運輸業の業界研究


運輸業界では人手不足が深刻です。特に陸運の人手不足はサービスの維持が厳しい状況になり、業界全体に値上げの動きが広がりました。

運輸業界の転職・就職で押さえておきたい基礎知識、業界の動向、業績ランキングをご紹介します。

運輸業界の最新動向(2019年)

運輸業界とは

運輸業界は「旅客」と「貨物」、輸送においては「陸上輸送」「海上輸送」「航空輸送」に分かれます。輸送手段としては「自動車運送業」「鉄道業」「海運業」「空運業」などで構成されています。

運輸業、郵便業(日本標準産業分類)

  • 鉄道業
  • 道路旅客運送業
  • 道路貨物運送業
  • 水運業
  • 航空運輸業
  • 倉庫業
  • 運輸に附帯するサービス業
  • 郵便業

陸運


「道路貨物運送業」は物流事業のなかでも中心的な役割を果たしています。トラックやオートバイなどの貨物運送業、集配利用運送業などで構成されます。

インターネット通販の普及で宅配便の取扱個数が増加しています。宅配便は単価が低く、運送会社の収益を圧迫。国内貨物輸送量の9割を担うトラックのドライバー不足も深刻です。各社は基本運賃の引き上げに踏み切りました。

ヤマトホールディングス(ヤマト運輸)

宅配便トップシェア。ヤマト運輸は運賃引き上げを行い、総量を抑制して、収益性の改善を進めています。

  • 従業員数:213,096人
  • 平均年齢:38歳

SGホールディングス(佐川急便)

宅配便シェア2位。佐川急便もヤマトに追随して、値上げに踏み切っています。

  • 従業員数:47,058人
  • 平均年齢:38歳

日本郵便(郵便事業)

宅配便シェア3位。

  • 従業員数:193,910人

日本通運

世界最大級の総合物流会社。

  • 従業員数:69,672人
  • 平均年齢:43歳

路線トラック

  • セイノーホールディングス
  • 福山通運
  • 名鉄運輸
物流会社(運送・倉庫)の転職業界研究
物流業界ではドライバーに限らず人手不足が深刻です。物流会社の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上ランキング、採用市場をご紹介します。

鉄道


JR各社は北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州の旅客6社と貨物会社。JR、私鉄各社の事業は主力の鉄道事業のほか、百貨店・スーパーなどの流通、不動産、ホテル・レジャーなど多岐にわたります。

訪日外国人観光客の増加で需要が伸び、都心の再開発を受けて、通勤も増えています。JR東日本、西日本は豪華寝台列車、東京急行電鉄は観光列車を投入し、需要拡大を狙っています。

JRグループ

  • JR東日本
  • JR東海
  • JR西日本
  • JR北海道
  • JR四国
  • JR九州
  • JR貨物

私鉄各社

  • 東京急行電鉄
  • 東武鉄道
  • 小田急電鉄
  • 京王電鉄
  • 東京地下鉄
  • 西武ホールディングス
  • 相鉄ホールディングス
  • 京成電鉄
  • 近鉄グループホールディングス
  • 阪急阪神ホールディングス
  • 京阪ホールディングス
  • 南海電気鉄道
  • 名古屋鉄道
  • 西日本鉄道
鉄道会社(JR・私鉄)の転職業界研究
鉄道業界は生活に欠かすことのできない社会インフラとして重要な役割を担っています。鉄道会社の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上ランキング、採用市場をご紹介します。

海運


海運各社は船舶を所有するほか、船主(オーナー)から調達したり、荷主企業と共有保有するなどして、需要に応じて船を運航します。日本郵船、商船三井、川崎汽船の上位三社がコンテナ船事業を統合して発足したオーシャン・ネットワーク・エクスプレスが営業を開始しました。

日本郵船

国内海運首位。陸運・空運にも強く、総合物流事業を世界展開しています。

  • 従業員数:37,820人
  • 平均年齢:39歳

商船三井

海運事業に特化。海洋資源開発や洋上風力など環境事業の育成にも力を入れています。

  • 従業員数:10,826人
  • 平均年齢:37歳

川崎汽船

海運大手。コンテナ船事業の売上比率が高くなっています。

  • 従業員数:7,153人
  • 平均年齢:38歳

準大手・中堅

  • NSユナイテッド海運:不定期船が主力
  • 飯野海運:タンカーが主力
  • 明治海運:長期契約でタンカー、自動車専用船保有
  • 共栄タンカー:タンカーが主力
  • 乾海運:穀物や木材中心に自社運行
  • 川崎近海汽船:内航・フェリーが主力
  • 東京汽船:東京湾内で船の離接岸を補助
  • 佐渡汽船:佐渡島定期航路
  • 東海汽船:伊豆七島への生活・観光航路が中心

空運


フルサービスキャリア(FSC)とローコストキャリア(LCC)があります。FSCは幅広い路線網のほか機内サービスが手厚いのに対して、LCCはサービスをできるだけ絞り格安を追求する航空ビジネスモデルです。

航空貨物は、小型で緊急性の高いものが多くを占めています。陸運や海運より短時間で輸送できますが、輸送費は高く、景気の影響を受けやすいといわれます。

航空業界は好調が続いています。訪日外国人観光客の増加と、企業の出張需要も高くなっています。旅客需要が伸びる一方で、人材は不足しています。

国内FSC

  • ANAホールディングス:国内最大手。多角化を推進
  • 日本航空:非航空分野の拡大
  • スカイマーク:民事再生手続きが終結
  • AIR DO:羽田発着の北海道路線に強み
  • スターフライヤー:北九州ー羽田線を軸に事業規模拡大
  • ソラシドエア:宮崎拠点
  • フジドリームエアラインズ:静岡拠点

