を受験するための準備が難しい社会人にとって、受験のための特別な準備をしなくても受験できる内容となっています。

実施している自治体は、「職務基礎力試験」という名称を使っているとは限りませんが、このタイプの試験を導入する自治体は、年々増加しています。

試験日

統一試験日は年3回に設定されています。

統一試験日に行われる社会人対象の試験で実施される可能性があります。

試験内容

職務基礎力試験は、職務を遂行する上で必要な基礎的能力を見る「職務基礎力試験」と職務・職場への適応性を見る「職務適応性検査」の2つを組み合わせた試験です。

問い合わせ

公益財団法人 日本人事試験研究センター

職務基礎力試験(BEST-A)

論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解等を確認するための基礎的な内容が出題されます。

受験生が仕事をしながら受験することを考慮し、受験のための特別な準備が必要のない内容となっています。

公的部門の職員としての職務遂行に必要な能力の検証を目的とする試験
問題数:60題
形 式:四肢択一式
解答時間:60分

試験内容

  • 地方行政への関心と理解
  • 文章を正確に理解し、事務を円滑に遂行する能力
  • 論理的に思考し、判断する能力
  • 現状や統計等の資料を分析し、課題を発見する能力
  • 国内外の社会情勢への理解と新たな課題に対応するための基礎知識

職務適応性検査(BEST-P)

職務、職場への適応性(職務への対応、人間関係等)の観点から幅広い受験者の性格傾向を把握する内容となっています。

公的部門の職員として必須の性格特性を把握すること目的とする試験
質問項目数:150項目
形 式:4件法
回答時間:20分

測定内容

質問項目に「当てはまる」「やや当てはまる」「あまり当てはまらない」「当てはまらない」の4つのうちから1つを選ぶ形式です。

  • 積極性:自発的かつ前向きに物事に取り組むことができる傾向
  • 共感性:人の気持ちや立場をよく理解し、協力や気配りができる傾向
  • 柔軟性:プラス思考で気持ちの切り替えがよく、オープンな態度をとれる傾向
  • 自我強度:自分というものに安定感・充実感があり、粘り強く努力できる傾向
  • 規範性:ルールを大切にし、規範意識に支えられた行動をとろうとする傾向

職務基礎力試験の対策

職務基礎力試験は、受験性が受験のための特別な準備をしなくても受験できる試験ですので、普段の生活から出題分野への関心を高めておくことが1番の対策といえます。

ただ、職務基礎力試験では、一般的な公務員試験の教養試験とは全く異なる内容の問題が出題されますので、問題は見ておきたいという人も多いのではないでしょうか。

市販の問題集で職務基礎力試験の問題の雰囲気や時間配分などを確認することができます。

職務基礎力試験の問題集

社会人経験者採用試験の対策講座

公務員試験の対策講座には、社会人向けのコースもあります。

自分の状況に合わせて上手に活用することをおすすめします。

公務員試験対策おすすめ通信講座【社会人経験者】
社会人を対象とした経験者採用試験を実施する自治体が増えています。公務員転職を目指す人におすすめの経験者採用試験に対応した公務員通信講座をご紹介します。

公務員の社会人採用

社会人採用の動向

自治体では、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が求められるようになっています。

民間企業経験者に対しても、門戸が広く開かれ、現在の仕事を辞めずに働きながら公務員試験に合格している人もたくさんいます。

都道府県・政令指定都市・特別区

  • 地方上級:大学卒業程度
  • 地方中級:短大卒業程度
  • 地方初級:高校卒業程度

既卒・未経験からの受験も可能

公務員試験の合格者は、新卒以外の人も多く、既卒者や職務経験のない人、フリーターなどからも幅広く受験できます。

一般行政系試験

一般行政系試験の受験資格は、自治体や試験区分により異なりますが、29歳程度までが多く、30歳以上まで上限を引き上げている自治体もあります。

学歴制限を設けているところは少なく、20代には経験者採用試験と平行して受験のチャンスが多いといえます。

北海道(経験不問枠)の場合

  • 必要な資格・免許等:特になし
  • 試験内容
    ・第1次試験:職務基礎力試験
    ・第2次試験:口述試験
    ・第3次試験:口述試験

大阪府(社会人等)の場合

  • 学歴・職務経験:要件なし
  • 試験内容
    ・第1次試験:SPI3、エントリーシート
    ・第2次試験:論文(行政)、個別面接
    ・第3次試験:プレゼンテーション面接、個別面接、グループワーク

経験者採用試験

多くの自治体が、民間企業などでの職務経歴が4年程度以上の人を対象とした人材を採用する「経験者採用試験」を実施しています。

必要な職務経験の年数や経験内容は自治体により異なりますが、職務経験にアルバイトや契約社員、パートタイマーを含む自治体もあります。

特別区(経験者)の場合

  • 職務経験:民間企業等で4年以上
  • 試験内容
    ・第1次試験:教養試験、論文試験
    ・第2次試験:口述試験

横浜市(社会人)の場合

  • 職務経験:民間企業等で5年以上
  • 試験内容
    ・第1次試験:SPI3
    ・第2次試験:プレゼンテーション
    ・第3次試験:面接

まとめ

行政の課題が多様化し、自治体では幅広い層から人材を確保しようとする動きが活発になっています。

今後も、社会人経験者のニーズは高まると考えられます。

社会人経験者が受験しやすい試験を導入する自治体もますます増えていくでしょう。

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【参考】
・総務省「地方公務員制度等」
・地方自治体の採用情報ページ
・公益財団法人日本人事試験研究センター

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