外食産業の業界研究


個人消費の低迷で外食離れの傾向がありますが、訪日外国人観光客の恩恵は外食産業にも広がっています。外食業界の人手不足は深刻で、人材確保や育成が急務となっています。

外食産業の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

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外食業界の最新動向(2020年)

外食業界とは

外食業界の業態は、主に営業手法で分類されます。多様化する顧客ニーズに合わせて、外食業界の業態は一業態からさらに細分化しています。

外食業界の業態

  • ファストフード
  • ファミリーレストラン
  • レストラン
  • 喫茶店(カフェ)

ファストフード

ファストフードは店内で最終加工した商品をカウンターなどで販売し、基本的に配膳はしません。店舗数が最も多く、ハンバーガーチェーンなどの洋風ファストフードと牛丼・回転ずしチェーンなどの和風ファストフードに分かれます。

外食業界全体は縮小傾向ですが、ファストフードは市場規模を維持しています。コンビニエンスストアや持ち帰り弁当店など中食との顧客獲得競争が激化しています。

ゼンショーホールディングス

業界最大手。牛丼の「すき家」から始まり、ファミリーレストランの「ココス」「ジョリーパスタ」など事業を拡大させてきました。

  • 従業員数:12,521人
  • 平均年齢:37歳

吉野家ホールディングス

牛丼2位。牛丼の「吉野家」のほか、すしの「京樽」、ステーキの「アークミール」、うどんの「はなまる」などを展開しています。

  • 従業員数:4,392人
  • 平均年齢:48歳

松屋フーズホールディングス

牛丼3位。「松屋」は牛丼だけでなく、定食も豊富です。とんかつの「松のや」の出店を加速しています。

  • 従業員数:1,536人
  • 平均年齢:42歳

日本マクドナルドホールディングス

ハンバーガーチェーン。圧倒的なシェアと売上を誇っています。業績を回復し、売上を伸ばしています。

  • 従業員数:2,145人

日本KFCホールディングス

「ケンタッキーフライドチキン」をフランチャイズ中心に運営。500円ランチなどが好調で客数を大幅に伸ばしています。

  • 従業員数:883人
  • 平均年齢:47歳

麺類

麺類は大きく中華と和風の業態に分かれます。処遇改善に力を入れる動きが目立つようになっています。

王将フードサービス

「餃子の王将」を展開。新業態を強化しています。

  • 従業員数:2,209人
  • 平均年齢:34歳

ハイデイ日高

低価格の中華料理「日高屋」が主力。

  • 従業員数:822人
  • 平均年齢:34歳

幸楽苑ホールディングス

中華そば「幸楽苑」を直営展開。

  • 従業員数:1,010人
  • 平均年齢:42歳

リンガーハット

ちゃんぽん「リンガーハット」を全国展開。

  • 従業員数:607人
  • 平均年齢:45歳

トリドールホールディングス

セルフ式うどん「丸亀製麺」が主力。

ファミリーレストラン

ファミリーレストランは総合的な品ぞろえの料理を提供する業態です。洋食と和食を主体とした業態だけでなく、特定地域料理を扱うチェーンもあります。

外食消費は依然低調ですが、料理の専門性の高さや値ごろ感の強さを売りにしたブランド開発で生き残りを図っています。人手不足対策に営業時間の見直しが進んでいます。

すかいらーくホールディングス

ファミレス最大手。「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などを運営しています。

  • 従業員数:6,269人
  • 平均年齢:42歳

サイゼリヤ

低価格イタリアン「サイゼリヤ」を展開。オーストラリアの自社工場で食材を生産しています。

  • 従業員数:4,176人
  • 平均年齢:37歳

ロイヤルホールディングス

ファミレスの老舗。「ロイヤルホスト」を中心に「てんや」、「シズラー」「シェイキーズ」など多彩に展開しています。

  • 従業員数:2,686人
  • 平均年齢:36歳

居酒屋

居酒屋はアルコールと一緒に料理を提供します。居酒屋業界は若者のアルコール離れなどで低迷し、なかでも、幅広いメニューの総合居酒屋の苦戦が続いています。専門性の高い業態は好調です。

