キーワード解説
ベンチャー企業
ベンチャー企業とは、新しい技術やアイディアでそれまでなかった新しいビジネスを生み出し、独自の技術や製品を事業化し、成長していく企業のことを指しています。
通常、創業からあまり経っていないスタートアップ・中小企業に対して用いています。
評価額が10億ドルを超える未上場ベンチャーはユニコーンと呼ばれています。
ベンチャー(venture)とは、「冒険」という意味ですから、ベンチャー企業は、冒険する企業ということになります。
情報化社会の進展により、IT関連などで多くのベンチャー企業が誕生し、急成長しています。
またAIやIoTなど先端技術の開発や活用により、さらに進化したベンチャーも生まれています。
ベンチャー企業の採用意欲は高く、20代・第二新卒の転職や就職も多くなっています。
ベンチャー企業の類型
- 起業家発ベンチャー:さまざまな分野で成熟化
- 企業発ベンチャー:大企業の活性化や再成長にも利用
- 中小企業発ベンチャー:保有の技術を生かした新たな挑戦
- 産地・地域発ベンチャー:ハイテク技術などの連携・提携
- 大学発ベンチャー:バイオ・ヘルスケア・医療、IT関連 など
ベンチャー企業の区分
- 製造ベンチャー
- 流通ベンチャー
- 食ベンチャー
- 住ベンチャー
- 金融・投資ベンチャー
- 健康ベンチャー
- ライフサイエンスベンチャー
- 事業所・家庭向けベンチャー
- シルバー・ベビーベンチャー
- 教育ベンチャー
- 趣味・嗜好ベンチャー
- 娯楽・レジャーベンチャー
- ライフイベントベンチャー
- 環境ベンチャー
- 運輸ベンチャー
- ITベンチャー など
国内の有力ベンチャー
- プリファード・ネットワークス:AI関連の先端技術開発
- スマートニュース:ニュースアプリ
- SmartHR:クラウド人事労務ソフト
- TRIPLE-1:半導体、5G製品開発
- スリーダムアライアンス:高機能リチウムイオン電池
- クリーンプラネット:新水素エネルギーの実用化
- TBM:紙やプラスチックの代替となる新素材
- Spiber:人工タンパク質を用いた新素材
- GVE:CBDCプラットフォームの開発
- GO:タクシー配車アプリ
ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタルとは、有望なベンチャー企業に対して、資本の提供を行い、株式公開時のキャピタルゲイン(株式の元本の値上がりにより生じる利益)により利益を上げることを目的とした企業のことです。
ベンチャーキャピタルは資金を集めてファンドを設立し、スタートアップに投資します。
投資先の成長を支援して、IPOやM&Aを通じて資金を回収します。
ベンチャー企業では、起業や事業の拡大で必要になる資本の調達において、銀行以外から援助を受けることが一般的で、ベンチャーキャピタルから必要な融資を受けることが普及しています。
- 独立系ベンチャーキャピタル
- 金融系ベンチャーキャピタル
- 事業会社系ベンチャーキャピタル
- 大学系ベンチャーキャピタル
株式公開(IPO)
ベンチャー企業が、事業を発展させるためには、多くの資本が必要になります。
銀行や人脈などからの調達には限界がありますので、株式公開により幅広く必要な資本を調達します。
株式公開とは、一般投資家向けに証券市場の取引銘柄として新株を発行することです。
国内の証券市場には、東京証券取引所(東証)市場、ジャスダック、マザーズなどがあります。
企業は事業方針に合った市場へ上場し、株式を公開します。
株式公開することにより、企業の社会的信用が向上し、知名度やイメージがアップします。
採用活動も有利になり、人材を確保しやすくなります。
未上場ベンチャーに出資するベンチャーキャピタルなどの投資家は、株式を取得する形で出資をして、ベンチャー企業が上場する際に持ち株を売却して資金を回収します。
【参考】
・経済産業省ウェブサイト
・スタートアップデータベース
・一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会
・日本経済新聞出版『日経業界地図』
・東洋経済新報社『四季報業界地図』