外食産業の転職業界研究


個人消費の低迷で外食離れの傾向がありますが、訪日外国人観光客の恩恵は外食産業にも広がっています。外食業界は人手不足が深刻で、人材確保や育成が急務となっています。

外食業界の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

外食業界の最新動向(2019年)

外食業界とは

外食業界の業態は、主に営業手法で分類されます。多様化する顧客ニーズに合わせて、外食業界の業態は一業態からさらに細分化しています。

外食業界の業態

  • ファストフード
  • ファミリーレストラン
  • レストラン
  • 喫茶店(カフェ)

ファストフード

ファストフードは店内で最終加工した商品をカウンターなどで販売し、基本的に配膳はしません。店舗数が最も多く、ハンバーガーチェーンなどの洋風ファストフードと牛丼・回転ずしチェーンなどの和風ファストフードに分かれます。

外食業界全体は縮小傾向ですが。ファストフードは市場規模を維持しています。コンビニエンスストアや持ち帰り弁当店など中食との顧客獲得競争が激化しています。

ゼンショーホールディングス

業界最大手。牛丼の「すき家」から始まり、ファミリーレストランの「ココス」「ジョリーパスタ」など事業を拡大させてきました。

  • 従業員数:10,877人
  • 平均年齢:37歳

吉野家ホールディングス

牛丼業界2位。牛丼の「吉野家」のほか、すしの「京樽」、ステーキの「アークミール」、うどんの「はなまる」などを展開しています。

  • 従業員数:4,103人
  • 平均年齢:49歳

松屋フーズ

牛丼業界3位。「松屋」は牛丼だけでなく、定食も豊富。とんかつの「松のや」の出店を加速しています。

  • 従業員数:1,510人
  • 平均年齢:37歳

日本マクドナルドホールディングス

ハンバーガーチェーン。圧倒的なシェアと売上を誇っています。業績回復が続いています。

  • 従業員数:2,255人

ファミリーレストラン

ファミリーレストランは総合的な品ぞろえの料理を提供する業態です。洋食と和食を主体とした業態だけでなく、特定地域料理を扱うチェーンもあります。

外食消費は依然低調ですが、料理の専門性の高さや値ごろ感の強さを売りにしたブランド開発で生き残りを図っています。人手不足対策に営業時間の見直しが進んでいます。

すかいらーくホールディングス

ファミレス最大手。「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」など

  • 従業員数:6,187人
  • 平均年齢:46歳

サイゼリヤ

低価格イタリアン「サイゼリヤ」を展開。オーストラリアの自社工場で食材を生産しています。

  • 従業員数:4,261人
  • 平均年齢:36歳

ロイヤルホールディングス

ファミレスの老舗。「ロイヤルホスト」を中心に「てんや」、「シズラー」「シェイキーズ」など多彩に展開しています。

  • 従業員数:2,646人
  • 平均年齢:37歳

レストラン

西洋料理のイメージが強いレストランですが、さまざまな営業形態があります。

  • ディナーレストラン
  • カジュアルレストラン
  • ファミリーレストラン
  • 専門レストラン
  • 洋食レストラン、和食レストラン
  • 一般レストラン

焼肉・しゃぶしゃぶ

  • レインズインターナショナル:「牛角」「温野菜」
  • ペッパーフードサービス:「いきなり!ステーキ」
  • 木曽路:しゃぶしゃぶ大手
  • 物語コーポレーション:「焼肉きんぐ」など
  • あみやき亭:「あみやき亭」
  • 安楽亭:関東地盤。低価格の焼肉店

定食・麺類

  • 王将フードサービス:低価格の中華料理店を展開
  • 壱番屋:カレー店大手
  • リンガーハット:ちゃんぽん店を全国展開
  • ハイデイ日高:「日高屋」が主力
  • グルメ杵屋:うどん店を軸
  • 梅の花:湯葉と豆腐の和食店
  • 大戸屋ホールディングス:定食店
  • グローバルダイニング:イタリアン「ラ・ボエム」