コロワイド

多業態を運営。居酒屋ブランドには「甘太郎」「いろはにほへと」などがあります。

  • 従業員数:5,496人
  • 平均年齢:37歳

モンテローザ

居酒屋大手。「白木屋」「笑笑」「魚民」などを運営しています。

  • 従業員数:2,574人

大庄

海鮮系居酒屋。「庄や」「日本海庄や」などを全国展開しています。

  • 従業員数:2,803人
  • 平均年齢:43歳

ワタミ

居酒屋大手。「和民」などから鶏料理居酒屋に業態転換を進めています。

  • 従業員数:2,619人
  • 平均年齢:39歳

チムニー

海鮮系に強く、「はなの舞」などを運営しています。

  • 従業員数:1,081人
  • 平均年齢:40歳

鳥貴族

低価格の焼き鳥チェーン。

  • 従業員数:827人
  • 平均年齢:32歳

回転ずし

寿司店には板前が直接客に配膳する寿司屋と、ベルトコンベアーで配膳する回転ずし、宅配専門寿司店があります。

回転ずしはラーメンなどのサイドメニューやデザートの強化でファミレスから家族客の流入を図り、縮小する外食業界のなかで成長を続けています。

スシローグローバルホールディングス

業界首位。都心型店舗を展開することで、従来の郊外型とは異なる利用動機、顧客層を取り込む計画です。

  • 従業員数:1,632人
  • 平均年齢:41歳

くら寿司

無添加のすし店を全国直営展開。都市型店舗の展開も進めています。

  • 従業員数:1,690人
  • 平均年齢:30歳

カフェ・コーヒーチェーン

コーヒーチェーンは喫茶店やカフェをチェーン運営し、店内でコーヒーやサンドイッチなどの軽食を提供します。スターバックスをはじめとして、外資系のコーヒーショップが相次いで誕生しました。

コンビニエンスストアが低価格の入れたてコーヒーを強化し、顧客の奪い合いが激化。コーヒーチェーンはコーヒー豆の選定などサービス力を高めて成長を目指しています。

スターバックスコーヒージャパン

国内カフェ業界の売上トップ。

  • 従業員数:4,181人

ドトール・日レスホールディングス

カフェの老舗。「ドトールコーヒー」「エクセルシオールカフェ」「星乃珈琲店」

  • 従業員数:2,753人
  • 平均年齢:39歳

サンマルクホールディングス

「サンマルクカフェ」「倉敷珈琲店」

  • 従業員数:830人
  • 平均年齢:43歳

コメダホールディングス

名古屋地盤。「コメダ珈琲」

  • 従業員数:360人
  • 平均年齢:42歳

外食業界の売上高ランキング

飲食業上位1~30位

順位企業名年商(百万円)
1すかいらーくレストランツ288,010
2日本マクドナルド272,248
3スターバックスコーヒージャパン182,766
4あきんどスシロー172,946
5エームサービス126,366
6くら寿司121,930
7サイゼリア119,405
8トリドールジャパン104,758
9モンテローザフーズ90,036
10ワタミ84,079
11王将フードサービス81,416
12セブン&アイ・フードシステムズ78,206
13日本ケンタッキー・フライド・チキン69,758
14カッパ・クリエイト63,427
15ペッパーフードサービス62,650
16ココスジャパン57,438
17メフォス55,452
18ヴァリック54,102
19大庄52,326
20松屋フーズ50,167
21ニラックス49,643
22物語コーポレーション49,565
23アトム47,151
24吉野家46,224
25木曽路45,086
26壱番屋44,773
27チムニー43,980
28日本レストランシステム42,650
29ハイデイ日高41,862
30モンテローザ41,216

