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調剤薬局の業界研究【概要・動向】-転職・就職に

調剤薬局は、医師の処方せんが必要な処方薬(医療用医薬品)を販売します。

調剤薬局では、調剤特化から業務を拡充する動きが進んでいます。

転職・就職で押さえておきたい調剤薬局の業界動向、採用市場をご紹介します。

調剤薬局の業界動向(2024年)

調剤薬局とは

調剤薬局は、医療機関から発行された処方せんを受け取り、調剤を行う薬局のことです。

医薬分業の推進に伴い、全国各地に調剤薬局が誕生しました。

厚生労働省は医薬分業により医療機関から独立した調剤薬局に対し、薬の管理を通じて、地域の生活者のかかりつけ薬局としての役割を期待しています。

薬剤師が薬のエキスパートとして医療を監視し、サポートする高度な専門職として地位を高め、より質の高い医療サービスが可能になると考えられています。

調剤薬局の種類

  • 門前薬局
    病院に隣接した場所で、その病院からの処方箋を主として取り扱う薬局
  • マンツーマン薬局
    診療所に隣接した場所で、一医院一薬局で対応する薬局
  • 地域薬局
    住宅街や商店街に設置して、様々な医療機関からの処方箋に対応する薬局

薬局・ドラッグストアの区分

業態調剤医薬品資格者
薬局すべての医薬品
(調剤薬、一般用医薬品)
薬剤師
店舗販売業不可一般用医薬品
(薬剤師がいない場合は第1類医薬品以外)
薬剤師または
登録販売者

※店舗販売業:薬局以外の医薬品小売

調剤薬局大手

調剤薬局は、新規出店などで規模の拡大に力を入れています。

ドラッグストアの調剤参入が目立ち、競争が激化しています。

各社は、「かかりつけ薬剤師・薬局」「健康サポート薬局」への対応を急いでいます。

アインホールディングス

調剤薬局最大手。

ドラッグストアも展開しています。

  • 売上高:3,587億円
  • 従業員数:10,013人
  • 平均年齢:42歳
  • 店舗数:1,207店

日本調剤

調剤薬局大手。

門前薬局が中心です。

ジェネリック医薬品の製造にも力を入れています。

  • 売上高:3,133億円
  • 従業員数:5,689人
  • 平均年齢:35歳
  • 店舗数:718店

クオールホールディングス

大手調剤チェーン。

門前薬局中心から複数の病院に対応できる地域薬局へシフトしています。

  • 売上高:1,700億円
  • 従業員数:5,746人
  • 平均年齢:45歳
  • 店舗数:892店

メディカルシステムネットワーク

医薬品ネットワーク事業や地域薬局事業を展開。

全国に店舗を拡大しています。

  • 売上高:1,095億円
  • 店舗数:437店

総合メディカル

九州地盤。

中部や東日本にも店舗を拡大しています。

  • 従業員数:19,169人
  • 店舗数:740店

アイセイ薬局

「マンツーマン型」あるいは「医療モール型」の地域密着薬局を展開しています。

  • 売上高:751億円
  • 従業員数:4,409人
  • 店舗数:410店

ファーマライズホールディングス

ファミリーマートと提携。

「かかりつけ薬剤師制度」に対応しています。

  • 売上高:520億円
  • 従業員数:1,544人
  • 平均年齢:45歳
  • 店舗数:348店
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調剤薬局の採用市場

調剤薬局の業務

調剤は薬剤師だけが行える業務ですが、調剤薬局には、調剤以外の業務も数多く存在します。

調剤業務

  • 処方せん鑑査
  • 薬歴・お薬手帳との照合
  • 疑義照会
  • 後発医薬品の希望有無の確認
  • 服薬指導
  • 調製(調剤)
  • 調剤鑑査
  • 薬袋印字
  • 医薬品の受け渡し、会計

調剤以外の業務

  • 薬歴、調剤録、処方せんの保管・管理
  • 調剤報酬請求明細書(レセプト)作成
  • 医薬品の発注
  • 医薬品の在庫管理

調剤薬局の資格

調剤薬局では、薬剤師以外にも専門性を必要とする業務が多く、資格を活かすことができます。

薬剤師

医療分業が進み、調剤薬局に勤務する薬剤師は増えています。

薬剤師の社会的なニーズは高まり、キャリアも多様化しています。

薬剤師資格を活かせる仕事-職種研究・キャリアアップに
薬剤師の多くは薬局や病院・診療所に勤務していますが、キャリアの重ね方はさまざまです。薬剤師資格を活かせる仕事とキャリアアップについてご紹介します。

登録販売者

登録販売者は、医薬品の一部を販売することができる専門資格です。

医薬品の販売は薬剤師のみに許可されていましたが、登録販売者が一定の範囲で行えるようになっています。

登録販売者のおすすめ通信講座・eラーニング-試験対策・短期合格に
登録販売者は一般用医薬品の販売ができる専門資格です。薬を販売するさまざまな小売業界でニーズが高い登録販売者の試験対策におすすめの通信講座をご紹介します。

調剤薬局事務

調剤薬局事務は、調剤薬局で処方せんの受付や会計、調剤報酬明細書の作成を行います。

資格がなくても仕事はできますが、転職・就職には資格取得が有利です。

調剤薬局事務試験のおすすめ通信講座【在宅受験】-資格取得・転職に
調剤薬局事務は調剤薬局で処方せんの受付や会計、レセプト業務などを行います。自宅で受験できる調剤薬局事務試験のおすすめ通信講座をご紹介します。

調剤薬局の求人・転職

病院に代わって増えているのが調剤薬局やドラッグストアの求人です。

全国の薬剤師数の約半数が調剤薬局で働いていて、新卒薬剤師の就職先としてもトップクラスです。

薬剤師は調剤薬局とドラッグストアとの獲得競争が激化しています。

よりよい条件を求めて調剤薬局の転職市場は非常に活発です。

調剤薬局(その他の小売業)の給与

区分20~24歳25~29歳41.9歳
(平均)
所定内労働時間168時間168時間168時間
残業11時間11時間10時間
月収239,300円261,100円296,800円
年間賞与等299,100円356,300円476,600円
年収3,170,700円3,489,500円4,038,200円

(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より)

調剤薬局の転職活動

エージェントサービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーのサポートを受けることができます。

非公開・好条件の求人紹介だけでなく、書類作成や面接対策のアドバイスなどで選考通過率のアップが期待できます。

  • キャリアの可能性を広げるカウンセリング
  • 専門性の高いアドバイザー
  • 日程調整・条件交渉の代行 など
薬剤師専門のおすすめ転職エージェント【20代・第二新卒】
薬剤師の転職では専門エージェントの利用が一般的になっています。はじめての転職や第二新卒薬剤師も利用しやすい転職エージェントをご紹介します。

まとめ

調剤薬局で働く薬剤師には、医薬品の専門家としての知識やスキルだけでなく、コミュニケーション能力も求められています。

地域密着の調剤薬局では、実際に患者と向き合い、かかりつけ薬剤師として頼られる存在になるために、信頼関係を築く姿勢が重要になっています。

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【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・各企業公式サイト
・日本経済新聞出版『日経業界地図2024年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2024年版』