建設(ゼネコン・マリコン・設計会社)の業界研究


東京オリンピック・パラリンピック開催を追い風に、大型再開発が進むなど、建設業界では好調な状況が続いています。業界全体としての人手不足感は非常に高く、人材確保が課題です。

建設業界の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

建設業界の最新動向(2019年)

建設業界

建設業界は、戦後から高度成長期、バブル期を通して、日本の発展とともに成長してきました。その後は、デフレ経済や建設投資の減少などにより、厳しい状況が続いていましたが、東日本大震災からの復興や東京オリンピックなどによって建設需要が高まっています。業績も高い水準が続いています。

建設業

建設業として許可を受けられるのは、29業種です。

  • 土木一式工事業:総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事
  • 建築一式工事業:総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事
  • 専門工事業:その他の専門工事

スーパーゼネコン

ゼネコン(総合建設会社)が手掛ける工事は土木、建築に大別されます。日本の建設大手5社は「スーパーゼネコン」と呼ばれます。

首都圏を中心に高層ビル新築やインフラ改修需要が拡大していますが、建設技術者の不足が課題になっています。

大林組

都市開発に強み。東京スカイツリーを建設しています。

  • 従業員数:14,359人
  • 平均年齢:42歳

鹿島

ダムやトンネルなど土木に強み。不動産開発やM&Aも積極的に進めています。

  • 従業員数:17,730人
  • 平均年齢:44歳

大成建設

大型土木から戸建て住宅まで幅広く手掛けています。

  • 従業員数:14,032人
  • 平均年齢:43歳

清水建設

民間建築が主力。環境エネルギー関連にも力を入れています。

  • 従業員数:16,024人
  • 平均年齢:43歳

竹中工務店

建築専門で土木は子会社が担当。あべのハルカスを設計・施工しています。

  • 従業員数:12,982人

準大手・中堅ゼネコン

ゼネコンの役割は施工管理です。建設工事に関する総合的な技術力を持ち、専門工事会社などをマネジメントして工事を完成させます。

長谷工コーポレーション

マンション建築で首位。管理や仲介、リフォームも展開しています。

  • 従業員数:6,816人
  • 平均年齢:41歳

前田建設工業

土木主体から民間建築、環境エネルギー関連にシフトしています。

  • 従業員数:4,133人
  • 平均年齢:44歳

三井住友建設

橋梁建設などに強み。マンション建築にも定評があります。

  • 従業員数:4,529人
  • 平均年齢:46歳

フジタ

大和ハウス工業子会社。

  • 従業員数:3,050人

熊谷組

トンネルなど大型土木に強みがあります。

  • 従業員数:3,892人
  • 平均年齢:45歳

安藤ハザマ

土木の名門ハザマと民間建築が主力の安藤建設が合併。

  • 従業員数:3,852人
  • 平均年齢:46歳

西松建設

ダムやトンネルなど土木で実績があります。

  • 従業員数:2,825人
  • 平均年齢:44歳

東急建設

東急グループ。渋谷駅前再開発に力を入れています。

  • 従業員数:2,735人
  • 平均年齢:46歳

中堅ゼネコン

  • 大豊建設:特殊工法による大型土木の実績
  • 佐藤工業:トンネル工事の名門
  • 飛鳥建設:土木中心の老舗
  • 高松コンストラクショングループ:関西地盤で全国展開する中堅ゼネコン
  • 青木あすなろ建設:高松コンストラクションG傘下
  • ピーエス三菱:三菱マテリアル系

鉄道系

  • 鉄建建設:駅舎、トンネルなどの土木建築で実績
  • 東鉄工業:JR東日本グループ

海洋土木(マリコン)

建設会社のなかでも特に海洋土木工事を中心に請け負う会社です。港湾施設の建設、護岸、海底工事、浚渫・埋立、橋梁の建設、海底トンネルの建設などを手掛けます。

海洋土木各社

  • 五洋建設:海洋土木首位
  • 東亜建設工業:海洋土木主体。海外に積極展開
  • 東洋建設:海洋土木大手。東南アジアに強み
  • 若築建設:海洋土木中堅。陸上土木展開

建築設計

建築工事における意匠設計、構造設計、設備設計や工事監理業務を行います。建築設計事務所は建築士の資格によって、設計できる範囲が決められています。

大手建築設計事務所

  • NTTファシリティーズ
  • 日建設計
  • 三菱地所設計
  • 日本設計
  • 久米設計

ハウスメーカー

ハウスメーカーは、建設業でありながら、製造業の特徴を持っています。ゼネコンとの提携が進んでいます。

戸建て住宅

顧客の要望による注文住宅や建物を建ててから売る分譲住宅があります。新築戸建てだけでは成長に限界があるため、マンションやリフォーム、中古住宅売買、海外事業の強化など収益源の多様化が進んでいます。

