空運・航空会社の業界研究


航空業界は新卒だけでなく、第二新卒リベンジ転職でも人気が高い業界です。

訪日外国人観光客の増加やLCC(格安航空会社)の成長など航空業界は好調でしたが、新型コロナウイルスの影響で経営危機に直面しました。

航空会社の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

航空業界の最新動向(2022年)

航空業界

日本の航空業界は航空ネットワーク、航空会社、空港という3つの分野における三位一体の取り組みで成長・拡大を目指しています。

どの分野においても民間投資を喚起することで市場の活性化を期待しています。

LCCの成長などで活気づいていましたが、新型コロナで一転。

経済活動の正常化で業績の改善が期待されますが、本格回復に向けてコスト抑制で耐える状況が続いています。

国際航空連合

  • スターアライアンス(26社)
    ユナイテッド航空、シンガポール航空、ANAなど
  • スカイチーム(19社)
    デルタ航空、エールフランス、大韓航空など
  • ワンワールド(14社)
    アメリカン航空、カンタス航空、JALなど

国内の航空会社

フルサービスキャリア(FSC)とローコストキャリア(LCC)に分かれます。

コロナ禍で日本の各社は減便や社員の外部出向、貨物輸送の強化などで乗り切ろうとしています。

非航空事業の強化も急がれます。

ANAホールディングス

傘下の全日本空輸は国内首位。

構造改革で非航空事業に力を入れています。

  • 従業員数:46,580人
  • 平均年齢:45歳
  • AIRDO(エア・ドゥ)
  • ソラシドエア
  • スターフライヤー
  • ピーチ・アビエーション(LCC)

日本航空(JAL)

経営破綻から再上場。

LCC事業を強化しています。

  • 従業員数:36,060人
  • 平均年齢:39歳
  • ジェットスター・ジャパン(LCC)
  • ジップエア・トーキョー(LCC)
  • 春秋航空日本(LCC)

AIRDO

エアドゥは札幌を拠点とする航空会社です。

2022年に持ち株会社を設立し、ソラシドエアと経営統合の予定です。

  • 従業員数:1,007人
  • 平均年齢:38歳

スターフライヤー

スターフライヤーは北九州を拠点とする航空会社です。

羽田と北九州や関西を結び、国際線にも再進出しています。

  • 従業員数:8846人
  • 平均年齢:38歳

スカイマーク

スカイマークは羽田拠点の航空会社です。

2015年に経営破綻しましたが、再生手続きを完了し、再上場を目指しています。

日本貨物航空(NCA)

航空貨物(キャリア)。

日本郵船の完全子会社です。

  • 従業員数:832人

アジア・オセアニアの航空会社

日本と関係が深いアジアの航空会社は、インバウンド需要を支えてきました。

中国の航空会社が市場をけん引しています。

アジア・オセアニア

  • 中国南方航空
  • 中国国際航空
  • 中国東方航空
  • カンタス航空(豪州)
  • 大韓航空(韓)
  • キャセイパシフィック航空(香港)
  • シンガポール航空

アメリカの航空会社

日本との関係が密接なアメリカの航空会社は日本人にとっても馴染み深い存在といえます。

世界首位を中国に譲りました。

アメリカ

  • アメリカン・エアラインズ・グループ
  • ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス
  • デルタ航空
  • サウスウエスト航空

欧州の航空会社

歴史ある欧州の航空会社は、三大航空会社を軸に再編やLCCの台頭などの動きがあります。

欧州の主な航空会社

  • ルフトハンザグループ(独)
  • エールフランス-KLM(仏・蘭)
  • インターナショナル・エアラインズ・グループ(英・スペイン)
  • ターキッシュエアラインズ(トルコ)

中東の航空会社

中東では、オイルマネーを武器に新興航空会社が勢力を増しています。

中東

  • エミレーツ航空
  • エティハド航空
  • カタール航空

主要な空港(国内)

日本には100近い空港があり、大都市圏と地方、離島と本島を結んでいます。

海外の国際空港と比べると競争力に課題があります。

成田空港

日本最大の国際線ターミナル。

羽田空港国際化後は欧米の航空会社の一部に成田から羽田へ路線をシフトする動きがありますが、LCCの成田乗り入れがそれ以上に増加し、今後も新規就航が見込まれています。

羽田空港(東京国際空港)

日本最大の乗降客数と発着便数の羽田空港。

国際線は年々充実し、国際空港としての存在感を増しています。

英国スカイトラックス社による世界の空港の総合評価で羽田空港は5つ星を獲得しています。

関西国際、大阪国際、神戸空港

関西国際、大阪国際、神戸空港の関西圏の三空港。

関西エアポートによる一体運営が行われています。

中部国際空港

名古屋を核とする中部都市圏の国際拠点空港の中部国際空港。

もとの名古屋空港である名古屋飛行場とはマルチエアポートに設定されています。

新千歳、福岡、那覇空港

国内路線網の中核となっている新千歳、福岡、那覇の三空港。

有数の乗降客数を誇り、多くの海外エアラインが乗り入れています。

航空業界の売上高ランキング

航空旅客輸送

順位企業名収入高(百万円)
1ANAホールディングス(ANA)2,058,312
2日本航空(JAL)1,487,261
3ジェットスター・ジャパン(JJP)88,207
4スカイマーク(SKY)60,409
5Peach・Aviation(APJ)57,014
6ソラシドエア(SNA)44,872
7日本トランスオーシャン航空(JTA)41,973
8スターフライヤー(SFJ)41,800
9AIRDO(ADO)39,937
10アイベックスエアラインズ(IBX)33,133
11フジドリームエアラインズ(FDA)23,000
12オリエンタルエアブリッジ(ORC)19,501
参考ジェイエア(20/3)13,007
参考ANAウイングス(20/3)13,007
参考日本エアコミューター(20/3)13,007

