優良企業とはどのような企業のことをいうのでしょうか?
就活生の志望企業ランキングに並ぶのは、誰もが知っているような有名企業ばかりですが、世の中のほとんどの企業は未上場企業です。
知名度はあまり高くなくても、働きやすい安定成長の優良企業はたくさんあります。
転職・就職活動に役立つ隠れた優良企業の見つけ方をご紹介します。
隠れた優良企業の見つけ方
注目企業を探す
優良企業を見つけるには、まず気になる企業を探すことからスタートします。
さまざまな企業情報に触れてみましょう。
情報収集
- 企業情報
・東洋経済新報社『会社四季報(未上場会社版)』
・日本経済新聞社「日経会社情報DIGITAL」 など - 新聞・業界誌
・日本経済新聞
・業界新聞 - 信用調査機関の情報
・東京商工リサーチ
・帝国データバンク
チェックする企業
- 未上場企業
大企業でも上場していない優良企業 - 成長企業
2部上場や株式公開に意欲的で特色ある企業 - 中堅・ベンチャー企業
個性のある企業やベンチャーキャピタルが出資している企業 - BtoB企業
企業間の取り引きで一般的には知られていないメーカーなどの優良企業
企業の基本情報を確認する
気になる企業が見つかったら、その企業の基本情報を調べます。
業種
企業は業種の成熟度に大きな影響を受けます。
成長産業であれば、売上を伸ばしやすく、成熟・衰退産業であれば難しいといえます。
また景気変動の影響を受けやすい産業と受けにくい産業があります。
資本金・従業員数・本社
企業の規模は資本金、従業員数から推測できます。
世界的な技術をもつ企業でも本社を大都市に置いていないことがあります。
企業の概況をチェックする
基本情報を確認してみて、さらに興味のある企業については、さらに詳しい情報を調べます。
事業内容
主力事業や商品の売上構成などから、企業がどのような事業を行っているか、どの分野で売上を上げているか、どの分野がメインかがわかります。
系列
企業がどの系列に属しているかで、独立系かグループ企業かがわかります。
日本企業はグループや系列関係にある場合が多く、仕事の確保、仕入れ、出資などで協力支援を受けられるメリットがあります。
市場占有率
業界で何番目かを調べます。
業界トップクラスの占有率をもつ企業は、成長性・収益性が高いといえます。
経営者を確認する
企業の経営者について確認してみましょう。
同じ業界の企業であっても、経営者の個性で風土や方針が、大きく変わってくることは少なくありません。
大株主
株主には株式の割合に応じた影響力があります。
未上場企業には、大株主が社長を兼任するオーナー企業やオーナー一族が役員になる一族経営が多くあります。
オーナー企業ではオーナーの意向が経営に強く反映されます。
社長
中堅・中小企業の社長は重要な情報源です。
社長の出版物やブログがあれば、経営に対する考え方が詳しくわかります。
利害関係者(銀行・取引先)を確認する
企業の利害関係者からその企業の社会的な信用度を知ることができます。
主力銀行
経営基盤がしっかりした銀行と取り引きしているかがポイントです。
主力銀行が株主になっていれば、一般的には銀行との結びつきが深いと考えられます。
取引先
取引先は、その企業の安定性や成長性、収益性に大きな影響を与えます。
取引先に好調企業が多ければ、恩恵を受けられます。
取引先が特定の企業に集中している場合は、その企業の経営状況が悪化すれば、取引が停止されたり、受注が減るなど大きな打撃になります。
経営状況をチェックする
経営状況は、優良企業を見極める重要な情報です。
企業の採用計画にも大きな影響を及ぼします。
経常利益
営業利益は売上高から仕入れなどの原価や経費を差し引いたもので、売上高に対する営業利益の比率が高いほど、利益を生み出す力が大きいことがわかります。
経常利益はその営業利益から支払利息や受取利息などをプラスマイナスしたもので、企業の総合的な経営状況がわかります。
経常利益の推移は必ずチェックしておきたい重要指標です。
キャッシュフロー
営業キャッシュフローは、営業取引で発生したキャッシュの増減額で、財務の健全性がわかります。
営業キャッシュフローがプラスの場合は、本来の営業取引でキャッシュが獲得できているということです。
連続してマイナスとなれば、要注意です。
将来性を見極める
企業の将来性は、入社してからの人材育成や成長に関わってきます。
設備投資・研究開発
将来のための新製品の生産やコスト削減のための設備投資や研究開発への投資は、見逃せないポイントです。
近年の推移や、業界内の比較などで判断しましょう。
定期採用
新卒・中途の定期的な採用状況からは、中長期的な人材育成を行っているかどうかがわかります。
最終確認をする
最終的にイメージや知名度ではなく、安定した優良企業かどうかを判断します。
経常利益が黒字で推移
10年以上など長期にわたって黒字経営を維持していれば、優良企業の証といえます。
経常利益のランク分け
業界内の企業を経常利益100億円以上、50億円以上、25億円以上、10億円以上などランク分けしてリストアップしていけば、名前を知らなかった堅実な企業があることがわかります。
株主持分比率が35%以上
株主持分比率は総資本のなかの株主の持分の割合です。
この比率が高い企業は不景気でも経営基盤が安定しています。
営業キャッシュフローが2期以上黒字
利益を計上している黒字企業なのに、営業キャッシュフローが赤字で倒産することがあります。
営業キャッシュフローで企業の安全度を確かめます。
20代・第二新卒の転職市場
20代・第二新卒の転職活動
20代の転職市場は活発です。
転職市場には「第二新卒」という新卒で入社してから3年程度までの転職希望者の市場もあります。
新卒だけでなく、既卒や第二新卒のポテンシャル採用にも積極的な企業が増え、求人数も豊富です。
第二新卒は社会人としてのビジネスマナーを身につけていること、柔軟性や成長性があることをメリットとして求人企業はとらえていますので、キャリアチェンジのチャンスが多くあります。
20代の採用市場に強い転職支援サービスを利用すると、ブラック企業を排除して、若手の育成に積極的な優良企業の求人を紹介してもらうことができます。
適性・適職のアドバイスから優良企業の求人紹介、応募書類の添削、面接対策のサポートなどを受けられますので、自分だけで活動を進めるよりも希望の転職を実現できる可能性が高まります。
転職支援サービスのメリット
- キャリアの可能性を広げるカウンセリング
- 非公開・好条件の求人紹介
- 業界や職種に精通したキャリアアドバイザー
- 企業ごとの書類作成・面接対策のサポート
- 転職スキルアップのセミナー など
まとめ
大企業や上場企業でもいつ破綻するか予測できない時代になり、隠れた優良企業は応募先の有力候補になります。
気になる優良企業の研究を深めて、満足度の高い転職活動を行いましょう。
【参考】
・東洋経済新報社『会社四季報』
・日本経済新聞社