流通・小売業界は、少子高齢化やライフスタイルの変化、急速なIT化などにより大きく変化しています。
急激な環境変化のなか、流通・小売業界では高度な専門知識をもつ人材が求められるようになっています。
流通・小売業界で専門性を活かせるおすすめ資格をご紹介します。
流通・小売業界で役立つ資格
リテールマーケティング(販売士)検定
販売士は、多様化する顧客のニーズを的確にとらえ、豊富な商品知識や顧客に配慮した接客技術で、ニーズに合った商品を提供する販売のプロを認定する公的資格です。
販売や接客のみならず、マーケティングや経営管理まで専門知識が身につくため幅広い業界で高く評価されています。
キャリアでの活用法
- これから流通・小売業界で活躍したい人
- デパート、専門店、スーパーなど、大規模小売店の販売員及び売場責任者や店長クラス
- 一般小売店の経営者及び従業員
- コスト管理を求められる管理者
- 製造業、サービス業、卸売業などの販売業務担当者
各級のレベル
- 1級
マーケティングの責任者やコンサルタントとして戦略的に企業経営に関わる人材を目指す - 2級
販売促進の企画・実行をリードし、店舗・売場を包括的にマネジメントする人材を目指す - 3級
接客や売場づくりなど、販売担当として必要な知識・技術を身につけた人材を目指す
受験資格
制限なし
試験日
各試験会場が定める試験日時(CBT方式)
試験地
受験可能な試験会場から選択
試験内容
ネット試験方式
- 小売業の類型
- マーチャンダイジング
- ストアオペレーション
- マーケティング
- 販売・経営管理
合格率
- 1級:20%程度
- 2級:60%程度
- 3級:65%
問い合わせ
日本商工会議所・各地商工会議所
転職・就職情報
流通・小売業界の転職において、接客スキルだけでなく、店舗や売り場のマネジメント力をアピールすることができます。
販売士(リテールマーケティング検定)のテキスト&問題集
カラーコーディネーター
カラーコーディネーターは、ビジネスシーンで役立つ色に関する実践的な知識や技能が身につく公的検定です。
2020年から試験内容が変更され、これまでの1級・2級・3級からスタンダードクラス・アドバンスクラスの試験に変わりました。
流通、デザイン、建築関係ではこの検定を受験する傾向があります。
受験資格
制限なし
試験日
6~7月、10~11月
試験地
- IBT方式:自宅や会社等
- CBT方式:全国各地のテストセンター
試験内容
- スタンダードクラス:日常からみた色彩の基礎知識
- アドバンスクラス:ビジネスにおける色彩の活用事例
合格率
- スタンダードクラス:70%程度
- アドバンスクラス:50%程度
問い合わせ
東京商工会議所検定センター
転職・就職情報
色の効果的な使用や心理的効果を重視する幅広い職種で活用できます。特にアパレル、インテリアなどの分野でアピール材料になります。
カラーコーディネーターの公式テキスト
通関士
通関士は、輸出入される物品の通関手続き(税関への手続き)をするための国家資格です。
通関士試験の合格者のうち、勤務先の通関業者の申請にもとづき、財務大臣の確認を受けて通関士になれます。
受験資格
制限なし
試験日
年1回(10月)
試験地
北海道、宮城、東京、神奈川、新潟、静岡、愛知、大阪、兵庫、広島、福岡、熊本、沖縄
試験内容
- 通関業法
- 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法
- 通関書類の作成要領その他通関手続き実務
合格率
15%程度
問い合わせ
試験実施地の各税関
転職・就職情報
通関業を行う倉庫会社、運送会社、航空会社などで各営業所に専任の通関士を1人以上置くことが義務付けられています。
通関業務が多い物流企業だけでなく、貿易関連企業で有利になります。
通関士試験のおすすめテキスト
貿易実務検定
貿易実務の能力・知識を客観的に判定する検定です。
貿易の初歩的な経験・知識レベルのC級から高度な経験・知識レベルのA級まで設定されています。
各級のレベル
- A級
3~4年以上の実務経験。貿易実務において判断業務を行うことができる実力を証明するレベル - B級