居酒屋、回転ずしなど

居酒屋はアルコールと一緒に料理を提供します。居酒屋は和風の店舗が多く、アルコールもビールやチューハイが多いです。寿司店は板前が直接客に配膳する寿司屋と、ベルトコンベアーで配膳する回転ずし、宅配専門寿司店があります。

居酒屋業界は若者のアルコール離れなどで低迷。なかでも、幅広いメニューの総合居酒屋の苦戦が続いています。焼き鳥や串カツなど料理の専門性の高い「専門居酒屋」は好調。

回転ずしはラーメンなどのサイドメニューやデザートの強化でファミレスから家族客の流入を図っています。回転ずしは縮小する外食業界のなかで成長を続けています。

スシローグローバルホールディングス

業界首位。都心型店舗を展開することで、従来の郊外型とは異なる利用動機、顧客層を取り込む計画です。

  • 従業員数:1,397人
  • 平均年齢:42歳

くらコーポレーション

無添加のすし店を全国直営展開。都市型店舗の展開も進めています。

  • 従業員数:1,537人
  • 平均年齢:30歳

居酒屋・パブ

  • モンテローザ:「白木屋」「笑笑」「魚民」など
  • コロワイド:「甘太郎」「北海道」など
  • ワタミ:「和民」など
  • クリエイト・レストランツ・ホールディングス:傘下に「磯丸水産」
  • 大庄:「庄や」「やるき茶屋」
  • チムニー:「はなの舞」など
  • 鳥貴族:低価格の焼き鳥チェーン
  • テンアライド:「旬鮮酒場天狗」「テング酒場」など
  • 三光マーケティングフーズ:「金の蔵」など
  • サッポロライオン:サッポログループ。ビアガーデン運営
  • ハブ:英国風パブ
  • マルシェ:「酔虎伝」「八剣伝」など

カフェ・コーヒーチェーン

コーヒーチェーンは喫茶店やカフェをチェーン運営し、店内でコーヒーやサンドイッチなどの軽食を提供します。スターバックスをはじめとして、外資系のコーヒーショップが相次いで誕生しました。

コンビニエンスストアが低価格の入れたてコーヒーを強化し、顧客の奪い合いが激化。コーヒーチェーンはコーヒー豆の選定などサービス力を高めて成長を目指しています。

スターバックスコーヒー

米本社による子会社化に伴い、2015年に上場廃止。国内店舗はカフェ部門トップです。

  • 従業員数:3,712人

ドトール

カフェの老舗。「ドトールコーヒー」「エクセルシオールカフェ」「星野珈琲店」

  • 従業員数:2,768人
  • 平均年齢:40歳

サンマルクホールディングス

「サンマルクカフェ」「鎌倉パスタ」

  • 従業員数:814人
  • 平均年齢:45歳

コメダホールディングス

名古屋地盤。「コメダ珈琲」

  • 従業員数:252人
  • 平均年齢:42歳

外食業界の売上高ランキング

飲食業上位1~30位

順位 企業名 年商(百万円)
1 すかいらーくレストランツ 285,140
2 日本マクドナルド 253,640
3 スターバックスコーヒージャパン 170,984
4 あきんどスシロー 155,085
5 エームサービス 121,971
6 サイゼリヤ 117,259
7 くらコーポレーション 115,954
8 トリドールジャパン 101,408
9 モンテローザフーズ 94,704
10 松屋フーズ 92,289
11 ワタミ 85,978
12 セブン&アイ・フードシステムズ 80,350
13 王将フードサービス 77,934
14 カッパ・クリエイト 65,132
15 ココスジャパン 58,274
16 大庄 55,710
17 メフォス 53,301
18 ヴァリック 52,821
19 アトム 48,146
20 吉野家 46,991
21 モンテローザ 46,758
22 チムニー 45,002
23 木曽路 44,438
24 壱番屋 44,243
25 ニラックス 43,317
26 物語コーポレーション 43,094
27 ハイデイ日高 40,643
28 日本レストランシステム 40,416
29 ロイヤルホスト 37,974
30 幸楽苑 37,883

