電力・ガス会社の転職業界研究


電力・ガス業界の事業は東日本大震災以降、大きく変化しています。公益事業として企業間競争はなく、安定した事業でしたが、小売り全面自由化により新たな時代を迎えました。

電力・ガス会社の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

電力・ガス業界の最新動向(2019年)

電気・ガス事業

日本のエネルギー産業において、電気事業とガス事業は公益事業として安定供給を目指すため規制に守られてきました。その事業のあり方は、規制緩和、市場自由化の流れで大きく変化しています。

電気事業

電気事業は発電所で発電した電気を送配電網を使って一般家庭や企業・工場などに供給するサービスです。発電、送電、配電という事業の流れがあり、地域独占が認められていましたが、2016年には電力小売りの全面自由化がスタートしました。

ガス事業

ガス事業は燃料ガスをガス導管を通じて供給するサービスです。液化天然ガス(LNG)の都市ガスと液化石油ガス(LPG)のLPガスがあります。電気事業と同様に地域独占が認められた公益事業でしたが、電力小売り自由化に続き、都市ガスも小売り自由化が始まりました。

電力会社

地域独占の市場が続いてきましたが、電力・都市ガスの小売り自由化により競争は激化しています。

北海道電力

北海道地域に独立した送電系統を持つ電力会社です。東日本大震災前に総発電量の4割を占めていた泊原子力の再稼働が課題になっています。LNG火力については新設計画が進んでいます。

  • 従業員数:10,962人
  • 平均年齢:41歳

東北電力

東北6県と新潟県、国内最大の供給区域を持つ電力会社です。東日本大震災の被災地であり、供給区域内に自社以外の原子力課題を抱えています。発電設備は原子力、石炭火力、LNG火力、石油火力、水力などをバランスよく保有しています。

  • 従業員数:25,058人
  • 平均年齢:43歳

東京電力ホールディングス

関東地方と山梨県、静岡県の伊豆地方を供給区域とする電力会社です。国内最大の電力会社ですが、福島第一原発事故の処理のために公的資金が導入され、公的管理が行われています。

  • 従業員数:41,086人
  • 平均年齢:44歳

中部電力

新潟県、山梨県、静岡県の伊豆地方、北陸地方を除く中部地方に三重県を加えた供給区域を持つ電力会社です。LNG火力を主体に、石炭火力、原子力、水力を所有しています。

  • 従業員数:30,554人
  • 平均年齢:42歳

北陸電力

福井県の一部を除く北陸3県を供給区域とする電力会社です。豊富な水力発電を所有しているため、発電コストが低く、電気料金の安さにつながっています。

  • 従業員数:8,433人
  • 平均年齢:42歳

関西電力

三重県を除く近畿地方と福井県の一部を供給区域とする電力会社です。原子力発電の比率が高く、再稼働ができない時期は厳しい状態でしたが、再稼働で供給力が改善しています。

  • 従業員数:32,527人
  • 平均年齢:43歳

中国電力

中国地方を供給区域とする電力会社です。原子力の比率が低く、電気料金が安くなっています。瀬戸内工業地域があり、大口産業用の需要が多いのが特徴です。

  • 従業員数:13,485人
  • 平均年齢:44歳

四国電力

四国4県を供給区域とする電力会社です。伊方原子力3号機が再稼働し、十分な電源があります。技術サポートなどのソリューションサービスやガスの販売など総合エネルギーサービス企業としての変化がみられます。

  • 従業員数:8,156人
  • 平均年齢:44歳

九州電力

九州エリアの電力会社で規模は東北電力とほぼ同じです。原子力、石炭、LNG火力を保有し、再生可能エネルギーも豊富です。十分な電源を確保しているため、安定した事業運営ができる環境です。

  • 従業員数:20,968人
  • 平均年齢:42歳

沖縄電力

沖縄県のみを供給区域とする電力会社です。離島が多く、発電コストが高くなっています。電力系統が独立しているため、電力小売り全面自由化の影響は少なくなっています。再生可能エネルギーの導入拡大が課題です。

  • 従業員数:2,676人
  • 平均年齢:39歳

電源開発(Jパワー)

