空運・航空会社の転職業界研究


航空業界は新卒だけでなく、第二新卒リベンジ転職でも人気が高い業界です。訪日外国人観光客の増加やLCC(格安航空会社)の伸びなど航空業界は活気づいています。

航空業界の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上ランキング、採用市場をご紹介します。

航空業界の最新動向(2019年)


日本の航空業界は航空ネットワーク、航空会社、空港という3つの分野における三位一体の取り組みで成長・拡大を目指しています。どの分野においても民間投資を喚起することで市場の活性化を期待しています。

外国人観光客は急増していますが、受け入れ体制の整備が課題となっています。航空業界の環境整備も必要で、外国人が利用しやすい空港を整備していくことが求められています。需要が伸びる一方で、パイロットなど人材は不足しています。

航空会社(国内)

フルサービスキャリア(FSC)とローコストキャリア(LCC)に分かれます。LCCの路線拡大が続き、競争は激化しています。

ANAホールディングス

国内最大手ANAホールディングス傘下の航空会社には、「ANA」ブランドを運航する全日空、エアージャパン、ANAウイングスと、独自ブランドでLCCを運航するピーチ、バニラ・エアがあります。ピーチとバニラ・エアは2019年度末までに統合予定です。

  • 従業員数:41,930人
  • 平均年齢:46歳

日本航空

日本航空(JAL)グループの航空会社には、日本航空のほかジェイエア、日本トランスオーシャン航空、日本エアコミューター、琉球エアコミューター、北海道エアシステムがあります。LCC参入の準備会社を設立し、2020年の就航を目指しています。

  • 従業員数:33,038人
  • 平均年齢:40歳

スカイマーク

スカイマークは羽田拠点の航空会社です。2015年に経営破綻しましたが、再生手続きを完了し、再上場を目指しています。

  • 従業員数:2,193人
  • 平均年齢:26歳

AIRDO

エアドゥは札幌を拠点とする航空会社です。北海道路線を強みとして、全便が全日空とのコードシェアです。

  • 従業員数:947人

スターフライヤー

スターフライヤーは北九州を拠点とする航空会社です。羽田と北九州や関西を結び、2018年秋には国際線の再参入を予定しています。

  • 従業員数:699人
  • 平均年齢:38歳

ソラシドエア

ソラシドエアは宮崎を拠点とする航空会社です。宮崎など九州と東京、沖縄をつないでいます。

  • 従業員数:752人

海外のLCCグループ

海外のLCCグループに所属するLCCは、国内外30以上の空港に進出しています。

海外系のLCC

  • ジェットスター・ジャパン:JAL、カンタス合併のLCC
  • 春秋航空日本:中国系のLCC
  • エアアジア・ジャパン:東南アジア最大のLCCグループエアアジアが出資するLCC

アメリカの航空会社

日本との関係が密接なアメリカの航空会社は日本人にとっても馴染み深い存在といえます。

アメリカの主な航空会社

  • アメリカン航空
  • デルタ航空
  • ユナイテッド航空
  • ハワイアン航空
  • サウスウエスト航空

欧州の航空会社

歴史ある欧州の航空会社は、三大航空会社を軸に再編やLCCの台頭などの動きがあります。

欧州の主な航空会社

  • ルフトハンザ航空
  • エールフランス航空
  • ブリティッシュ・エアウェイズ

アジアの航空会社

日本と関係が深いアジアの航空会社は、インバウンド需要を支えています。成長市場ですが、競争は激化しています。

アジアの主な航空会社

  • 中国南方航空
  • 中国国際航空
  • シンガポール航空
  • タイ国際航空
  • ベトナム航空
  • フィリピン航空

中東・オセアニアの航空会社

中東では、オイルマネーを武器に新興航空会社が勢力を増しています。オーストラリアでは、リゾート路線を中心に国際線でもLCCが伸びています。

中東・オセアニアの主な航空会社

  • エミレーツ航空
  • エティハド航空
  • カタール航空
  • ターキッシュエアラインズ

主要な空港(国内)

日本には100近い空港があり、大都市圏と地方、離島と本島を結んでいます。海外の国際空港と比べると競争力に課題があります。

成田空港

日本最大の国際線ターミナル。羽田空港国際化後は欧米の航空会社の一部に成田から羽田へ路線をシフトする動きがありますが、LCCの成田乗り入れがそれ以上に増加し、今後も新規就航が見込まれています。

羽田空港(東京国際空港)

日本最大の乗降客数と発着便数の羽田空港。国際線は年々充実し、国際空港としての存在感を増しています。英国スカイトラックス社による世界の空港の総合評価で羽田空港は5つ星を獲得しています。

関西国際、大阪国際、神戸空港

関西国際、大阪国際、神戸空港の関西圏の三空港。関西エアポートによる一体運営が行われています。

中部国際空港

名古屋を核とする中部都市圏の国際拠点空港の中部国際空港。もとの名古屋空港である名古屋飛行場とはマルチエアポートに設定されています。

新千歳、福岡、那覇空港

国内路線網の中核となっている新千歳、福岡、那覇の三空港。有数の乗降客数を誇り、多くの海外エアラインが乗り入れています。

航空業界の売上ランキング

航空旅客

順位 企業名 収入高(百万円)
1 ANAホールディングス 1,971,799
2 日本航空 1,383,257
3 スカイマーク 82,834
4 Peach・Aviation 54,740
5 ジェットスター・ジャパン 52,812
6 AIRDO 47,483
7 日本トランスオーシャン航空 41,174
8 ソラシドエア 39,369
9 スターフライヤー 38,095
10 バニラ・エア 32,950
11 フジドリームエアラインズ 21,000
12 日本エアコミューター 18,047
13 アイベックスエアラインズ 17,070