(帝国データバンク『全国企業あれこれランキング2020』より)

外食業界の採用市場

外食業界の求人・転職

外食業界は全体として人手不足の傾向が続いています。正社員以外のアルバイトなどパートタイマーが占める割合は他産業より高く、従業員の定着率が低いことが指摘されています。

業界では労働条件の改善や人材育成に積極的に取り組み、人材確保に動き出しています。

社内FC制度

社員からFC加盟店オーナーを募集する制度です。経営者意識の高い社員を育成する人事制度として導入されています。

外食業界の職務

  • 店舗開発:出店市場調査、店舗物件発掘、店舗設計、リニューアルなど
  • 商品開発:食材の安定供給先開発、食材の調理、加工法の研究、メニュー開発など
  • 食材調達:食材の物流とコストの研究、食材管理法の研究、食材別の管理、環境対策など
  • 営業・店舗管理:チェーン店の運営指導、競合店対策、FC展開の企画や管理、従業員の研修など
  • 店舗運営:店舗の運営管理、食品衛生管理、従業員の勤務管理、接客指導、売上管理、利益管理など

店長

担当する飲食店のトップです。店の利益目標達成のために店舗運営に関わるあらゆる業務を行います。販売計画、予算の作成と実行、販促計画、環境対策、店員の勤務管理と教育、クレーム対応、衛生・防火・防災・防犯などがあります。

店長には接客はもちろん、店員と信頼関係を構築できるコミュニケーション力やリーダーシップ、数字に強いことも求められます。

SV(スーパーバイザー)

SVとは本部に籍を置き、担当する店舗の巡回・管理・監督を行う店舗巡回指導員のことです。店長やオーナーに本部の指示や情報を伝え、店舗運営や人材育成など店長の相談にのり、必要な助言や支援をします。

SVには高いコミュニケーション力が必要となり、本部と店長両者に信頼され、公平な立場で情報提供することが求められます。指導は一方的とならないよう相手の話に真剣に耳を傾ける傾聴力も大切です。

バイヤー

バイヤーの仕事は、大きく食材調達計画を立てる、食材仕入れ、食材管理の3つに分けられます。仕入れるだけでなく、新たな食材の発見と開発、粗利益高に対する数値責任を持つことも求められます。商品知識や仕入先・産地に関する詳しい情報も欠かせません。

バイヤーには市場の動向を知るためのフットワークの軽さや情報収集力、取捨選択する能力が求められます。売り手との交渉力や信頼関係を築く力も重要です。

店舗・メニュー開発

店舗開発の仕事は企画関連業務(出店計画やマーケティング調査を行うこと)と不動産物件関連業務(店舗物件取得や店舗設計を行うこと)に大きく分けられます。交渉と調整力が求められます。

外食業界では季節や年間行事に合わせて、常に新しいメニュー開発に取り組んでいます。メニュー開発担当者は、メニュー開発の目的や開発方針を把握して、調理の効率性や材料の原価率、客層、価格設定などを考えます。

市場動向や消費者のニーズを敏感にくみとり、メニューに反映して、売上につなげることが求められます。

飲食・食品業界で有利なおすすめ資格
飲食・食品関連の資格はたくさんありますが、転職・就職に必須の資格があるわけではありません。それでも、スキルアップをアピールできる資格は、飲食・食品業界の転職・就職で有利になります。

飲食サービス業の給与

区分20~24歳25~29歳39.9歳(平均)
所定内労働時間171時間175時間174時間
残業19時間21時間18時間
月収228,400円262,800円286,100円
年間賞与等125,800円264,800円330,100円
年収2,866,600円3,418,400円3,763,300円

(厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」より)

まとめ

外食業界の人手不足は深刻です。パート・アルバイトから正規雇用に移行する人事制度を導入したり、研修教育を充実させるなど、定着率改善に向けて、積極的な取り組みを行っています。

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