キーワード解説
AI(人工知能)
AIとは、Artificail Intelligence(人工知能)を意味し、コンピューターが自ら物事の特徴を認識する技術のことです。
確立された定義はありませんが、人間の思考プロセスと同じような形で動作するコンピュータープログラム、コンピューター上で知的判断を下せるシステム等を指しています。
身近なところでは、スマートフォンやパソコンにかなを入力すると予想した文字が表示されたり、買い物でおすすめが表示されるなどの機能に使われています。
AIは以前からさまざまな研究が行われてきましたが、ディープラーニング(深層学習)の技術が登場したことで、AIの精度や実用性は劇的に向上することになりました。
従来のAIは与えられた一定のルールを再現するだけでしたが、現在のAIは与えられたデータから物事の関係性を推測し、自らルールを学習するまでに進化しています。
人間が事前にルールを定義する必要がなく、対話や自然言語処理、画像認識、ビッグデータ解析などの分野で応用が進んでいます。
AI(人工知能)は、さまざまな分野での応用が模索されていて、活用の場もさらに広がることが見込まれます。
異業種の協力関係や技術の組み合わせの提携も進んでいます。
AI(人工知能)は、単なるブームで終わることはなく、AIの活用でアメリカに大きく後れを取っている日本企業にも、AI時代に適したビジネスモデルが求められています。
AIの活用が進むと、データの分析や体系的操作が求められる職業は、AIによる代替可能性が高いといわれています。
10~20年後には、日本の労働人口の約半数の職業で代替が可能になるという調査研究もあります。
企業において、AIが活用されるようになると、人にはAIでは代替できない能力が求められるようになると考えられます。
リーダーシップやアイディア、創造性などを発揮できる人材育成が重要になっていくでしょう。
AIモデル
学習データを用いた機械学習によって得られるモデルで、入力データに応じた予測結果を生成します。
AIサービス
AI利用者への価値提供の全般がAIサービスです。
AIサービスの提供・運営は、AIシステムの構成技術に限らず、人間によるモニタリング、ステークホルダーとのコミュニケーションなど非技術的なアプローチも連携して実施されます。
生成AI
従来のAIは決められた行いを自動化するのに対して、生成AIは学習データを活用して、文章、画像、プログラム等を新たに生成することができます。
技術の進歩とともに、事実と異なる回答や悪用などのリスクも指摘され、弊害を抑えるためのルール整備が進んでいます。
AIエンジニア
機械学習などの技術を使って、ソフトウェアやアルゴリズムを開発するAIエンジニアのニーズが増加しています。
機械学習のライブラリを使えること、ライブラリを使わなくてもプログラミングできることが求められます。
データサイエンティストとも近い職種ですが、AIエンジニアは機械学習を実装して、プロダクトを作ることが仕事です。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、データを分析したり、分析結果をもとにして、課題解決を行います。
統計学や機械学習の知識、データベースを操作するSQLの技術などが求められます。
またビジネス力やプレゼンテーション能力も重視されます。
ビッグデータやDXが注目されるなか、ニーズが増加している職種のひとつです。
AIやロボットによる代替可能性
野村総合研究所がまとめた調査研究では、日本の労働人口の約 49%が、技術的には人工知能やロボット等により代替できるようになる可能性が高いと推計されました。
代替可能性 | 職種 |
高い | 一般事務員、受付係、駅務員、銀行窓口係、倉庫作業員、自動車組立工、検収・検品係員、タクシー運転手、宅配便配達員、電車運転士、路線バス運転士、データ入力係、レジ係、ホテル客室係、ビル清掃員、など |
低い | インテリアコーディネーター、エコノミスト、グラフィックデザイナー、ケアマネジャー、経営コンサルタント、ゲームクリエイター、理学・作業療法士、スポーツインストラクター、ツアーコンダクター、保育士、など |
(野村総合研究所「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」より)
【参考】
・経済産業省「AI事業者ガイドライン」
・一般社団法人日本ディープラーニング協会
- AI(人工知能)市場の成長とともに、AI人材のニーズも高まる
- AIの実用化により、AIでは代替できない人材が求められるようになる