航空貨物輸送(キャリア・フォワーダー)

順位企業名収入高(百万円)
1ANAホールディングス728,683
2近鉄エクスプレス609,110
3日本航空481,225
4日本貨物航空122,566
5郵船ロジスティクス104,649
6阪急阪神エクスプレス45,753
7西濃シェンカー42,758
8近鉄ロジスティクス・システムズ26,432
9三井倉庫エクスプレス25,232
10住商グローバル・ロジスティクス24,938

(帝国データバンク『業界動向2022-Ⅰ』より)

世界の航空会社(営業収益)

順位企業名百万USドル
1アメリカン航空44,529.8
2デルタ航空44,528.0
3ユナイテッド航空41,303.2
4エミレーツ航空25,155.9
5ルフトハンザ航空19,247.4
6英国航空17,459.0
7中国国際航空13,876.8
8トルコ航空12,871.6
9KLM11,882.6
10カタール航空11,596.7
11大韓航空11,318.8
12キャセイパシフィック10,788.3
13シンガポール航空9,418.1
14カンタス航空9,379.4
15アエロフロート8,052.3
16アラスカ航空7,063.0
17タイ国際航空5,790.6
18イベリア航空5,734.3
19SWISS5,375.1
20スカンジナビア航空5,232.9

(「航空統計要覧2019年版」より)

航空業界の採用市場

航空業界の主な職種

航空業界には多くの職種があり、高度な専門知識を要する職種は国家資格となっています。

コロナ禍で採用中止や他社への出向などが続きましたが、採用再開の動きが見られるようになっています。

パイロット

日本の航空会社の旅客機は、機長(キャプテン)と副操縦士(コ・パイロット)の2名体制で運航しています。

LCCの伸びなど航空需要の拡大で、世界的にパイロットの不足が深刻になっています。

日本の航空会社のパイロットになるには①航空大学校②自社養成パイロットに応募するのが一般的です。

客室乗務員

接客サービスだけでなく、乗客の安全を守る保安要員の役割を担っています。

緊急時の避難誘導など冷静な対応が求められます。

客室乗務員になるには航空会社の正社員の募集と契約社員として入社して、実務経験を経て、適性に応じて正社員に登用されるケースがあります。

整備士

航空機の整備に関する国家資格には、航空整備士、航空運航整備士があります。

整備工場でエンジン、電気部品などの専門的な整備を行うには航空工場整備士資格が必要です。

整備士になるには専門学校で二等航空整備士や航空運航整備士の資格を取得して、航空会社や系列の整備会社に応募するのが一般的です。

運航管理者

運航管理者(ディスパッチャー)はフライトプランを作成して、飛行中の航空機を地上からサポートします。

ディスパッチャーは航空会社などに採用された社員のなかから選抜され、必要な資格を取得した社員が配属されるのが一般的です。

グランドスタッフ

グランドスタッフは空港で地上勤務する職員です。

グランドハンドリングスタッフの主な仕事は旅客機の手荷物や貨物、郵便物の搭降載、機内食の積み込み、給油、給水、機内清掃などです。

空港運営会社

空港インフォメーションは、グランドアテンダントと呼ばれます。

全フライトの発着時刻や遅延情報、交通機関の運行状況など幅広い質問に的確に回答できるスキルが求められます。

グランドアテンダントは一般に空港運営会社や関連会社に所属しています。

空港運営会社は空港ターミナルビルのインフォメーション業務のほか、航空会社カウンターや店舗スペースの賃貸、ラウンジの経営、損害保険代理業、警備、清掃などがあり、グランドハンドリングや旅客ハンドリング業務を請け負うところもあります。

航空管制官

航空管制官はすべての航空機の動きを把握し、的確な指示、誘導を行います。

航空管制官は日本では国土交通省所属の国家公務員が務めることになっています。

  • 航空管制官
  • 航空管制運航情報官
  • 航空管制技術官

国際航空貨物

  • 通関士:国家資格
  • 国際航空貨物取扱士:IATA主催の世界共通試験「IATAディプロマ」
物流業界で有利なおすすめ資格
物流業界には輸送手段によっていくつもの業務があります。職種も幅広く、さまざまな免許や資格があります。持っていることで物流業界で有利になる資格をご紹介します。

航空運輸業の給与

区分20~24歳25~29歳38.5歳(平均)
所定労働時間156時間154時間155時間
残業3時間3時間4時間
月収216,300円250,900円473,600円
年間賞与等404,500円977,200円1,537,900円
年収3,000,100円3,988,000円7,221,100円

(厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」より)

まとめ

航空業界はかつてない危機に直面しています。

国際線の回復には時間がかかる見込みですので、国内線の需要が生き残りのカギとなります。

航空各社は輸送力の増大、サービスの充実に取り組んできましたが、コスト削減や戦略の見直し、非航空事業の強化を進めています。

接客業で有利なおすすめ資格
接客業に必須の資格があるわけではありませんが、関連する資格を取得することは接客・接遇のスキルアップにつながります。 接客・接遇に役立つ資格をご紹介します。
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