当サイトには広告が含まれます

アパレル産業の業界研究【概要・動向】-転職・就職に

アパレル業界では、少子高齢化の影響で顧客のニーズにきめ細かく対応した品揃えが売り上げに直結するようになっています。

新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けましたが、市場は回復傾向にあります。

転職・就職で押さえておきたいアパレル業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

アパレル業界の最新動向(2023年)

アパレル業界

アパレル業界は、衣料品の企画開発を行い、生産工場でできあがった製品を小売業に卸売するアパレルメーカーと、企画開発から生産、販売まで一貫して行うSPA(製造小売業)を主軸としています。

さらに素材を生地にして提供するテキスタイルメーカーや商社、衣料品を販売する専門店などで構成されます。

アパレル業界には素材の生産、製品の生産、小売への流通という流れがあり、長い間、それぞれの役割により分業化されてきました。

しかし、メーカーによる小売店への直販や企画開発から生産、販売までを一体化したSPAが台頭し、こうした流通経路は変化しています。

アパレル業界の流れ

  • 素材の生産
    紡績メーカー、テキスタイルメーカー、商社
  • 製品の生産
    アパレルメーカー、縫製メーカー、卸売・問屋
  • 小売へ流通
    百貨店、専門店など

SPA(製造小売業)

SPAは企画開発から生産、販売までを一貫して手掛けます。

業績を伸ばしている企業では、低価格衣料を強みとして、付加価値を高めているのが特徴です。

価格競争が激化するなか、生き残りには、安さだけでなく、独自の強みやビジネスモデルが必要となっています。

ファーストリテイリング

SPAの国内最大手。

「ユニクロ」や「ジーユー」を世界展開しています。

  • 設立:1963年5月1日
  • 本部:東京都
  • 本店所在地:山口県
  • 従業員数:57,576人
  • 平均年齢:38歳

アダストリア

ポイントやトリニティアーツなどが経営統合。

カジュアル衣料が主力です。

  • 設立:1953年10月22日
  • 本部:東京都
  • 本店所在地:茨城県
  • 従業員数:6,196人
  • 平均年齢:33歳

ワークマン

作業服チェーンの最大手。

一般向けの「WORKMAN Plus」、「ワークマン女子」も展開しています。

  • 設立:1979年11月30日
  • 本部:東京都
  • 本店所在地:群馬県
  • 従業員数:349人
  • 平均年齢:37歳

ストライプインターナショナル

20~30代向のカジュアル衣料。

衣料品店のほかにホテルやカフェも展開しています。

  • 設立:1995年2月
  • 本部:東京都
  • 本店所在地:岡山県
  • 従業員数:2,973人

パルグループホールディングス

ファッション衣料・雑貨店。

アパレルを主力としていますが、日用雑貨の「3COINS」がヒットしました。

  • 設立:2016年9月1日
  • 本店所在地:大阪府
  • 従業員数:3,632人
  • 平均年齢:45歳

メーカー系

主要な販路である百貨店や専門店の売り上げ減が続き、ネット販売や新業態の構築で成長策を模索しています。

ワールド

ファッションビル・SC主体のアパレルメーカー大手。

「アンタイトル」「タケオ キクチ」などを展開しています。

構造改革を経て再上場を果たしています。

  • 1959年1月13日
  • 本部:東京都
  • 本社所在地:兵庫県
  • 従業員数:8,388人
  • 平均年齢:44歳

オンワードホールディングス

百貨店主体のアパレルメーカー大手。

「23区」「組曲」など百貨店向けブランドを多数展開しています。

  • 設立:1947年9月4日
  • 本店所在地:東京都
  • 従業員数:6,377人
  • 平均年齢:45歳

TSIホールディングス

ファッションビル・SC主体のレディース大手。

東京スタイルとサンエー・インターナショナルが経営統合しました。

  • 設立:2011年6月11日
  • 本店所在地:東京都
  • 従業員数:4,521人

ワコールホールディングス

婦人下着首位。

三愛の水着事業を買収して水着市場にも参入しています。

  • 設立:1949年11月1日
  • 本店所在地:京都府
  • 従業員数:19,717人
  • 平均年齢:46歳

グンゼ

インナーやストキッキングなどを展開。

素材事業も行っています。

  • 設立:1896年8月10日
  • 本社:大阪府
  • 本店所在地:京都府
  • 従業員数:5,692人
  • 平均年齢:43歳

三陽商会

主力だった「バーバリー」のライセンス契約終了。

EC支援企業を買収し、売上拡大を図っています。

  • 設立:1943年5月11日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:1,235人
  • 平均年齢:41歳

