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公務員・市役所「新教養試験」の難易度と対策

市役所の教養試験が新しくなり、従来型の教養試験とは違うタイプの「新教養試験」が統一試験と個別試験に導入されています。

リニューアルされた新教養試験について、内容・難易度と対策をご紹介します。

市役所「新教養試験」の内容・難易度

新教養試験とは

地方公務員は、ジョブローテーションによりさまざまな部署で働くことになるため、広い知識、関心、柔軟な思考力などの能力が必要とされます。

リニューアルされた「新教養試験」は、地方公務員として職務遂行上求められる能力を測定できるテストになっています。

単に基本的な知識を問うだけでなく、それらの知識を基礎として考える力を問う問題が多く出題されます。

これまでの教養試験は学歴に応じた試験問題でしたが、新教養試験では、各自治体が求める人材像、重視する能力、直面している状況等に応じて選択できる3タイプ5種類の問題となりました。

自治体のニーズ

  • これからの地方自治を支える多様な人材を確保したい
  • 民間企業志望者も受験しやすい試験にして応募者を増やしたい
  • それぞれの団体が重視する能力や様々な受験者層に合った試験にしたい

Standard(標準タイプ)Ⅰ・Ⅱ

従来の教養試験と共通性の高い試験(知識分野20題・知能分野20題)
出題数:40題
形 式:五肢択一式
解答時間:120分
  • 知識分野
    時事、社会・人文、自然に関する一般知識を問う問題
  • 知能分野
    文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力を問う問題

これまでと比べて時事を重視し、社会的に幅広い分野の題材(ICT、環境問題、社会保障など)から出題されます。

「古文」、「哲学・文学・芸術等」、「国語(漢字の読み、ことわざ等)」の出題はありません。

Standardの難易度

  • StandardⅠ:従来の教養1と同程度。大学卒業程度以上を対象
  • StandardⅡ:従来の教養2・3とほぼ同程度。高校卒業程度から短大、大学卒業程度以上を対象

Logical(知能重視タイプ)Ⅰ・Ⅱ

知識より論理的思考力等の知能を重視する試験(知能分野27題・知識分野13題)
出題数:40題
形 式:五肢択一式
解答時間:120分
  • 知能分野
    文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力を問う問題
  • 知識分野
    時事・社会・人文に関する一般知識を問う問題

知能分野ではStandardよりも文章理解、判断・数的推理、資料解釈の出題が増え、 知識分野では「自然に関する一般知識」の出題はありません。

時事を重視し、社会的に幅広い分野の題材(ICT、環境問題など)から出題されます。

「古文」、「哲学・文学・芸術等」、「国語(漢字の読み、ことわざ等)」の出題はありません。

Logicalの難易度

  • LogicalⅠ:従来の教養1よりやや易しい。大学卒業程度以上を対象
  • LogicalⅡ:従来の教養2・3とほぼ同程度。高校卒業から短大、大学卒業程度以上を対象

Light(基礎力タイプ)

公務員試験に向けた準備をしていない民間企業志望者でも受験しやすい試験
出題数:60題
形 式:四肢択一式
解答時間:75分
  • 「社会への関心と理解」(24題)
    新聞・ニュースなどで取り上げられる国内外の重要な出来事に関心を持って理解していれば解答できる内容で、ICTや環境問題など様々なニュースを理解するために必要となる基本的な知識を問う問題など
  • 「言語的な能力」(18題)
    地方公務員の職務遂行に当たっては文章を理解したり作成したりすることが必須です。また、国際共通語となっている英語を理解する力をコミュニケーションや情報収集において重要となっています。このような能力を検証するため、日本語の文章や語彙・用法の理解を問う問題、簡単な英文や英語の用法等の理解を問う問題など言語的な能力レベルをみる問題
  • 「論理的な思考力」(18題)
    与えられた条件や資料などから論理的に考察することにより正答を導き出す問題など、論理的な思考力をみる問題

社会についての関心や基礎的・常識的な知識、職務遂行に必要な基礎的な言語能力・論理的思考力を測定する試験です。

「社会への関心と理解」の分野で出題される問題には、地方公務員として必要な地方自治に関する基礎的な知識を問う問題も含まれます。

Lightの難易度

  • StandardⅡやLogicalⅡよりもさらに易しい
  • 新規学卒者を対象とした基礎的な能力を検証するための試験

市役所「新教養試験」の対策

基本的な試験対策

従来の試験に近いStandardが基本的な出題形式になるといえます。

Logicalについても、問題はStandardと同レベルなので、共通の対策で対応可能です。

StandardⅠ・LogicalⅠの対策

  • 市役所上・中級 教養・専門試験と同レベル
  • 上級公務員試験向けの対策

市役所試験の過去問題集

StandardⅡ・LogicalⅡの対策

  • 地方初級 教養試験と同レベル
  • 初級公務員試験向けの対策

地方初級試験の過去問題集

Lightの試験対策

Lightは他より問題が易しいですが、問題を見ておきたいという人もいるのではないでしょうか。

新教養試験Light向けの問題集で出題問題が復元されています。

新教養試験Light&Logicalの問題集

市役所試験の勉強法

公務員試験は独学や通信講座、予備校等で勉強する方法があります。

市役所試験はテキストや過去問題集が市販されていますので、独学でも合格を目指すことができます。

独学に不安があったり、効率的に学習を進めたい人は、公務員試験の対策・通信講座を上手に活用することをおすすめします。

公務員試験の対策・通信講座

リンクアカデミー大栄の公務員受験対策講座では、公務員試験合格をトータルでバックアップ。1次試験から2次試験までをサポートする戦略的な試験対策指導に力を入れています。
資格の大原大原の公務員講座では、多彩な各種講義・コースが用意されていて、筆記試験対策・面接試験対策・個別指導を受けることができます。
LEC東京リーガルマインドLECの公務員試験講座は、あらゆる試験のカリキュラム・テキスト・面接対策に対応。全国21校に担任を配置、きめ細かいサポートを行っています。
伊藤塾法律資格・公務員試験のスクール【伊藤塾】では、幅広い併願対策に対応したカリキュラムで、複数の試験を視野に入れての対策が可能です。

まとめ

市役所職員の採用試験は、実施日程も出題科目も年齢制限も採用予定人数も、自治体によって異なります。

新教養試験Lightは一般的な公務員試験とは違いますが、徐々に実施する自治体が増えていくと考えられます。

試験について十分な情報収集をして、自分に合った受験対策をすることが重要になります。

社会人になってから地方公務員になるには【20代・第二新卒】-転職・就職に
地方公務員は安定した職業として人気が高く、社会人から公務員試験を目指す人も少なくありません。地方公務員の種類・採用試験・勉強法についてご紹介します。
公務員(地方上級・地方中級・地方初級)の試験内容
地方公務員の採用はそれぞれの自治体で試験を実施しています。都道府県・政令指定都市・特別区で実施されるものは「地方上級」「地方中級」「地方初級」に区分されています。
公務員の種類と採用試験-転職・就職に
公務員は国家公務員と地方公務員に分けられます。公務員になるためには採用される機関ごとに実施される公務員試験に合格する必要があります。

 

【参考】
・公益財団法人日本人事試験研究センター
・総務省「地方公務員制度等」
・各地方自治体の採用情報ページ

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