建設業界の転職は売り手市場で、特に技術者の求人は高い水準を維持しています。
資格を取得することは希望の転職やキャリアアップへのチャンスを広げるために有効です。
建設業界のキャリアアップに有利な技術系資格をご紹介します。
施工管理・建設技術の重要資格
建築士
建築士は、建物の設計・施工・工事監理を行う建築のプロフェッショナルです。
建築業界のメジャー国家資格で、多様な領域で活躍しています。
受験資格
- 一級:大学、専門学校などで建築の専門教育を受け、実務経験が2年以上。二級建築士の資格取得後に実務経験が4年以上など
- 二級:大学、専門学校などで建築の専門教育を受けて卒業。専門教育を受けていない場合、実務経験7年以上など
- 木造:二級と同じ
試験日
- 一級・木造:【学科】7月【設計製図】10月
- 二級:【学科】7月【設計製図】9月
試験内容
- 学科:建築計画、環境工学と建築設備(一級)、建築法規、建築構造、建築施工
- 設計製図:設計課題についての設計製図
合格率
- 一級:10%程度
- 二級:20~25%程度
- 木造:30~40%程度
問い合わせ
公益財団法人 建築技術教育普及センター
転職・就職情報
建築士の求人ニーズは高く、採用条件の常にランキング上位です。設計事務所や建設会社などでは、社員に一級の取得を奨励しています。
大都市のビルから戸建て住宅まであらゆる建築物の設計から監理まで活躍できます。
一級建築士の過去問題集
建築施工管理技士
建築施工管理技士は、鉄筋工事や大工工事、内装仕上げ工事など建築工事の施工計画を作成し、現場での工程管理や品質管理、安全管理などを指導監督するための国家資格です。
受験資格
- 大学、短期大学、高等専門学校、高等学校の卒業者(2級は卒業見込可)
- 二級建築士、2級建築施工管理技術検定の資格取得者(1級のみ)
- 建築設備に関する実務経験者
※それぞれ実務経験年数が必要になります。1級受験者は実務経験年数に「指導監督的実務経験」を1年以上含みます。
試験日
- 1級:【学科】6月【実地】10月
- 2級:【学科・実地】11月【学科のみ】6月・11月【実地のみ】11月
試験内容
- 1級:【学科】建築学等・施工管理法・法規【実地】施工管理法
- 2級:【学科】建築・躯体・仕上げ【実地】施工管理法・躯体施工管理法・仕上施工管理法
合格率
- 1級:【学科】40~50%【実地】35~45%
- 2級:【学科】40~50%【実地】30~40%
問い合わせ
一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部
転職・就職情報
建設・土木系企業でのニーズが高く、建設業界の転職・就職に有利です。資格手当や給与でも優遇されています。
建築施工管理技士の問題集
土木施工管理技士
土木施工管理技士は、土木工事の進行を統括するための国家資格です。
土木工事には、河川、港湾、道路、鉄道、上下水道工事など公共施設も多く、資格者のニーズは非常に高くなっています。
受験資格
- 大学、短期大学、高等専門学校、高等学校の卒業者
- 2級土木施工管理技術検定の合格者(1級のみ)
- 専任の主任技術者として1年以上の経験者(1級のみ)
- 1級で15年以上、2級で8年以上の実務経験者など
※学歴(指定学科の修了有無)などにより、必要となる実務経験年数が異なります。
試験日
- 1級:【第1次】7月【第2次】10月
- 2級:【第1次(前期)】6月【第1次(後期)・第2次】10月
試験内容
- 1級:【学科】土木工学等・施工管理法・法規【実地】施工管理法
- 2級:土木・鋼構造物舗装・薬液注入の3種別【学科】土木工学等・法規は共通、それぞれに施工管理法・鋼構造物舗装施工管理法・薬液注入施工管理法【実地】種別ごとに施工管理法
合格率
- 1級:【学科】55~65%【実地】30~40%
- 2級:【学科】55~65%【実地】35%程度
問い合わせ
一般財団法人 全国建設研修センター 土木試験課
転職・就職情報
施工現場での安全性や工程、品質が重視される傾向が高まり、実務経験者の転職は特に有利な状況です。業界での評価も高いです。
土木施工管理技士のテキスト&問題集
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、冷暖房設備、下水道、ダクト、浄化槽、ガスなど管工事に関する配管設備工事全般を取り扱う技術者の国家資格です。
指導監督的業務に就ける1級と技術者として施工管理に携わる2級があります。
受験資格
- 大学、短期大学、高等専門学校、高等学校の卒業者