イトキン

「ミッシェルクラン」など百貨店主体の婦人服大手。

  • 設立:1950年8月20日
  • 本店(本社)所在地:東京都
  • 従業員数:1,877人

仕入れ型

仕入れ型の衣料専門店はアパレルメーカーや商社から衣料品を購入して販売します。

しまむら

低価格帯のカジュアル衣料店。

アジアへも進出しています。

  • 設立:1953年
  • 本社:埼玉県
  • 従業員数:3,086人
  • 平均年齢:42歳

ユナイテッドアーズ

セレクトシップ首位。

メンズ・レディース衣料や雑貨を展開しています。

  • 設立:1989年10月2日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:3,826人

ライトオン

ジーンズ中心。

「リーバイス」「エドウィン」などを主体として全国展開しています。

  • 設立:1980年4月1日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:737人
  • 平均年齢:33歳

紳士服

カジュアル化が進行し、紳士服は苦戦しています。

専業モデルからの転換や新しい製品を打ち出していく必要に迫られています。

青山商事

紳士服業界トップ。

カジュアルも展開しています。

  • 設立:1964年5月6日
  • 本社:広島県
  • 従業員数:6,523人
  • 平均年齢:35歳

AOKIホールディングス

紳士服2位。

ブライダル事業やカフェなども展開しています。

  • 設立:1976年8月21日
  • 本社:神奈川県
  • 従業員数:2,988人
  • 平均年齢:40歳

コナカ

紳士服専門チェーン。

紳士服郊外店のほか、都市型スーツセレクトショップも展開しています。

  • 設立:1973年11月
  • 本社:神奈川県
  • 従業員数:2,642人
  • 平均年齢:39歳

はるやまホールディングス

紳士服の郊外店を西日本中心に展開しています。

  • 設立:1974年11月6日
  • 本社:岡山県
  • 従業員数1,372人

子供服

売上高は回復傾向で、新型コロナ前を超える企業も出ています。

西松屋チェーン

ベビー・子供用衣料・雑貨の専門店。

郊外の大型店に強みがあります。

  • 設立:1956年10月
  • 本社:兵庫県
  • 従業員数:725人
  • 平均年齢:39歳

赤ちゃん本舗

ベビー・子供用衣料店。

  • 創業:1932年4月1日
  • 本社:大阪府
  • 従業員数:3,697人

ファッション

ファッションはカジュアル化が進んでいます。

店舗販売からEC販売が強化されています。

セレクトショップ

  • ビームス
  • ベイクルーズグループ
  • アーバンリサーチ

海外ファストファッション

  • インディテックス:「ZARA」などを展開。アパレル世界最大手
  • へネス&マウリッツ:「H&M」
  • ギャップ:「GAP」「BANANA REPUBLIC」

アパレル業界の売上高

アパレル業

順位企業名売上高
(百万円)
1ファーストリテイリング2,132,992
2しまむら583,618
3アダストリア201,582
4ワコールホールディングス172,860
5ワールド171,344
6オンワードホールディングス168,453
7青山商事165,961
8西松屋チェーン163,016
9TSIホールディングス140,382
10パルグループホールディングス134,200
11グンゼ124,314
12ユナイテッドアローズ118,384
13ワークマン116,264
14AOKI89,679
15ビームス72,298
16ベイクルーズ71,000
17ストライプインターナショナル63,359
18バロックジャパンリミテッド59,139
19クロスプラス59,120
20タキヒヨー56,572