  1. 大和ハウス工業:多角化推進。戸建て販売は6位
  2. 積水ハウス:注文住宅最大手
  3. 飯田グループホールディングス:分譲最大手
  4. 住友林業:木造の在来工法大手
  5. 旭化成ホームズ:ヘーベルハウス
  6. 積水化学工業:セキスイハイム
  7. 一条工務店:木造住宅大手
  8. ミサワホーム:木質プレハブ大手
  9. パナソニックホームズ:スマートハウスに注力
  10. 三井ホーム:ツーバイフォー工法最大手

建設業界の売上高ランキング

上位1~40位

順位 企業名 売上高(百万円)
1 大林組 1,872,721
2 鹿島建設 1,821,805
3 清水建設 1,567,427
4 大成建設 1,487,252
5 竹中工務店 955,482
6 長谷工コーポレーション 772,328
7 五洋建設 500,336
8 戸田建設 422,722
9 前田建設工業 422,587
10 安藤・間 407,994
11 三井住友建設 403,908
12 フジタ 386,591
13 熊谷組 344,706
14 西松建設 315,228
15 日鉄住金テックスエンジ 298,693
16 東急建設 243,618
17 鴻池組 211,162
18 奥村組 203,090
19 福田組 172,749
20 東亜建設工業 167,200
21 鉄建建設 165,053
22 東洋建設 152,587
23 大豊建設 143,613
24 青木あすなろ建設 137,936
25 淺沼組 132,699
26 佐藤工業 131,687
27 東鉄工業 130,634
28 飛鳥建設 117,807
29 ナカノフドー建設 116,802
30 錢高組 110,920
31 日本国土開発 110,543
32 ライト工業 102,317
33 ピーエス三菱 96,715
34 松井建設 89,341
35 矢作建設工業 89,263
36 名工建設 89,120
37 西武建設 88,578
38 岩田地崎建設 86,805
39 大鉄工業 82,460
40 若築建設 82,258

(帝国データバンク『業績動向2018-Ⅱ』より)

建設業界の採用市場

建設業界の求人・転職

建設業界は、有効求人倍率は高水準で推移し、かつてないほどの売り手市場です。多くの職種で求人ニーズが高く、大手ゼネコンから地域密着企業まで、人材の獲得競争が激化しています。

特に技術者の不足が深刻で、建築施工管理技士、土木施工管理技士、建築士、電気工事士などの技能資格があれば、チャンスが豊富です。未経験・第二新卒の採用にも意欲的ですので、業界未経験者にも、今は絶好のチャンスといえます。

研修制度や資格取得支援制度、ワーク・ライフバランスの実現、産休・育休制度、福利厚生の充実など、働く環境の整備も進んでいます。

建設業界の年収

業種 20~24歳 25~29歳 平均
総合工事業 3,255,100円 4,236,700円 5,271,300円
職別工事業 3,142,400円 3,781,400円 4,453,200円
設備工事業 3,526,700円 4,498,900円 5,728,700円

(厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」より)

建設業界特有の業務

建設業界には、企画から完成までに多くの業務が関わっています。

建築・土木の営業

建築工事の営業は、建築主から直接受注する場合と建築設計事務所からの紹介で受注する場合があります。競争が厳しくなり、競争入札が増加しています。

土木工事の営業は、官公庁の発注情報を入手することが重要です。入札制度は工事受注の不透明さを排除し、透明化が図られています。技術系の営業担当者が増えています。

技術・開発

技術は現場の施工における技術的な支援を行うことが仕事です。開発は新しい工法や建設材料を開発することが主な仕事です。

建築設計

建築設計の仕事は、基本設計から詳細設計まで意匠、構造、設備の各担当が連携しながら進めていきます。

施工管理

施工管理は、専門工事会社を現場で指導しながら工事を完成まで導くことが仕事です。施工管理者は、作業の安全から品質管理まで細部にわたって確認することが求められます。

建設業界の資格

建設技術者には、多くの国家資格と民間資格があります。建設会社は社員の資格取得を奨励しています。

利用企業6000社以上の技術系講座

建築・土木業界で有利なおすすめ資格
建設・土木業界は売り手市場が続いています。特に技術者の求人は高い水準を維持しています。建設・土木系資格者の求人ニーズは非常に高く、転職・就職で有利になります。
現場監理・建設技術者に有利なおすすめ資格
建設業界は売り手市場で、特に技術者の求人は高い水準を維持しています。資格を取得することは希望の転職やキャリアアップにつながりやすい状況といえます。

まとめ

変動が大きい業界ですが、東京五輪を追い風に好調が続いています。業界全体の人手不足が深刻になり、離職を減らすために、待遇改善や働きやすい環境づくりなど人材確保の取り組みが始まっています。転職を考える人にとって、希望するキャリアを実現しやすい状況といえるでしょう。

転職・就職に役立つ業界天気図一覧(2019年)
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は転職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。2019年度の主要業界天気図を一覧にしました。
土木の業界研究
土木業界は社会資本を整備し、経済成長を支える役割を担っています。土木業界の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

 

業界研究・業界地図

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