旅行会社の転職業界研究


旅行業界は、訪日外国人観光客の増加により成長を続けてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による渡航制限の影響で、甚大な打撃を受けています。

コロナ後も急速な回復は難しく、国内旅行から徐々に回復を目指すことになりそうです。

旅行会社の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、収入高ランキング、採用市場をご紹介します。

旅行業界の最新動向(2022年)

旅行会社とは

旅行会社とは、国内・海外旅行、パッケージツアー、受注型企画旅行、宿泊交通手配などを個人や企業・団体向けに行う会社のことです。

中国などアジアを中心に訪日外国人観光客の増加が続いていましたが、渡航制限の影響により激減しています。

団体旅行は減り、個人手配・自由旅行が主流となっています。

ネット予約の拡大で、オンライン系は伸びが大きく、店舗系は苦戦しています。

旅行会社の種類

  • 総合旅行系
  • 商品造成自社販売系
  • メディア・通信販売系
  • リテーラー
  • インターネット販売系
  • 業務性旅行特化系
  • ホールセラー
  • 海外旅行ディストリビューター
  • 海外ランドオペレーター

旅行会社

個人手配の増加、オンライン系の拡大により、パッケージを主力としてきた旅行会社にとって、事業環境は厳しさを増す見込みです。

店舗系もネット販売の拡大を目指しています。

JTBグループ

国内首位。

個人から法人まで総合的な強さがあります。(非上場)

人員や店舗の削減、デジタル化など構造改革を進めています。

  • 旅行取扱額:4,215億円
  • 従業員数:23,785人

エイチ・アイ・エス

海外旅行取扱高業界トップ。

手配業務やホテルなど事業の多角化を進めています。

  • 旅行取扱額:269億円
  • 従業員数:13,990人
  • 平均年齢:33歳

KNT-CTホールディングス

近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが経営統合。

組織を再編し、細分化、分社化を行いました。

  • 旅行取扱額:998億円
  • 従業員数:5,451人
  • 平均年齢:46歳

日本旅行

国内最古の老舗旅行会社。

JR西日本の子会社で、鉄道旅行に強みがあります。

  • 旅行取扱額:978億円
  • 従業員数:4,414人

阪急交通社

阪急阪神ホールディングス傘下。

新聞広告や情報誌などのメディア型旅行商品を販売し、シニアの海外旅行に強みがあります。

  • 旅行取扱額:584億円
  • 従業員数:2,681人

東武トップツアーズ

東武鉄道傘下の旅行会社。

  • 旅行取扱額:252億円
  • 従業員数:2,450人

名鉄観光サービス

名古屋鉄道傘下。

海外旅行「パノラマツアー」「トライ」、国内旅行「マーチ」など。

  • 旅行取扱額:242億円

ビッグホリデー

国内外旅行・ツアー。

JRグループ委託販売会社です。

  • 旅行取扱額:132億円
  • 従業員数:318人

エアライン系

エアライン系は航空会社が出資する旅行会社です。

ANA X

ANAグループ。

ANAセールスの旅行事業を会社分割により承継しました。

国内外旅行の企画・販売を行っています。

  • 旅行取扱額:475億円
  • 従業員数:645人

ジャルパック

JAL系。

国内外旅行の企画・販売を行っています。

  • 旅行取扱額:563億円
  • 従業員数:493人

国内オンライン系

オンライン旅行会社の伸びは大きいものの、新型コロナのダメージは大きいものがあります。

店舗に比較して利益率は高くなっています。

楽天グループ

オンライン旅行会社の国内大手。

国内予約中心の「楽天トラベル」を運営しています。

  • 旅行取扱額:非公開
  • 従業員数:23,841人
  • 平均年齢:34歳

リクルートホールディングス

子会社のリクルートライフスタイルを吸収合併。

国内宿泊予約の「じゃらんネット」、海外旅行比較の「エイビーロード」を展開しています。

  • 旅行事業:538億円
  • 従業員数:46,800人
  • 平均年齢:38歳

Zホールディングス(旧ヤフー)

ポータルの集客の生かして「ヤフートラベル」を運営しています。

直接販売は買収した「一休」で行っています。

  • 従業員数:22,531人
  • 平均年齢:42歳

エアトリ(旧エボラブルアジア)

DeNA傘下の旅行会社。

航空券の予約サイト「エアトリ」を運営しています。

  • 旅行取扱額:747億円
  • 従業員数:1,191人
  • 平均年齢:35歳

旅工房

ネット専業の旅行会社。

海外旅行予約中心のサイト「旅工房」を運営しています。

  • 旅行取扱額:21億円
  • 従業員数:287人
  • 平均年齢:31歳

アドベンチャー

航空券予約中心の旅行商品販売サイト「スカイチケット」を運営しています。

  • 従業員数:365人
  • 平均年齢:34歳

海外オンライン系

新型コロナの影響で海外旅行の見通しは厳しくなっています。

エクスペディア

オンライン旅行会社の世界最大手。

傘下にはホテルズドットコム、ホームアウェイ、トリバゴなど。

ブッキング・ホールディングス

エクスペディアと並ぶオンライン旅行会社大手。

傘下にはブッキングドットコム、アゴダ、カヤックなど。

バス旅行

Go To トラベルキャンペーンを利用した国内旅行の需要を喚起し、近場の観光に力を入れています。

バス会社

  • はとバス
  • WILLER
  • みちのりホールディングス

旅行業界の収入高ランキング

旅行業

順位企業名収入高(百万円)
1エイチ・アイ・エス430,284
2JTB372,112
3日本旅行135,640
4KNT-CTホールディングス87,889
5ジャルパック55,559
6ビッグホリデー43,700
7東武トップツアーズ41,800
8クラブツーリズム20,491
9近畿日本ツーリスト首都圏18,533
10HTB-BCDトラベル10,000
11読売旅行8,860
12名鉄観光サービス8,489