航空貨物輸送(キャリア・フォワーダー)

順位 企業名 収入高(百万円)
1 日本通運 1,995,317
2 ANAホールディングス 1,971,799
3 日本航空 1,383,257
4 近鉄エクスプレス 553,197
5 日本貨物航空 97,918
6 ヤマトグローバルエキスプレス 48,831
7 阪急阪神エクスプレス 42,018
8 西濃シェンカー 35,924
9 住商グローバル・ロジスティクス 31,371
10 三井倉庫エクスプレス 26,205
11 ケイラインロジスティックス 23,771
12 近鉄ロジスティクス・システムズ 23,058
13 ヤマトグローバルロジスティクスジャパン 18,638
14 商船三井ロジスティクス 17,248
15 双日ロジスティクス 11,106
16 ユーピーエスサプライチェーンソリューション・ジャパン 10,000
参考 西日本鉄道 375,153

(帝国データバンク『業界動向2019-Ⅰ』より)

世界の航空会社(営業利益)

順位 企業名 百万USドル
1 ユナイテッド航空 38,900.5
2 エールフランス-KLM 31,057.3
3 デルタ航空 30,767.5
4 アメリカン航空 27,140.4
5 エミレーツ航空 22,516.6
6 ルフトハンザ航空 19,808.5
7 英国航空 19,382.0
8 USエアウェイズ 15,626.2
9 カンタス航空 13,525.3
10 中国国際航空 12,175.4
11 シンガポール航空 11,703.2
12 キャセイパシフィック 10,923.9
13 トルコ航空 10,887.6
14 大韓航空 10,626.3
15 ゴル航空 9,678.0
16 ライアンエア 6,645.4
17 アエロフロート 6,470.5
18 LAN航空 6,412.0
19 TAM航空 6,296.1
20 タイ国際航空 5,797.1
21 ジェットブルー 5,719.9
22 スカンジナビア航空 5,694.3
23 SWISS 5,686.8
24 アシアナ航空 5,335.0
25 アビアンカ航空 4,702.0
26 中華航空 4,624.9
27 アラスカ航空 4,475.0
28 ニュージーランド航空 4,090.4
29 ヴァージンオーストラリア 3,956.9
30 ガルーダ航空 3,933.5

(「航空統計要覧2015年版」より)

航空業界の採用市場

航空業界の主な職種

航空業界には多くの職種があり、高度な専門知識を要する職種は国家資格となっています。

パイロット

日本の航空会社の旅客機は、機長(キャプテン)と副操縦士(コ・パイロット)の2名体制で運航しています。LCCの伸びなど航空需要の拡大で、世界的にパイロットの不足が深刻になっています。日本の航空会社のパイロットになるには①航空大学校②自社養成パイロットに応募するのが一般的です。

客室乗務員

接客サービスだけでなく、乗客の安全を守る保安要員の役割も担っています。緊急時の避難誘導など冷静な対応が求められます。客室乗務員になるには航空会社の正社員の募集と契約社員として入社して、実務経験を経て、適性に応じて正社員に登用されるケースがあります。

整備士

航空機の整備に関する国家資格には、航空整備士、航空運航整備士があります。整備工場でエンジン、電気部品などの専門的な整備を行うには航空工場整備士資格が必要です。整備士になるには専門学校で二等航空整備士や航空運航整備士の資格を取得して、航空会社や系列の整備会社に応募するのが一般的です。

運航管理者

運航管理者(ディスパッチャー)はフライトプランを作成して、飛行中の航空機を地上からサポートします。ディスパッチャーは航空会社などに採用された社員のなかから選抜され、必要な資格を取得した社員が配属されるのが一般的です。

グランドスタッフ

グランドスタッフは空港で地上勤務する職員です。グランドハンドリングスタッフの主な仕事は旅客機の手荷物や貨物、郵便物の搭降載、機内食の積み込み、給油、給水、機内清掃などです。

空港運営会社

空港インフォメーションは、グランドアテンダントと呼ばれます。全フライトの発着時刻や遅延情報、交通機関の運行状況など幅広い質問に的確に回答できるスキルが求められます。グランドアテンダントは一般に空港運営会社や関連会社に所属しています。空港運営会社は空港ターミナルビルのインフォメーション業務のほか、航空会社カウンターや店舗スペースの賃貸、ラウンジの経営、損害保険代理業、警備、清掃などがあり、グランドハンドリングや旅客ハンドリング業務を請け負うところもあります。

航空管制官

航空管制官はすべての航空機の動きを把握し、的確な指示、誘導を行います。航空管制官は日本では国土交通省所属の国家公務員が務めることになっています。

  • 航空管制官
  • 航空管制運航情報官
  • 航空管制技術官

国際航空貨物

  • 通関士:国家資格
  • 国際航空貨物取扱士:IATA主催の世界共通試験「IATAディプロマ」

航空業界の年収

職種 20~24歳 25~29歳 平均
航空機操縦士 3,318,400円 10,162,100円 11,931,200円
航空機客室乗務員 3,927,900円 4,343,200円 5,459,500円
航空運輸業 3,523,700円 4,552,900円 6,800,100円

(厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」より)

まとめ

航空業界はLCCの急速な成長などにより大きく変化しています。航空各社は輸送力の増大、サービスの充実、コストの削減に積極的に取り組んでいますが、パイロットの不足など深刻な課題も抱えています。航空業界では様々な職種のプロフェッショナルが高い専門性と技能で活躍しています。

転職・就職に役立つ業界天気図一覧(2020年)
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は転職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。2019年度の主要業界天気図を一覧にしました。
業界研究・業界地図
タイトルとURLをコピーしました