医薬品・製薬会社の業界研究


医薬品・製薬業界は国内外で再編が続き、新薬開発への選択と集中を進めています。M&Aや業務提携、買収、譲渡などの動きが目立ちます。

医薬品・製薬会社の転職・転職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

医薬品・製薬業界の最新動向(2019年)

医薬品業界

世界の主要メーカーでは、特許で保護された製品を独占販売することで高い収益を確保しています。医薬品の特許が切れると、同じ成分の後発医薬品(ジェネリック)が出回ります。

国内市場では、これまで高収益を支えてきた先発医薬品の特許切れなどにより、後発医薬品が急速に普及し、製薬会社には、市場縮小の懸念が強まっています。

海外企業

  1. ファイザー(米)
  2. ノバルティス(スイス)
  3. ロシュ(スイス)
  4. メルク(米)
  5. ジョンソン・エンド・ジョンソン(米)
  6. サノフィ(仏)
  7. グラクソ・スミスクライン(英)
  8. アッヴィ(米)
  9. ギリアド・サイエンシズ(米)
  10. アムジェン(米)

医薬品メーカー

薬価制度改正の影響は大きく、国内市場は縮小するも、海外事業は堅調に推移する見通しです。

武田薬品工業

国内首位。シェイアー(アイルランド)を2019年にも買収へ。実現すれば国内最大のM&Aになります。

  • 従業員数:27,230人
  • 平均年齢:40歳

アステラス製薬

医療用医薬品に特化。主力製品が特許切れとなり、再生医療技術を強化しています。

  • 従業員数:16,617人
  • 平均年齢:43歳

大塚ホールディングス

新薬の開発に注力。食品や飲料事業でも広く認知されています。

  • 従業員数:32,817人
  • 平均年齢:44歳

第一三共

世界初の薬剤開発で成長。循環器領域からがん領域に開発重点をシフトします。

  • 従業員数:14,446人
  • 平均年齢:43歳

エーザイ

アルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」でグローバル企業に成長しました。メルク(米)と抗がん剤で大型提携。

  • 従業員数:10,456人
  • 平均年齢:45歳

中外製薬

ロシュ傘下。バイオ医薬品の開発力の高さに強みがあります。

  • 従業員数:7,372人
  • 平均年齢:43歳

大日本住友製薬

住友化学傘下。神経領域に強みがあります。

  • 従業員数:32,817人
  • 平均年齢:44歳

協和発酵キリン

キリンホールディングス傘下。抗体薬に強みがあります。

  • 従業員数:7,532人
  • 平均年齢:42歳

塩野義製薬

抗生物質に強みがあります。

  • 従業員数:5,120人
  • 平均年齢:41歳

大衆薬メーカー

  • 大正製薬ホールディングス:大衆薬最大手
  • ロート製薬:一般用目薬で世界首位
  • ゼリア新薬工業
  • 佐藤製薬

後発医薬品

特許が切れた医療用医薬品の成分をそのまま使ってつくたれた医薬品を後発医薬品と呼びます。成分や性能は同じですが、研究開発の費用を抑えられるため先発医薬品より低価格で販売されています。

医療費抑制策の一環として後発薬の普及が進められ、普及率は70%を超えました。医療現場では先発薬から後発薬への置き換えが進み、市場は成長を続けています。薬価改定により単価が引き下げられたことから、販売数量が増える一方で、収益率は低下しています。