オンライン旅行会社

順位企業名収入高(百万円)
1アドベンチャー49,627
2エアトリ21,241
3旅工房1,654
参考リクルートホールディングス2,269,346
参考Zホールディングス1,205,846
参考楽天グループ657,434

(帝国データバンク『業界動向2022-Ⅰ』より)

旅行業界の採用市場

旅行会社の業務

旅行会社の日常業務は、資格がなくてもできますが、業界内でのキャリアアップには資格取得が必要になってきます。

国内・海外旅行のアウトバウンド業務

アウトバウンド業務では、日本に住んでいる人を対象に日本国内や海外旅行の商品を販売しています。

訪日外国人旅行のインバウンド業務

インバウンド業務では、海外に住んでいる人を対象に、日本への旅行を提供しています。

関連業務

  • 企画業務
    旅行者のニーズを調査し、商品企画を担当
  • 仕入業務
    サプライヤーとの契約、料金決定などを担当
  • オペレーション業務
    実際の予約や海外旅行に必要な旅券や査証などの書類作成などを担当
  • 販売促進業務
    販売支援のための広告宣言やパンフレット、チラシの制作、Webサイトの管理などを担当

旅行業務取扱管理者

旅行業務取扱管理者は旅行会社の支店や営業所に1人以上置くことが法律で定められている国家資格です。

旅行業界でキャリアアップするには早めに取得しておきたい資格です。

受験資格

制限なし

試験科目

  • 国内
    ①旅行業法及びこれに基づく命令
    ②旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
    ③国内旅行実務
  • 総合
    ①②③の科目プラス海外旅行実務
  • 地域限定
    ①②③のうち②航空運賃約款③全国地理及び航空運送関係を除く

合格率

  • 国内:30~40%
  • 総合:10~20%
  • 地域限定:45%程度

取得の難易度

独学でも観光地理などの分野は対応できますが、旅行業法や運賃計算などは実務経験がないと難しいかもしれません。

転職・就職情報

旅行業務取扱管理者は新卒より転職でアピール材料になる資格といえます。

「異業種からの転職」であれば、実務経験がなくても一定の知識はあることを示すことができます。

短期合格のための旅行業務取扱管理者通信講座おすすめスクール
旅行業務取扱管理者の資格を短期間で取得するには、試験に対応した通信講座を上手に活用することをおすすめします。旅行業務取扱管理者の通信講座を厳選してご紹介します。

旅行業界の求人・転職

基本的に旅行業界の採用市場は活発で、関連業界からの転職も目立ちます。

ホテルや航空会社、観光会社などさまざまなキャリアが見られます。

ネット販売を強化するため、店舗スタッフから電話やメールによるコールセンタースタッフを増員する旅行会社が増えています。

新型コロナの影響で業績が悪化した企業では、リストラの動きも見られるようになっています。

旅行・生活関連サービス業の給与

区分20~24歳25~29歳43.8歳(平均)
所定内労働時間166時間164時間166時間
残業5時間6時間6時間
月収216,200円253,600円290,500円
年間賞与等248,900円397,600円547,100円
年収2,843,300円3,440,800円4,033,100円

(厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」より)

20代の転職活動

人材紹介会社のサービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーが転職をサポートしてくれます。

非公開・好条件の求人紹介だけでなく、専任のキャリアアドバイザーによる企業ごとの書類作成面接対策などのサポートで、選考通過率のアップが期待できます。

キャリアごとの転職支援

転職・就職のためのスキルアップ

旅行業界の転職・就職にTOEICテスト対策は欠かせません。

毎日の適切な英語学習で大幅スコアアップも可能です。

TOEICのスコアアップを目的としたプログラムを活用して、効率的に学習することをおすすめします。

TOEIC短期スコアアップにおすすめの通信講座
TOEICテスト対策の教材にはいろいろなものがありますが、短期間に本気でスコアアップを目指す人におすすめのTOEICテスト通信講座をご紹介します。

まとめ

業界内や関連業界での転職が活発な旅行業界。

経験者優遇の傾向があります。

業界で働く若手社員にとって、旅行業務取扱管理者は20代で取得する資格という認識があり、転職だけでなく、キャリアアップにもプラスに働く資格です。

実務経験を重視する業界ですので、資格を取得するだけでなく、どのように活用するかで活躍の場が広がります。

旅行・観光業界で有利なおすすめ資格
旅行・観光業界の転職やキャリアアップでは専門性を証明できる資格や文化・歴史に精通していること、語学力などがアピールになります。
接客業で有利なおすすめ資格
接客業に必須の資格があるわけではありませんが、関連する資格を取得することは接客・接遇のスキルアップにつながります。 接客・接遇に役立つ資格をご紹介します。
転職・就職に役立つ業界天気図一覧(2023年)
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は転職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。2023年度の主要業界天気図を一覧にしました。

 

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