(帝国データバンク『業界動向2023-Ⅰ』より)

アパレル業界の採用市場

アパレル業界特有の職種

アパレル業界には業界特有のさまざまな職種があり、専門性を生かして活躍しています。

デザイナー

ブランドや企業のデザイナーとして、ブランドのテイストや雰囲気に合わせた企画・デザイン提案の業務を行います。

パタンナー

デザイナーが作成したデザイン画をもとに洋服の型紙(パターン)を作る仕事です。

デザイナーと二人三脚で業務を進めます。

バイヤー

商品別の販売予算や利益予算まで責任を持つ仕入れ担当者です。

売れ筋商品を見極めて買い付ける仕事であるため、トレンドに敏感であることが求められます。

マーチャンダイザー(MD)

消費者のニーズを把握し、商品の仕入れ計画や価格数量、価格設定など商品に関する管理責任者です。

小売りではバイヤーと同じように、ショップの顧客層に合った商品を選んで陳列します。

ビジュアル・マーチャンダイザー(VMD)

ショップのコンセプトやブランドイメージを表現して、売上に繋がる商品配置やレイアウト、在庫・生産数などを元に売り場作りをする仕事です。

エリアマネジャー(スーパーバイザー)

担当するエリア内にある複数の店舗を担当し、運営や管理を支援、指導するのがエリアマネジャー、スーパーバイザー(SV)の仕事です。

百貨店であればフロアマネジャーが類似した職種といえます。

多くの場合、販売経験のある人が担当します。

プレス

ファッション業界における広報担当者です。

雑誌やテレビなどのメディアに商品をPRするのが仕事です。

商品を貸し出して撮影やテレビで露出してもらいます。

ファッションアドバイザー

ファッションアドバイザーは、接客を通して、店の商品を売る販売職です。

商品の種類や店舗の特性などによって、接客方法はさまざまです。

豊富な商品知識やファッション情報を持ち、コーディネートの提案ができること、顧客のニーズを的確につかむことが求められます。

アパレル業界で有利なおすすめ資格-転職・就職に
アパレル業界には販売からデザイナーまでさまざまな仕事があります。アパレル特有の資格から幅広く活用できる資格まで、アパレル業界で評価される資格をご紹介します。

アパレル業界の求人・転職

アパレル業界の採用市場は活発でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により大手各社もリストラが進みました。

業界内での動きが多いので、転職にはアパレル業界の動向に精通した転職支援サービスを上手に活用することをおすすめします。

アパレルメーカー(繊維工業)の給与

区分20~24歳25~29歳45.1歳
(平均)
所定内労働時間169時間168時間167時間
残業13時間9時間7時間
月収196,100円208,900円242,800円
年間賞与等251,300円316,800円420,300円
年収2,604,500円2,823,600円3,333,900円

(厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より)

アパレル業界の転職活動

転職支援サービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーのサポートを受けることができます。

非公開・好条件の求人紹介だけでなく、書類作成・面接対策のアドバイスなどで選考通過率のアップが期待できます。

アパレル職種におすすめ転職支援・求人サイト
アパレル職種は業界内での転職が活発です。アパレル業界でのよりよいキャリアをサポートするアパレル転職支援・求人サイトをご紹介します。

まとめ

アパレル不況が続くなか、百貨店やショッピングセンターの低迷を補うために、各社はインターネット通販やレンタルなど新事業での顧客開拓に力を入れています。

海外進出にも積極的です。

アパレル志望動機の作り方と例文【経験者・未経験者】-転職・就職に
アパレル業界の志望動機ではアピールしたいことがわかりやすく伝わることが大切です。アパレル業界の志望動機について作り方と例文をご紹介します。
転職・就職に役立つ業界天気図一覧(2024年)
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は転職・就職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。2024年度の主要業界天気予想を一覧にしました。

 

【参考】
・一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会
・一般財団法人日本ファッション協会
・日本経済新聞出版『日経業界地図2023年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2023年版』

タイトルとURLをコピーしました