建設会社・ゼネコンの業界研究


東京オリンピック・パラリンピック開催を追い風に、大型再開発が進むなど、建設業界では好調な状況が続いてきました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速で、企業業績の悪化は避けられそうにありません。

建設会社の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

建設業界の最新動向(2022年)

建設業界

建設業は、発注者からの注文があって工事を行う受注産業です。

建設工事の専門化、分業化に対応するために、建設業界は重層下請け構造になっています。

スーパーゼネコンから全国のゼネコン、ゼネコンの下請けとして専門工事業者、さらに実際の設備工事を下請けする協力業者が連なります。

建設業界は、戦後から高度成長期、バブル期を通して、日本の発展とともに成長してきました。

その後は、デフレ経済や建設投資の減少などにより、厳しい状況が続いていましたが、東日本大震災からの復興や東京オリンピックなどによって建設需要が高まりました。

好調だった企業業績はコロナ禍で悪化し、建設業界への影響は大きくなっています。

建設業

建設業として許可を受けられるのは、2つの総合的な工事と27の専門工事の29業種に分類されます。

  • 土木一式工事業:総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事
  • 建築一式工事業:総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事
  • 専門工事業:その他の専門工事

スーパーゼネコン

ゼネコン(総合建設会社)が手掛ける工事は土木、建築に大別されます。

日本の建設大手5社は「スーパーゼネコン」と呼ばれます。

首都圏を中心に高層ビル新築やインフラ改修需要が拡大していますが、建設技術者の不足が課題になっています。

BIM(3次元設計施工)を活用したデジタル化を進め、生産性向上を急いでいます。

鹿島

ダムやトンネルなど土木に強み。

不動産開発やM&Aも積極的に進めています。

  • 従業員数:18,905人
  • 平均年齢:44歳

大林組

東京スカイツリーを建設。

不動産開発にも力を入れています。

  • 従業員数:15,267人
  • 平均年齢:43歳

大成建設

大型土木から戸建て住宅まで幅広く手掛けています。

  • 従業員数:14,620人
  • 平均年齢:43歳

清水建設

民間建築が主力。

環境エネルギー関連にも力を入れています。

  • 従業員数:16,586人
  • 平均年齢:43歳

竹中工務店

あべのハルカスを設計・施工。

建築専門で土木は子会社が担当しています。

  • 従業員数:13,171人

準大手・中堅ゼネコン

ゼネコンには、建設工事に関する総合的な技術力を持ち、現場をマネジメントして、工事を完成させる役割があります。

長谷工コーポレーション

マンション建築で首位。

管理や仲介、リフォームも展開しています。

  • 従業員数:7,415人
  • 平均年齢:41歳

戸田建設

公共施設の建築に強み。

大規模再開発でも多数の実績があります。

  • 従業員数:5,568人
  • 平均年齢:45歳

前田建設工業

土木主体から民間建築、環境エネルギー関連にシフトしています。

  • 従業員数:6,929人
  • 平均年齢:43歳

三井住友建設

橋梁建設などに強み。

マンション建築にも定評があります。

  • 従業員数:5,227人
  • 平均年齢:46歳

フジタ

大和ハウス工業傘下の旧大和小田急建設と合併。

  • 従業員数:3,316人

熊谷組

トンネルなど大型土木に強み。

マンション建築にも力を入れています。

  • 従業員数:4,259人
  • 平均年齢:44歳

安藤ハザマ

土木の名門ハザマと民間建築が主力の安藤建設が合併。

  • 従業員数:3,857人
  • 平均年齢:46歳

西松建設

ダムやトンネルなど土木で実績。

不動産開発も行っています。

  • 従業員数:3,060人
  • 平均年齢:44歳

東急建設

東急グループ。

渋谷駅前再開発に力を入れています。

  • 従業員数:3,010人
  • 平均年齢:45歳

高松コンストラクショングループ

関西地盤に全国展開。

マンションの高松建設と土木の青木あすなろ建設が中核です。

  • 従業員数:4,581人
  • 平均年齢:44歳

中堅ゼネコン

  • 鴻池組:積水ハウスの子会社化
  • 奥村組:エネルギー関連事業に注力
  • 福田組:新潟地盤に全国展開
  • 淺沼組:公共施設に実績
  • 大豊建設:特殊工法による大型土木に実績
  • 佐藤工業:トンネル工事の名門
  • 飛鳥建設:土木中心の老舗

鉄道系

  • 鉄建建設:駅舎、トンネルなどの土木建築で実績
  • 東鉄工業:JR東日本グループ

海洋土木(マリコン)

マリコンは建設会社のなかでも特に海洋土木工事を中心に請け負う会社です。

港湾施設の建設、護岸、海底工事、浚渫・埋立、橋梁の建設、海底トンネルの建設などを手掛けます。

海洋土木各社

  • 五洋建設:海洋土木首位
  • 東亜建設工業:海洋土木主体。海外に積極展開
  • 東洋建設:海洋土木大手。東南アジアに強み
  • 若築建設:海洋土木中堅。陸上土木展開
土木・マリコンの業界研究
土木業界は経済成長を支える役割を担っています。土木・マリコンの転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