1~3年以上の実務経験。貿易実務経験者の中堅層を対象としたレベル - C級
定型業務をこなすために必要な知識があることを証明するレベル
受験資格
制限なし
試験日
- A級:10月
- B級:3月、7月、12月
- C級:3月、5月、7月、10月、12月
試験地
- A級:東京、大阪、名古屋
- B級・C級:Web試験
試験内容
- 貿易実務
- 貿易実務英語
- 貿易マーケティング
合格率
- A級:35%程度
- B級:45%程度
- C級:60%程度
問い合わせ
日本貿易実務検定協会事務局
転職・就職情報
学生から社会人まで幅広い受験層が特徴です。
商社、貿易関連、人材派遣会社などの転職・就職で有利です。
貿易実務検定の公式テキスト
家電製品アドバイザー
家電製品アドバイザーは、テレビ、ビデオ、デジカメ、パソコン、冷蔵庫、エアコンといった家庭電化製品について、家電製品の選択、使用方法、不具合発生、廃棄などについて、消費者に的確に説明できる知識・技能を認定する資格です。
試験にはAV情報家電と生活家電の2種類があり、年2回実施されています。
受験資格
制限なし
試験日
3月、9月
試験地
全国のCBT試験会場
試験内容
- 商品知識と取扱い
- CSと関連法規
合格率
- AV情報家電:35%程度
- 生活家電:35%程度
問い合わせ
一般財団法人家電製品協会認定センター
転職・就職情報
家電流通関係の販売や営業職では、商品知識や接客スキルが求められます。
家電製品アドバイザーの資格を義務づけている量販店もあり、業界でキャリアアップを目指すのであれば、ぜひ取得しておきたい資格です。
家電製品アドバイザー試験(生活家電)の公式テキスト
ネットショップ検定
ネットショップ検定は、eコマースやネットショップ業界で働く人の就職・転職や独立起業支援などを目的とした試験です。
ネットショップ入門セミナーを受講するとネットショップ実務士補資格を取得することができ、検定の受検準備になります。
検定のレベル
- レベル1:基礎知識(検定合格)
- レベル2:実践知識(検定合格)
- レベル3:実践経験
- レベル4:EC企画能力
- レベル5:EC経営能力
受験資格
制限なし
試験日
通年で受験可能
試験地
全国のCBT試験会場
試験内容
- レベル1:ネットショップ業界で働くための基礎知識
- レベル2:ネットショップの運営に必要な実践的知識と能力
ネットショップ検定 公式テキストから出題されます。
問い合わせ
一般社団法人ネットショップ能力認定機構
転職・就職情報
小売業では、ネットショップとリアル店舗の共存が課題となっています。
専門知識を身につけることで、客観的な能力や転職・就職の意欲を示すことができます。
登録販売者
登録販売者は、一般用医薬品を販売できる公的資格です。
薬局やドラッグストアだけでなく、コンビニなどでも一般用医薬品を取り扱うようになり、薬剤師だけに許可されていた医薬品販売を登録販売者が一定の範囲内で行えるようになりました。
小売業でニーズが高まる注目資格です。
受験資格
制限なし
試験日
都道府県のブロックごとに実施日を決定(年1回)
試験地
各都道府県
試験内容
筆記試験(多肢選択式)で実施されます。
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識
- 人体の働きと医薬品
- 薬事に関する法規と制度
- 主な医薬品とその作用
- 医薬品の適正使用と安全対策
合格率
全国平均で40~50%
問い合わせ
各都道府県の担当部門
転職・就職情報
薬局、ドラッグストアはもちろん、コンビニやスーパーなどで求人が増え、ニーズが高まっています。
資格手当も期待できますので、収入アップやキャリアアップが可能です。
登録販売者試験の過去問題集
まとめ
流通・小売業界では、顧客ニーズに的確に応えることの重要性が高まっています。販売も高度化、専門化しています。
資格を取得することは、転職・就職の場面で、能力や専門性、適性をアピールすることに役立ちます。
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・試験実施機関ウェブサイト