国内最大の電力卸。大間原子力、環境事業、海外事業を中心として新たな事業の拡大を進めています。タイなど海外の発電事業は順調に伸びています。

日本原子力発電

9電力などの出資により設立された原子力発電専門の電力卸会社です。東日本大震災以降、所有する発電所の運転はできていません。再稼働はできませんが、廃炉についての支援を行っています。

ガス会社

都市ガスは2017年4月から小売りが自由化され、新規参入が続いています。サービスの差別化競争が激化しています。

東京ガス

東京都市部中心に、関東圏の都市部に都市ガスを供給しています。また東北電力との合弁会社ジナジアパワーを通じて関東圏の大口需要家に電気を供給しています。

  • 従業員数:17,138人
  • 平均年齢:44歳

大阪ガス

大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山に都市ガスを供給しています。小売り全面自由化によって、関西電力との競争は激しさを増しています。海外展開や多角化も進めています。

  • 従業員数:19,997人
  • 平均年齢:44歳

東邦ガス

名古屋市を中心に愛知県、岐阜県、三重県を供給区域としています。需要はトヨタ自動車をはじめとする工業用が圧倒的に多く、中部地方の産業を支えています。

  • 従業員数:5,892人
  • 平均年齢:43歳

西部ガス

福岡県、長崎県、熊本県に都市ガスを供給しています。今後は電気事業の拡大も目指しています。

  • 従業員数:3,739人
  • 平均年齢:44歳

地方都市ガス会社

地方都市ガス会社の多くは、小売り全面自由化により電気事業に参入しています。

  • 北海道ガス
  • 京葉ガス
  • 大多喜ガス
  • 静岡ガス
  • 広島ガス

電力・ガス業界の売上高ランキング

電力業

順位 企業名 売上高(百万円)
1 東京電力ホールディングス 5,850,939
2 関西電力 3,133,632
3 中部電力 2,853,309
4 東北電力 2,071,380
5 九州電力 1,960,359
6 中国電力 1,314,967
7 電源開発 856,252
8 北海道電力 733,050
9 四国電力 731,775
10 北陸電力 596,283
11 エネット 282,004
12 沖縄電力 196,134
13 日本原子力発電 113,515
14 相馬共同火力発電 95,535
15 常磐共同火力 86,856
16 瀬戸内共同火力 85,884
17 関電エネルギーソリューション 74,354
18 日本テクノ 59,938
19 ダイヤモンドパワー 58,700
20 ミツウロコグリーンエネルギー 53,217

ガス業

順位 企業名 売上高(百万円)
1 東京ガス 1,777,344
2 大阪ガス 1,296,238
3 東邦ガス 428,868
4 西部ガス 196,621
5 静岡ガス 122,027
6 北海道ガス 103,580
7 京葉ガス 83,897
8 広島ガス 73,717
9 大多喜ガス 48,482
10 北陸ガス 45,695
11 中部ガス 33,142
12 四国ガス 31,278
13 武州ガス 31,187
14 東部ガス 28,423
15 東彩ガス 24,102
16 日本ガス 19,636
17 岡山ガス 19,399
18 日本海ガス 17,217
19 長野都市ガス 14,353
20 東海ガス 14,238

(帝国データバンク『業界動向2019-Ⅰ』より)

電力・ガス業界の採用市場

電力・ガス業界の求人・転職

各地域の大手電力・ガス会社の就職は人気があります。定期的に実施する新卒採用と異なり、中途採用は人員が不足したり、事業拡大をするタイミングで、即戦力が求められます。自由化の販売競争が本格化し、専門性の高い営業職に活躍の場が広がっています。

環境関連業種・職種に有利なおすすめ資格
環境に配慮した経済活動の重要性が年々高まり、専門家のニーズも高まっています。環境ビジネスに関連する業種・職種で有利なおすすめ資格をご紹介します。

電気・ガス業界の年収

区分 20~24歳 25~29歳 平均
電気業 3,747,500円 4,672,000円 6,993,700円
ガス業 3,456,100円 4,540,400円 5,927,600円

(厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」より)

まとめ

二酸化炭素の削減、人口減少などエネルギー業界の将来には多くの課題があります。電力・ガス事業には電気やガスを供給するだけでなく、顧客視点の多様なサービスを開拓していくことが求められています。

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