建築設計

建築工事における意匠設計、構造設計、設備設計や工事監理業務を行います。

建築設計事務所は建築士の資格によって、設計できる範囲が決められています。

大手建築設計会社

  • NTTファシリティーズ
  • 日建設計
  • 三菱地所設計
  • 日本設計
  • 久米設計

ハウスメーカー

ハウスメーカーは、建設業でありながら、製造業の特徴を持っています。

ゼネコンとの提携が進んでいます。

戸建て住宅

顧客の要望による注文住宅や建物を建ててから売る分譲住宅があります。

新築戸建てだけでは成長に限界があるため、マンションやリフォーム、中古住宅売買、海外事業の強化など収益源の多様化が進んでいます。

  1. 大和ハウス工業
  2. 積水ハウス
  3. 飯田グループホールディングス
  4. 住友林業
  5. 旭化成ホームズ
  6. オープンハウス
  7. 積水化学工業
  8. 一条工務店
  9. ミサワホーム
  10. パナソニックホームズ
住宅・ハウスメーカーの業界研究
住宅業界は変化する住宅ニーズに対応していくことが求められます。ハウスメーカーの転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

建設業界の売上高ランキング

建設業上位1~40位

順位企業名売上高(百万円)
1鹿島建設1,907,176
2大林組1,766,893
3大成建設1,480,141
4清水建設1,456,473
5竹中工務店971,069
6長谷工コーポレーション809,438
7前田建設工業678,059
8戸田建設507,134
9五洋建設471,058
10熊谷組450,232
11三井住友建設421,619
12フジタ379,240
13安藤・間352,000
14西松建設336,241
15高松コンストラクショングループ283,080
16日鉄テックスエンジ282,473
17鴻池組259,214
18東急建設231,483
19奥村組220,712
20東亜建設工業189,712
21福田組185,764
22鉄建建設182,020
23東洋建設172,976
24大豊建設161,697
25佐藤工業139,623
26淺沼組138,934
27東鉄工業132,919
28日本国土開発118,529
29飛鳥建設117,295
30ピーエス三菱117,219
31ナカノフドー建設116,046
32ライト工業108,209
33矢作建設工業106,615
34銭高組105,792
35大鉄工業100,514
36大日本土木91,234
37若築建設89,822
38名工建設88,678
39イチケン88,624
40松井建設87,579

(帝国データバンク『業績動向2022-Ⅰ』より)

建設業界の採用市場

建設業界の業務

建設業界には、企画から完成までに多くの業務が関わっています。

建築・土木の営業

建築工事の営業は、建築主から直接受注する場合と建築設計事務所からの紹介で受注する場合があります。

競争が厳しくなり、競争入札が増加しています。

土木工事の営業は、官公庁の発注情報を入手することが重要です。

入札制度は工事受注の不透明さを排除し、透明化が図られています。

技術系の営業担当者が増えています。

技術・開発

技術は現場の施工における技術的な支援を行うことが仕事です。

開発は新しい工法や建設材料を開発することが主な仕事です。

建築設計

建築設計の仕事は、基本設計から詳細設計まで意匠、構造、設備の各担当が連携しながら進めていきます。

施工管理

施工管理は、専門工事会社を現場で指導しながら工事を完成まで導くことが仕事です。

施工管理者は、作業の安全から品質管理まで細部にわたって確認することが求められます。

建設業界の資格取得

建設技術者には、多くの国家資格と民間資格があります。

建設会社は社員の資格取得を奨励しています。

技術講座専門のJTEXでは技能・技術系を中心に専門通信講座を受講できます。

建築・土木業界で有利なおすすめ資格
建設・土木業界は売り手市場で特に技術者の求人は高い水準を維持しています。建設・土木系資格者の求人ニーズは非常に高く、転職・就職で有利になります。
施工管理・建設技術者に有利なおすすめ資格
建設業界では人材不足が課題で特に技術者の求人は高い水準を維持しています。資格を取得することは希望の転職やキャリアアップにつながりやすい状況といえます。

建設業界の求人・転職

建設業界では建設人材の不足が課題になっています。

特に技術者の不足が深刻で、建築施工管理技士、土木施工管理技士、建築士、電気工事士などの技能資格があれば、チャンスが豊富です。

未経験第二新卒の採用にも意欲的ですので、業界未経験者にも、チャンスがあります。

研修制度や資格取得支援制度、ワークライフバランスの実現、産休・育休制度、福利厚生の充実など、働く環境の整備も進んでいます。

ただし、景気の影響を受けやすい業界ですので、採用活動にも影響が出る可能性はあります。

建設業の給与

区分20~24歳25~29歳44.8歳(平均)
所定内労働時間173時間171時間172時間
残業19時間20時間13時間
月収255,300円296,800円363,500円
年間賞与等462,900円845,400円1,041,100円
年収3,526,500円4,407,000円5,403,100円

(厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」より)

20代の転職活動

転職エージェントの転職支援サービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアコンサルタントの転職サポートを無料で受けることができます。

非公開・独自案件の求人紹介だけでなく、専任のキャリアコンサルタントによる企業ごとの書類作成や面接対策などのサポートで、選考通過率のアップが期待できます。

キャリアごとの転職支援

まとめ

建設業界は景気の動向に左右されやすい業界ですが、常に乗り切る対策を立てているともいえます。

少子高齢化による建設人材の不足が深刻になり、離職を減らすために、待遇改善や働きやすい環境づくりなど人材確保の取り組みに力を入れています。

転職・就職に役立つ業界天気図一覧(2022年)
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は転職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。2022年度の主要業界天気図を一覧にしました。

 

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