農業・農ビジネスの転職業界研究


日本の農業は農家の高齢化や廃業など厳しい環境にあります。農業人口が減るなか、ベンチャー企業など異業種や未経験からの新規参入など新しい動きが見られるようになっています。

農業業界の転職・就職で押さえておきたい基礎知識、業界の動向をご紹介します。

農業業界の最新動向(2019年)

農業ビジネス

国内の農業産出額は2010年を底にやや増加しています。農業に従事する人の減少と高齢化は進み、民間企業の参入が期待されています。

米作農業

米の消費量は減少傾向ですが、消費者の安全・安心志向に対応し、有機栽培や減化学肥料など特色を持たせたオリジナルブランド米が注目を集めています。より品質の高い安全な売れる米作りを進める動きが出ています。

野菜作農業

野菜は国内生産量が減少し、輸入量が増加しています。野菜産地の改革や体制強化の取り組みが推進されています。

  • 低コスト化
  • 契約取引推進
  • 高付加価値化

果樹作農業

果物は付加価値の高い農業を展開していますが、国内需要は伸び悩んでいます。国内の需要喚起と日本産ブランドの輸出を推進することが課題といえます。

畜産農業

畜産農業は乳製品を作る酪農とブタやニワトリなどの飼育、生産のことをいい、国内農業では最も大きい規模です。高齢化や飼料価格の高騰などの影響を受けています。

農業協同組合(JA)

農家のコスト削減や農産物流通の合理化のため、JA全農の改革が進められています。

経済事業(購買・販売)

JA全農は組合員が生産した農作物の販売、農業の生産に必要な肥料や農薬、農業機械などの供給を行います。

信用事業

JAバンクは営農指導や貯金、貸付、証券業などを行います。中核は農林中金です。

共済事業

JA共済は組合内での共済加入取りまとめを行います。郵便窓口業務の受託なども行っていて、組合員の生活に密着した組織です。

農薬

農薬は農作物を病害虫の被害から守るために必要となります。農作物の効率化や品質の維持、商品価値の向上などに大きな役割を果たしています。農薬市場には農薬専業から総合化学メーカーまでさまざまな企業が参入しています。

住友化学

総合化学。農薬の比率は低いですが、除草剤に強みがあります。

  • 従業員数:31,837人
  • 平均年齢:40歳

日産化学

農薬や医薬品などを幅広く展開しています。

  • 従業員数:2,511人
  • 平均年齢:40歳

日本農薬

農薬専業大手です。海外販売を強化しています。

  • 従業員数:1,433人
  • 平均年齢:42歳

クミアイ化学工業

農薬専業。水稲用が主力です。

  • 従業員数:1,533人
  • 平均年齢:39歳

肥料

肥料は農作物の収穫量の増大に欠かせません。肥料には有機質肥料と化学肥料がありますが、日本で使われている肥料のほとんどは化学肥料です。

肥料メーカー

  • 片倉コープアグリ:複合肥料
  • 多木化学:化学肥料
  • 日東エフシー:独立系

農業機械

農業機械はトラクター、コンバイン、バインダ、田植え機、自動搾乳機、動力運搬機など多くの種類があります。国内市場は縮小傾向ですが、輸出は好調です。

農機メーカー

  • クボタ:国内最大手
  • ヤンマーホールディングス:農機大手
  • 井関農機:農機専業
  • やまびこ:小型屋外作業機械
  • 丸山製作所:農薬散布機
  • 三菱マヒンドラ農機

種苗

農家の多くは生産性を上げるために品種改良された種を購入しています。これらの種子や苗の開発、生産、販売などを行うのが種苗メーカーです。種苗専門メーカーは寡占状態にあります。

種苗専門メーカー

  • サカタのタネ:野菜・花きの種苗
  • タキイ種苗:野菜・花きの種苗
  • カネコ種苗:野菜種苗
  • 雪印種苗:飼料作物や牧草の種苗

農業ビジネス参入企業

企業の農業参入が増えています。農業や食品とは関係のない異業種からの参入も少なくありません。

流通大手

セブン&アイ・ホールディングスやイオンなど流通大手が農業への参入を開始しました。販売用の野菜などを栽培し、顧客満足度を上げる農作物の生産・提供を目指しています。

カゴメ

カゴメは創業以来、かかわりの深いトマト栽培に参入し、トマトの開発・生産から販売までの独自ルートを確立しました。培ってきた知識とノウハウを活かし業績も順調に成長しています。

  • 従業員数:2,456人
  • 平均年齢:41歳

ワタミ

外食産業から参入したワタミはメニューに使う有機農作物を生産し、差別化を図ろうとしています。また農家を支援し、農業の発展に貢献するための事業を積極的に展開しています。

  • 従業員数:2,825人

パソナ

人材派遣会社大手のパソナは農業分野の新たな雇用創出を目指して参入しました。意欲のある人が農業に参加できる環境や人材流動化のインフラ整備を進めています。

  • 従業員数:7,238人
  • 平均年齢:39歳

農業業界の人材育成

農家の後継ぎ問題がある一方で、新規参入者は増加傾向にあります。農業生産法人への就職や農業経営を始める人が増えています。

就農準備校

全国にある就農準備校は、農業に興味のある人が農業の基本的な知識や技術を学べる学校です。受講日は平日の夜や、土日に設定されていて、働きながらでも農業を学べるようなスケジュールとなっています。

さまざまなコースがあり、授業は座学と実習を組み合わせて、農業に関することが幅広く学べるようになっています。また通学が難しい人には、Eメール塾や、農業e‐ラーニング講座も用意されています。

新・農業人フェア

「就農したいがどうすればよいかわからない」、「農業法人に就職したい」、「いずれ地方に戻って、あるいは移り住んで就農したい」など幅広い就農希望者を対象に開催されるイベントです。会場では来場者それぞれのニーズに応えられるよう、さまざまなコーナーが設置されています。

パソナグループ農業プロジェクト

日本全国で就農支援事業を展開、新たな雇用創造の取り組みを行い、農業の可能性を拡大しています。

  • パソナチャレンジファーム
  • 就農支援事業
  • アグリベンチャー大学校

まとめ

農業に関する課題は多く、厳しい状況ではありますが、農業への関心は高まり、新規参入者は増加傾向です。農業の衰退に歯止めをかける改革の推進が求められています。

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