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行政書士になるには

行政書士は依頼を受けて、官公署に提出する提出する書類や各種証明書などの作成を行います。

身近な法律家として法律系の国家資格では最も受験者数が多い人気資格です。

独立開業に強い資格ですが、企業の法務部や法律事務所への転職、キャリアチェンジ、副業などでも活用できます。

法律系で一番人気の行政書士の資格についてご紹介します。

行政書士とは

行政書士とは、

「行政書士法第1条の2、第1条の3の規定に基づき、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類、その他権利義務または事実証明に関する書類を作成することを業とするもの」

と定められています。

行政書士の業務

行政書士の具体的な業務としては、官公署への許認可に関する書類提出や契約書、権利義務または事実証明に関する書類作成業務などです。

業務は書類作成を行う代書的業務からコンサルティングを含む許認可手続の業務へと拡大しています。

官公署へ提出する書類

  • 建設業許可申請
  • 宅地建物取引業免許申請
  • 飲食店営業許可申請
  • 帰化許可申請
  • 株式会社設立書類作成 など

権利義務に関する書類

  • 売買契約書
  • 賃貸借契約書
  • 金銭消費賃借契約書
  • 遺言状
  • 遺産分割協議書 など

事実証明に関する書類

  • 内容証明
  • 身分証明書
  • 交通事故調査報告書 など

企業での活かし方

法務部門や総務・管理系の部門で知識を活かすことができます。

  • 許認可申請
  • 著作権の登録
  • 外国人雇用
  • 事業継承
  • 補助金・助成金申請 など

行政書士の国家試験

行政書士の資格を取得するには、行政書士試験に合格することが必要です。

行政書士試験は、行政書士の業務に関し必要な知識および能力について、筆記試験が実施されます。

受験資格

制限なし

試験日

年1回(11月)

試験地

全国47都道府県の試験場

試験内容

筆記試験が行われます。

  • 「行政書士の業務に関し必要な法令等」46問(択一式および記述式)
    ・憲法
    ・行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治体法を中心とする)
    ・民法
    ・商法
    ・基礎法学
  • 「行政書士の業務に関連する一般知識等」14問(択一式)
    ・政治、経済、社会
    ・情報通信、個人情報保護
    ・文章理解

合格基準

次の要件のいずれも満たすことが必要です。

  1. 法令等課目の得点が満点の50%以上であること
  2. 一般知識等課目の得点が満点の40%以上であること
  3. 試験全体の得点が満点の60%以上であること

合格率

10%程度

問い合わせ

一般社団法人 行政書士試験研究センター

資格取得の勉強法

行政書士の資格を取得するには、独学や資格・通信講座などで勉強する方法があります。

行政書士は他の法律系国家資格よりは、合格しやすい資格ですが、それでも、合格率は10%程度。

はじめて法律を学ぶのであれば、しっかりと準備することが必要になります。

それぞれの勉強法にはメリット・デメリットがありますので、基礎知識の有無やかけられる時間、費用など自分の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。

資格の取得期間

ゼロから法律を学ぶ人と基礎知識がある人とで変わってきますが、6ヵ月から1年程度の準備期間があるとよいでしょう。

集中して勉強することができれば、3~4ヵ月で合格することも可能です。

独学

独学で合格することもできますが、行政書士の試験問題は広範囲から出題されますので、出題傾向に合わせて勉強をすることが重要になります。

  • 場所や時間の制約がない
  • 自分にあった教材を選択できる
  • 費用を最小限に抑えることができる
  • 自分でスケジュール管理が必要
  • 自分のペースや実力がわかりにくい
  • 出題傾向やポイントを入手しにくい

通信講座

通信講座は通学と独学の中間的な内容といえます。

スクーリングやスクール講師のDVDなど通学講座の学習環境に近い方法を取り入れる講座も増えています。

  • 全国どこでも受講できる
  • 自分のペースで勉強できる
  • 教材が充実している
  • 通学に比較して費用が抑えられる
  • 自分でスケジュール管理が必要
  • 疑問をすぐに解決できない
  • 情報交換などの機会が少ない

通学・資格スクール

通学講座や資格スクールにはさまざまなタイプがあります。

平日や休日、夜間に開催されるコースがあり、6ヵ月くらいのカリキュラムが一般的です。

試験直前の短期講座などもあり、ポイントを絞った内容になっています。

  • テキストや講義内容が試験問題に即している
  • 決められたカリキュラムで効率的に進められる
  • 疑問点を直接講師に聞くことができる
  • 試験の最新情報が入手できる
  • 日時が決まっていて受講できない場合がある
  • 費用がかかる
  • 挫折するとついていけない

短期合格するための学習ポイント

行政書士試験は、出題範囲は広いですが、法令等問題は46問しか出題されません。

応用知識を必要とする問題はあまり出題されませんので、出題傾向とポイントを把握して、効率的に勉強を進めていく必要があります。

行政書士試験のおすすめテキスト

行政書士試験のおすすめ問題集

行政書士試験のおすすめ通信講座

独学でも合格を目指すことはできますが、独学に不安があったり、働きながら効率的に資格取得を目指すのであれば、お手頃価格の通信講座を上手に活用することをおすすめします。

資格のダブル取得

行政書士はダブルライセンスの効果が高い資格です。

他の資格を取得することで、仕事の幅が大きく広がります。

司法書士

司法書士は登記などに関する契約や手続を代行し、提出する書類を作成します。

行政書士に加えて司法書士の資格を取得することで、会社設立に必要な手続きすべてを引き受けられるようになります。

  • 受験資格:制限なし
  • 試験日:年1回
    ・筆記試験:7月
    ・口述試験:10月
  • 試験内容:筆記試験と口述試験(筆記試験合格者のみ)
  • 合格率:5%程度
  • 問い合わせ:各管区法務局または地方法務局

社会保険労務士

社会保険労務士は社会保険・労働に関する法令に基づき書類作成や手続きを行います。

開業では行政書士と社会保険労務士のダブルライセンスが強みを発揮します。

  • 受験資格:学歴・実務経験等
  • 試験日:年1回(8月)
  • 試験内容:筆記試験
  • 合格率:7%程度
  • 問い合わせ:全国社会保険労務士会連合会 試験センター

ファイナンシャル・プランニング技能検定

ファイナンシャルプランナーは資産に関する相談業務を行います。

行政書士とファイナンシャルプランナーの資格があれば、法律とお金の相談に対応することができます。

  • 受験資格:FP業務に従事しようとする人等(3級)
  • 試験日:5月、9月、翌年1月
  • 試験内容:学科と実技の筆記試験
  • 合格率:級と実施機関により異なる
  • 問い合わせ:一般社団法人 金融財政事情研究会/NPO法人 日本FP協会

まとめ

行政書士試験はポイントを絞って勉強しないと、時間がかかり、短期間での合格は望めません。

適切な方法で勉強を進めることで、行政書士試験の短期合格が可能になります。

取得した資格は、独立開業だけでなく、社内のキャリアアップや転職、キャリアチェンジでもアピールできます。

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【参考】
・日本行政書士会連合会ウェブサイト
・一般財団法人 行政書士試験研究センターウェブサイト