(帝国データバンク『全国企業あれこれランキング2019』より)

外食業界の採用市場

外食業界の求人・転職

外食業界は全体として人手不足の傾向が続いています。正社員以外のアルバイトやパートが占める割合は他産業より高く、従業員の定着率が低いことが指摘されています。

業界では労働条件の改善や人材育成に積極的に取り組み、人材確保に動き出しています。

社内FC制度

社員からFC加盟店オーナーを募集する制度です。経営者意識の高い社員を育成する人事制度として導入されています。

外食業界の職務

  • 店舗開発:出店市場調査、店舗物件発掘、店舗設計、リニューアルなど
  • 商品開発:食材の安定供給先開発、食材の調理、加工法の研究、メニュー開発など
  • 食材調達:食材の物流とコストの研究、食材管理法の研究、食材別の管理、環境対策など
  • 営業・店舗管理:チェーン店の運営指導、競合店対策、FC展開の企画や管理、従業員の研修など
  • 店舗運営:店舗の運営管理、食品衛生管理、従業員の勤務管理、接客指導、売上管理、利益管理など

店長

担当する飲食店のトップです。店の利益目標達成のために店舗運営に関わるあらゆる業務を行います。販売計画、予算の作成と実行、販促計画、環境対策、店員の勤務管理と教育、クレーム対応、衛生・防火・防災・防犯などがあります。

店長には接客はもちろん、店員と信頼関係を構築できるコミュニケーション力やリーダーシップ、数字に強いことも求められます。

SV(スーパーバイザー)

SVとは本部に関を置き、担当する店舗の巡回・管理・監督を行う店舗巡回指導員のことです。店長やオーナーに本部の指示や情報を伝え、店舗運営や人材育成など店長の相談にのり、必要な助言や支援をします。

SVには高いコミュニケーション力が必要となり、本部と店長両者に信頼され、公平な立場で情報提供することが求められます。指導は一方的とならないよう相手の話に真剣に耳を傾ける傾聴力も大切です。

バイヤー

バイヤーの仕事は、大きく食材調達計画を立てる、食材仕入れ、食材管理の3つに分けられます。仕入れるだけでなく、新たな食材の発見と開発、粗利益高に対する数値責任を持つことも求められます。商品知識や仕入先・産地に関する詳しい情報も欠かせません。

バイヤーには市場の動向を知るためのフットワークの軽さや情報収集力、取捨選択する能力が求められます。売り手との交渉力や信頼関係を築く力も重要です。

店舗・メニュー開発

店舗開発の仕事は企画関連業務(出店計画やマーケティング調査を行うこと)と不動産物件関連業務(店舗物件取得や店舗設計を行うこと)に大きく分けられます。交渉と調整力が求められます。

外食業界では季節や年間行事に合わせて、常に新しいメニュー開発に取り組んでいます。メニュー開発担当者は、メニュー開発の目的や開発方針を把握して、調理の効率性や材料の原価率、客層、価格設定などを考えます。市場動向や消費者のニーズを敏感にくみとり、メニューに反映して、売上につなげることが求められます。

飲食サービス業の給与

区分 20~24歳 25~29歳 39.9歳(平均)
所定内労働時間 171時間 175時間 174時間
残業 19時間 21時間 18時間
月収 228,400円 262,800円 286,100円
年間賞与等 125,800円 264,800円 330,100円
年収 2,866,600円 3,418,400円 3,763,300円

(厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」より)

まとめ

外食業界の人手不足は深刻です。パート・アルバイトから正規雇用に移行する人事制度を導入したり、研修教育を充実させるなど、定着率改善に向けて、積極的な取り組みを行っています。

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