漁業・水産の業界研究


日本の漁業・水産業は生産量、従事者ともに減少傾向が続いています。

世界的に漁業の持続可能性が重視されるようになり、デジタル技術を活用した養殖の高度化や生産性向上など、新たな取り組みが進められています。

漁業・水産業界の転職・就職で押さえておきたい基礎知識、最新動向、関連企業をご紹介します。

漁業・水産業界の最新動向(2022年)

漁業と水産業

漁業とは、営利を目的として水産動植物を捕獲したり、養殖したりする産業です。

水産業は、漁業に加えて、水産加工や流通など周辺産業が含まれます。

新型コロナウイルスの影響により業務用魚介類の需要は激減しましたが、家庭向け冷凍食品などの加工食品は需要が急増しました。

水産業

  • 漁業
  • 養殖業
  • 加工業
  • 卸売業
  • 小売業

漁業の種類

  • 沿岸漁業
  • 沖合漁業
  • 遠洋漁業
  • 内水面漁業

個人の漁業経営

日本の漁業の多くは、個人経営です。

漁業従事者の減少や高齢化が問題となっています。生産性を高めて、安定した所得を確保できることが、世代交代の鍵となりそうです。

日本漁業の悩み

  • 漁村の過疎高齢化
  • 水産資源の減少
  • 水産物の消費量の減少
  • 養殖生産量の減少

漁業協同組合

漁協は個人経営の漁業者を支える事業を行っています。全漁連と県漁連の系統があります。

漁協の主な事業

  • 水産資源の管理
  • 水産に関する経営や技術の指導
  • 組合員に対する物資の供給
  • 組合員の漁獲物・生産物の加工、販売
  • 漁場利用の調整

全漁連

全国漁業協同組合連合会。全国の沿岸漁業協同組合、都道府県漁業協同組合連合会から組織されています。

県漁連

都道府県ごとに設置されています。

全国的に漁協の合併が進められ、県内すべての漁協が合併をした場合には、県漁連は解散しています。

企業の漁業経営

日本の漁業は、企業でも利益を出すことが難しい状況です。

マルハニチロや日本水産、極洋などの大手は漁業・養殖から調達・販売、加工・食品まで一貫して行っています。

マルハニチロ

水産最大手の一部上場企業。冷凍食品においてもトップクラスです。

  • 売上高:8,625億円
  • 従業員数:13,117人
  • 平均年齢:42歳

日本水産

水産老舗の一部上場企業。海外事業を進めています。

  • 売上高:6,564億円
  • 従業員数:9,431人
  • 平均年齢:43歳

極洋

水産大手。漁業や貿易、加工食品に強みがあります。

  • 売上高:2,491億円
  • 従業員数:2,313人
  • 平均年齢:40歳

東洋水産

魚肉ソーセージなど。現在の主力は即席麺。

  • 売上高:4,175億円
  • 従業員数:4,880人
  • 平均年齢:40歳

冷凍食品

  • ニチレイ
  • ヨコレイ

水産卸売り

日本の水産流通は産地市場と消費地市場を経由するのが伝統ですが、小売りや消費者に直接販売するなど、流通の多様化が進んでいます。

  • 産地市場:漁港に設置されている市場
  • 消費地市場(卸売市場):都市に設置されている市場
    ・中央卸売市場
    ・地方卸売市場
    ・その他卸売市場

OUGホールディングス

マルハニチロと業務資本提携。国内最大規模を誇ります。

  • 売上高:2,983億円
  • 従業員数:1,428人
  • 平均年齢:51歳

大水

日本水産系の水産卸。加工品にも力を入れています。

  • 売上高:1,142億円
  • 従業員数:456人
  • 平均年齢:46歳

中央魚類

独立系の水産卸。

  • 売上高:1,876億円
  • 従業員数:772人
  • 平均年齢:44歳

大都魚類

マルハニチロが完全子会社化。

  • 売上高:852億円

東都水産

独立系の水産卸。多角化経営を行っています。

  • 売上高:1,031億円
  • 従業員数:311人
  • 平均年齢:43歳

築地魚市場

独立系の水産卸。冷蔵倉庫事業も展開しています。

  • 売上高:666億円
  • 従業員数:283人
  • 平均年齢:46歳

ニチモウ

水産物の専門商社。

  • 売上高:1,133億円
  • 従業員数:979人
  • 平均年齢:42歳

水産小売り

個人経営の魚屋は全国的に減少傾向です。

水産物はスーパーの鮮魚コーナーなどでの購入が一般的になっています。

中島水産

百貨店スーパーマーケット、ショッピングセンターなどに出店。

  • 売上高:288億円
  • 従業員数:459人

魚力

鮮魚・寿司の小売。寿司店、海鮮居酒屋など飲食店も展開しています。

  • 売上高:320億円
  • 従業員数:497人
  • 平均年齢:42歳

魚喜

鮮魚・寿司の小売。回転寿司の経営も行っています。

  • 売上高:108億円
  • 従業員数:348人

漁業・水産業界の売上高ランキング

水産・水産加工

順位企業名収入高(百万円)
1マルハニチロ862,585
2日本水産615,044
3東洋水産417,511
4極洋249,197
5ニチレイフレッシュ146,025
6マリンフーズ83,699
7はごろもフーズ83,347
8フジッコ57,338
9紀文食品49,101
10なとり44,163
11辻野42,186
12ヤマキ41,965
13西川41,135
14いなば食品37,300
15一正蒲鉾36,047

(帝国データバンク『業界動向2022-Ⅰ』より)

漁業・水産業界の就業者


日本の漁業・水産業は、高齢化が進み、漁業従事者は減少しています。

新規参入よりも廃業の方が多い状況ですが、世代交代がうまくいっているケースもあります。

漁業

漁業を始めるには、親方(個人事業主)になるか、乗り子(雇われ漁業者)になる方法があります。

親方(個人事業主)

親方(個人事業主)として漁業に新規参入するには、まず船に乗り、仕事を覚える必要があります。

親方に弟子入りして、認められれば、独り立ちできる道が見えてきます。

乗り子(雇われ漁業者)

漁業会社に従業員として入社する場合には、一般の転職と同様に募集されている求人に応募することになります。

転職して漁業を始める人の多くは、漁業会社の従業員として就業しています。

水産会社

水産物を市場に提供するために、調達から販売までの事業を行う水産会社では、それぞれの知識や技術を深めて、スペシャリストとして活躍している人が多くいます。

調達

国内外の漁業や養殖、世界各地からの買い付けなどにより、水産物を調達します。

生産・加工

調達した水産物を冷凍食品や缶詰、ソーセージなどの商品に生産・加工を進めます。

販売・営業

調達・生産・加工した商品を小売店や中食外食店などへ販売します。

売り場戦略の提案や市場の開拓なども行います。

まとめ

日本の漁業・水産業は衰退傾向にありますが、世界では養殖を中心に成長しています。

時代に対応して変化をしていくことで、日本の漁業・水産業も再び成長産業になる可能性は十分にあるといえます。

食品会社の業界研究
食品業界は事業所数が製造業のなかで1番多く、就業者数も多い、日本の重要な産業です。食品会社の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。
転職・就職に役立つ業界天気図一覧(2022年)
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は転職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。2022年度の主要業界天気図を一覧にしました。

 

業界研究・業界地図