- 2級管工事施工管理技術検定の合格者(1級のみ)、技能検定合格者
- 専任の主任技術者として1年以上の経験者(1級のみ)
- 1級で15年以上、2級で8年以上の実務経験者など
※学歴(指定学科の修了有無)などにより、必要となる実務経験年数が異なります。
試験日
- 1級:【第1次】9月【第2次】12月
- 2級:【第1次(前期)】6月【第1次・第2次】【第1次(後期)】11月
試験内容
- 学科:機械工学等、施工管理法、法規
- 実地:施工管理法
合格率
- 1級:【学科】50%程度【実地】50~60%
- 2級:【学科】60%程度【実地】40%程度
問い合わせ
一般財団法人 全国建設研修センター 管工事試験課
転職・就職情報
1級管工事施工管理技士は、営業所や工事現場ごとに設置義務があり、事業の入札時には有資格者の人数が影響することもあります。
建設系の転職・就職では、大きな武器になります。
管工事管理技術検定の過去問題集
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、電気工事を管理・監督する技術者の国家資格です。
電気工事の施工計画や工程管理、安全管理などを担当します。
受験資格
- 大学、短期大学、高等専門学校、高等学校の卒業者(2級は卒業見込可)
- 2級電気工事施工管理技術検定合格者(1級のみ)、第三種電気主任技術者免状の取得者、第一種電気工事士免状の取得者
- 実務経験者など
※学歴・資格に応じて、実務経験年数が必要になります。
試験日
- 1級:【第1次】6月【第2次】10月
- 2級:【第1次(前期)】3月【第1次・第2次】【第1次(後期)】11月
試験内容
- 学科:電気工学等、施工管理法、法規
- 実地:施工管理法
合格率
- 1級:【学科】45%程度【実地】60~70%
- 2級:【学科】55~60%【実地】40%程度
問い合わせ
一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部
転職・就職情報
1級は一般建設業および特定建設業の営業所で専任技術者の職に就くことができ、2級は一般建設業の営業所の専任技術者、工事現場の主任技術者になれます。いずれも転職で有利な資格です。
電気工事施工管理技士の過去問題集
技術士
技術士は、科学技術分野での最高位の国家資格です。21の技術部門のなかから選択する1技術部門について、幅広い知識と専門技術の総合的な能力を認定します。21の技術部門のなかには建設部門が設けられています。
第一次試験に合格すると技術士補となる資格が得られ、第二次試験に合格すると技術士として登録することができます。
受験資格
- 第一次:制限なし
- 第二次:技術士補となる資格+実務経験
試験日
- 第一次:10月
- 第二次:【筆記】7月【口頭】11月下旬から翌年1月下旬の指定日
試験内容
- 第一次:基礎科目、適性科目、専門科目
- 第二次:筆記試験・口頭試験(口頭試験は、筆記試験の合格者に対してのみ)
合格率(建設部門)
- 第一次:35%程度
- 第二次:6%程度
問い合わせ
公益社団法人 日本技術士会
転職・就職情報
公共事業を受託している企業や建設会社で高く評価されます。転職だけでなく、昇進・昇格、給与面でも有利になることがあります。
技術士一次試験の過去問題集
施工管理・建設技術の資格取得
資格を取得するためには、独学や資格・通信講座などで勉強する方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分の状況やかけられる時間、費用などに合わせて選択することになります。
資格取得の勉強法
専門性の高い技術系の資格や技能を短期間で効率的に取得するには、試験に対応した資格・通信講座を上手に活用することをおすすめします。
技術系通信講座
多くの企業も利用する技術講座専門のJTEXでは、資格取得や技能向上のための技術系通信講座を数多く取り扱っています。
現場で役立つ専門性の高い通信教育講座を提供していて、技能検定の学科試験が免除となる認定訓練講座もあります。
大学・専門学校
大学、短期大学、専門学校、通信制大学、塾・予備校など幅広い学校が掲載されている情報サイトでは、資格や所在地など希望する条件で学校を検索して、資料請求、願書請求、オープンキャンパス予約が簡単にできます。
まとめ
建設業界は仕事自体がなくなることはなく、資格も安定して根強い人気があります。
求人ニーズが高い建設技術系の資格は実務経験とセットで強力な武器になります。