主なLCC

  • バニラ・エア:ANA子会社。成田拠点に展開
  • ピーチ・アビエーション:関空拠点に展開
  • ジェットスター・ジャパン:ジェットスターグループ。成田拠点に大きなネットワーク
  • 春秋航空日本:国内唯一の中国系
  • エアアジア・ジャパン:中部を拠点
空運・航空会社の転職業界研究
航空業界は訪日外国人客の増加やLCCの伸びなどで活気づいています。航空業界の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上ランキング、採用市場をご紹介します。

運輸業界の業績ランキング

売上高

順位 企業名 年商(百万円)
1 東日本旅客鉄道 2,093,264
2 全日本空輸 1,643,293
3 西日本高速道路 1,589,993
4 東海旅客鉄道 1,427,444
5 ヤマト運輸 1,227,115
6 商船三井 1,222,574
7 日本航空 1,149,739
8 日本通運 1,094,549
9 日本郵船 1,087,925
10 東日本高速道路 1,022,811
11 西日本旅客鉄道 976,277
12 中日本高速道路 948,733
13 川崎汽船 920,535
14 佐川急便 835,707
15 首都高速道路 442,218
16 エイチ・アイ・エス 428,734
17 日本旅行 420,411
18 東京地下鉄 391,600
19 山九 375,385
20 西濃運輸 271,720

純利益

順位 企業名 純利益(千円)
1 東海旅客鉄道 384,410,000
2 東日本旅客鉄道 247,085,000
3 日本航空 116,428,000
4 西日本旅客鉄道 80,742,000
5 日本郵船 59,509,000
6 東京地下鉄 57,171,000
7 全日本空輸 56,786,000
8 東京急行電鉄 42,978,000
9 九州旅客鉄道 41,654,000
10 阪急電鉄 31,502,000
11 佐川急便 31,155,000
12 川崎汽船 29,581,000
13 成田国際空港 29,436,000
14 小田急電鉄 25,834,000
15 西武鉄道 24,616,000
16 東武鉄道 23,102,000
17 東日本高速道路 21,219,000
18 西日本高速道路 21,169,000
19 中日本高速道路 21,018,000
20 関西エアポート 20,946,000

営業利益率

順位 企業名 営業利益率
1 東海旅客鉄道 43.8
2 上飯田連絡線 41.9
3 大阪高速鉄道 32.6
4 関西エアポート 31.2
5 江上運送 30.0
6 三興倉庫 27.1
7 阪急電鉄 26.9
8 キーペックス 26.0
9 広島観光開発 25.9
10 箕浦商事 25.8
11 名古屋港埠頭 24.6
12 釜石グレーンセンター 24.3
13 パシフィックグレーンセンター 24.2
13 京浜運送 24.2
15 茨城流通サービス 24.1
16 小田急電鉄 23.8
17 北総鉄道 23.5
18 愛知道路コンセッション 23.1
18 ゆりかもめ 23.1
20 日本トランスオーシャン航空 22.9

(帝国データバンク『全国企業あれこれランキング2019』より)

運輸業界の採用市場

運輸業界の求人・転職

パイロットやドライバーをはじめとして運輸業界の人材不足は深刻です。人材育成に力を入れる企業が増えていますので、未経験からのチェレンジにもチャンスが広がっています。

運輸業の所定内給与額

業種 20~24歳 25~29歳 平均
鉄道業 210,300円 253,700円 343,300円
道路旅客運送業 192,000円 214,800円 237,000円
道路貨物運送業 208,900円 228,000円 266,800円
水運業 211,800円 256,500円 364,000円
航空運輸業 253,000円 312,400円 440,800円
倉庫業 203,700円 213,600円 257,100円
運輸に附帯するサービス業 198,400円 222,200円 283,700円
郵便業 183,300円 210,800円 273,100円

(厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」より)

転職・就職のスキルアップ

観光領域が拡大する運輸業界では、語学力を必要とする仕事が増えています。TOEICテストは受験しておきましょう。TOEICのスコアアップには、毎日の英語学習が欠かせません。TOEICのスコアアップを目的としたプログラムを活用して、効率的に学習することをおすすめします。

TOEICテスト対策講座

スタディサプリENGLISH TOEICテスト対策
2ヵ月で250点アップした人も!移動中、自宅、外出先と時間を見つけてすぐに取り組むことができ、効率的にTOEIC対策ができます。


アルク・通信講座 アルクのTOEIC(R)テスト対策講座
標準学習期間でTOEIC(R)スコアを100点アップすることを目的とした新形式TOEIC(R)対応のコースです。


まとめ

運輸業界は燃料や訪日外国人の影響を強く受ける環境にありますが、課題を克服するために新たな事業を模索しています。人手不足が深刻な陸運業界では、働き方改革を積極的に推進する動きがあり、今後が注目されています。

転職・就職に役立つ業界天気図一覧(2020年)
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は転職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。2019年度の主要業界天気図を一覧にしました。

 

業界研究・業界地図

コメント

タイトルとURLをコピーしました