後発薬の業界シェアは沢井製薬、日医工、東和薬品の3社で全体の3割超を占めています。

沢井製薬

米国の大型後発薬企業を買収。

  • 従業員数:3,252人
  • 平均年齢:37歳

日医工

バイオ後発薬に参入。

  • 従業員数:1,560人
  • 平均年齢:41歳

東和薬品

卸を通さない直販体制。

  • 従業員数:2,449人
  • 平均年齢:36歳

武田テバファーマ

後発薬4位。外資の工場網に強みがあります。

  • 従業員数:2,000人
  • 平均年齢:38歳

Meiji Seikaファルマ

新薬と後発薬の両方の取り扱い。

  • 従業員数:5,583人

バイオ医療

遺伝子組み換えや細胞培養などのバイオ技術を活用して生み出された医薬品をバイオ医薬品といいます。抗体医薬や核酸医薬、再生医療などがあります。

国内ベンチャー企業と製薬大手の提携が活発化しています。法律改正に伴い、再生医療や細胞医療は実用化の加速が見込まれます。

バイオ企業

  • タカラバイオ
  • ペプチドリーム
  • そーせいグループ
  • リプロセル
  • メディシノバ・インク

再生医療

病気やケガで機能しなくなった組織や臓器と置き換えるための再生医療。特に注目を集めるのがiPS細胞です。

再生医療製品の実用化が加速し、研究の段階から産業化の段階に移りつつあります。基礎研究では世界をリードする日本ですが、実用化では欧米などに後れを取っています。

iPS細胞

  • 武田薬品工業
  • 第一三共
  • 協和発酵キリン
  • 大日本住友製薬
  • 富士フィルムホールディングス
  • ヘリオス

iPS細胞以外

  • アステラス製薬
  • 中外製薬
  • テルモ
  • サンバイオ
  • テラ
  • セルシード

医薬品業界の売上高ランキング

医薬品メーカー

順位 企業名 売上高(百万円)
1 武田薬品工業 1,770,531
2 アステラス製薬 1,300,316
3 第一三共 960,195
4 エーザイ 600,054
5 中外製薬 534,199
6 大塚製薬 531,217
7 大日本住友製薬 466,838
8 田辺三菱製薬 433,855
9 協和発酵キリン 353,380
10 塩野義製薬 344,667
11 MSD 315,315
12 小野薬品工業 261,836
13 ノバルティスファーマ 257,565
14 バイエル薬品 249,532
15 アストラゼネカ 249,273
16 日本イーライリリー 246,413
17 グラクソ・スミスクライン 225,139
18 参天製薬 224,942
19 大正製薬 205,164
20 日本チバガイギー 177,690

医薬品卸売業

順位 企業名 売上高(百万円)
1 スズケン 2,123,997
2 アルフレッサ 2,067,550
3 メディセオ 2,013,408
4 東邦薬品 1,150,817
5 アステム 368,815
6 ファイザー 285,000
7 バイタルネット 273,197
8 ケーエスケー 269,622
9 アルフレッサヘルスケア 241,178
10 大木 237,176
11 中北薬品 215,060
12 アトル 206,348
13 日本ベーリンガーインゲルハイム 183,675
14 翔薬 173,475
15 ほくやく 168,289
16 エバルス 165,143
17 ティーエスアルフレッサ 157,696
18 セイエル 148,631
19 富田薬品 126,273
20 恒和薬品 116,075

(帝国データバンク『業界動向2019-Ⅰ』より)

医薬品・製薬業界の採用市場

医薬品業界の求人・転職

MRの求人は落ち着いていますが、新薬開発などのタイミングで求人ニーズが高まる可能性があります。研究職の求人ニーズは高い水準が続いています。

医薬品業界の年収

業種・職種 20~24歳 25~29歳 平均
医薬品等製造 3,457,600円 4,414,900円 5,968,200円
医薬品等卸 3,180,600円 3,976,100円 5,767,900円
医薬品等小売 2,827,600円 3,439,800円 4,020,900円
薬剤師 3,594,600円 4,759,000円 5,259,800円

(厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」より)

医薬品業界の資格

医薬品業界では、高度な専門性が求められ、資格取得は必須です。

薬剤師

薬剤師は医薬品業界の代表的な資格で、製薬会社の研究開発やMRなど幅広く活躍しています。

MR認定試験

MRは「Medical Representatives」の略で医薬情報担当者と呼ばれます。MRとして認定されるには、公益財団法人MR認定センターが実施する試験に合格して、6ヵ月の実務経験が必要になります。受験資格は製薬会社などで導入教育を受けるか、MR認定センターの基礎教育を受講して修了認定を受けることが必要です。

  • 基礎教育:医薬品情報、疾病と治療、医薬概論
  • 実務教育:技能・実地、製品知識

医療経営士

医療機関をマネジメントする上で必要な医療および経営に関する知識と経営課題を解決する能力を有し、実践的な経営能力を備えた専門職です。

  • 財務的資源戦略
  • 知的・情報資源戦略
  • 物的・サービス戦略
  • 人的・資源戦略

製薬会社の組織

製薬会社のそれぞれの組織では、高い専門性を活かして活躍することができます。

医薬情報部門

医薬情報部門にはMRと呼ばれる営業部員が所属しています。一般的な営業職とは異なり、非常に専門性の高い職種です。

研究開発部門

研究開発部門は研究と開発に大別されます。薬学系、理学系の大学院卒業レベルの人が多く採用されます。

生産部門

生産部門では薬を製造する生産ラインの構築や品質管理を行います。機械、工学、薬学系の人材が求められます。

海外部門

医薬品業界では、海外事業の拡大が成長の鍵になっています。海外部門の重要性は高まり、担当者には優れたビジネスセンスが必要になっています。

医薬品業界の転職支援

医薬品・製薬会社は外資系やグローバル企業が多く、業界の動向に精通した転職エージェントを利用することをおすすめします。

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  • 充実した転職サポート

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  • 面接同行サービス

まとめ

医薬品・製薬業界ではグローバル大手企業を中心に業界再編が進んでいます。求人ニーズはM&Aなどで大きく変動しますので、転職を検討するのであれば、業界の動向に精通した転職支援サービスを上手に活用することをおすすめします。

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