看護師のキャリアアップと資格取得


看護師の働き方にはいろいろな選択肢があります。多様化と専門化が進むなか、ライフステージに合わせてワークスタイルも変化しています。

自分の理想的な働き方として、20代のうちから看護師としてのキャリアアップ・キャリアデザインを考えてみることが大切になっています。

看護師のキャリアアップ

看護師のキャリアパス

看護師にはスペシャリストやマネジメント、独立まで幅広いキャリアアップの方法やタイプがあります。

①スペシャリストとしてキャリアアップ

専門看護師、認定看護師として資格を取得して、看護師としてのスペシャリストを目指す道です。

②マネジメントとしてキャリアアップ

組織内で病院看護師⇒主任⇒看護師長⇒副看護部長⇒看護部長として昇進、昇格するジェネラリスト、マネジメントの道です。認定看護管理者を目指す人も多くいます。

③新たな専門性を身につける

臨床研究コーディネーターや遺伝カウンセラーなどの新たな資格を取得して、専門職を目指す道です。

④独立・開業する

ケアマネジャーなどの資格を取得して、訪問看護ステーションや小規模多機能介護施設などを開設する道です。

専門看護師

専門看護師になるには、看護系大学院修士課程の修了者で、看護師免許をもち、実務経験5年以上で、認定審査(書類審査・筆記試験)に合格する必要があります。専門看護師の資格はナースのスペシャリストとしての道です。

専門看護師の資格取得

  1. 看護系大学大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していること
  2. 実務研修が通算5年以上あり、うち3年間以上は専門看護分野の実務研修であること
  3. 認定審査(書類審査・筆記試験)

がん看護専門看護師(833人)

がん患者の身体的・精神的な苦痛を理解し、患者やその家族に対してQOL(生活の質)の視点に立った水準の高い看護を提供します。

精神看護専門看護師(316人)

精神疾患患者に対して水準の高い看護を提供する。また、一般病院でも心のケアを行う「リエゾン精神看護」の役割を提供します。

地域看護専門看護師(27人)

産業保健、学校保健、保健行政、在宅ケアのいずれかの領域において水準の高い看護を提供し、地域の保健医療福祉の発展に貢献します。

老人看護専門看護師(144人)

高齢者が入院・入所・利用する施設において、認知症や嚥下障害などをはじめとする複雑な健康問題を持つ高齢者のQOLを向上させるために水準の高い看護を提供します。

小児看護専門看護師(231人)

子どもたちが健やかに成長・発達していけるように療養生活を支援し、他の医療スタッフと連携して水準の高い看護を提供します。

母性看護専門看護師(73人)

女性と母子に対する専門看護を行います。主な役割は、周産期母子援助、女性の健康への援助に分けられます。

慢性疾患看護専門看護師(188人)

生活習慣病の予防や、慢性的な心身の不調とともに生きる人々に対する慢性疾患の管理、健康増進、療養支援などに関する水準の高い看護を行います。

急性・重症患者看護専門看護師(270人)

緊急度や重症度の高い患者に対して集中的な看護を提供し、患者本人とその家族の支援、医療スタッフ間の調整などを行い、最善の医療が提供されるよう支援します。

感染症看護専門看護師(64人)

施設や地域における個人や集団の感染予防と発生時の適切な対策に従事するとともに感染症の患者に対して水準の高い看護を提供します。

家族支援専門看護師(60人)

患者の回復を促進するために家族を支援します。患者を含む家族本来のセルフケア機能を高め、主体的に問題解決できるよう身体的、精神的、社会的に支援し、水準の高い看護を提供します。

在宅看護専門看護師(53人)

在宅で療養する対象者及びその家族が、個々の生活の場で日常生活を送りながら在宅療養を続けることを支援します。また、在宅看護における新たなケアシステムの構築や既存のケアサービスの連携促進を図り、水準の高い看護を提供します。

遺伝看護専門看護師(6人)

対象者の遺伝的課題を見極め、診断・予防・治療に伴う意思決定支援とQOL向上を目指した生涯にわたる療養生活支援を行い、世代を超えて必要な医療・ケアを受けることができる体制の構築とゲノム医療の発展に貢献します。

災害看護専門看護師(14人)

災害の特性をふまえ、限られた人的・物的資源の中でメンタルヘルスを含む適切な看護を提供します。平時から多職種や行政等と連携・協働し、減災・防災体制の構築と災害看護の発展に貢献します。

※人数は日本看護協会「専門看護師分野別登録者数一覧(2018年12月)」より

認定看護師

認定看護師になるには、看護師免許をもち、実務経験5年以上で、認定看護師教育機関(課程)修了後に認定審査(筆記試験)に合格する必要があります。

看護師が専門分野でキャリアアップを考えるときに、認定看護師の資格は大きな目標となっています。

救急看護認定看護師(1,327人)

  • 救急医療現場における病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
  • 災害時における急性期の医療ニーズに対するケア
  • 危機状況にある患者・家族への早期的介入および支援

皮膚・排泄ケア認定看護師(2,542人)

  • 褥瘡などの創傷管理およびストーマ、失禁等の排泄管理
  • 患者・家族の自己管理およびセルフケア支援

集中ケア認定看護師(1,214人)

  • 生命の危機状態にある患者の病態変化を予測した重篤化の予防
  • 廃用症候群などの二次的合併症の予防および回復のための早期リハビリテーションの実施

緩和ケア認定看護師(2,454人)

  • 疼痛、呼吸困難、全身倦怠感、浮腫などの苦痛症状の緩和
  • 患者・家族への喪失と悲嘆のケア

がん化学療法看護認定看護師(1,646人)

  • がん化学療法薬の安全な取り扱いと適切な投与管理
  • 副作用症状の緩和およびセルフケア支援

がん性疼痛看護認定看護師(773人)

  • 痛みの総合的な評価と個別的ケア
  • 薬剤の適切な使用および疼痛緩和

訪問看護認定看護師(651人)

  • 在宅療養者の主体性を尊重したセルフケア支援およびケースマネジメント看護技術の提供と管理

感染管理認定看護師(2,903人)

  • 医療関連感染サーベイランスの実践
  • 各施設の状況の評価と感染予防・管理システムの構築

糖尿病看護認定看護師(910人)

  • 血糖パターンマネジメント、フットケア等の疾病管理および療養生活支援

不妊症看護認定看護師(179人)

  • 生殖医療を受けるカップルへの必要な情報提供および自己決定の支援

新生児集中ケア認定看護師(433人)

  • ハイリスク新生児の病態変化を予測した重篤化の予防
  • 生理学的安定と発育促進のためのケアおよび親子関係形成のための支援

透析看護認定看護師(270人)

  • 安全かつ安楽な透析治療の管理
  • 長期療養生活におけるセルフケア支援および自己決定の支援

手術看護認定看護師(647人)

  • 手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)
  • 周手術期(術前・中・後)における継続看護の実践

乳がん看護認定看護師(372人)

  • 集学的治療を受ける患者のセルフケアおよび自己決定の支援
  • ボディイメージの変容による心理・社会的問題に対する支援

摂食・嚥下障害看護認定看護師(936人)

  • 摂食・嚥下機能の評価および誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の予防
  • 適切かつ安全な摂食・嚥下訓練の選択および実施

小児救急看護認定看護師(267人)

  • 救急時の子どもの病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
  • 育児不安、虐待への対応と子どもと親の権利擁護

認知症看護認定看護師(1,581人)

  • 認知症の各期に応じた療養環境の調整およびケア体制の構築
  • 行動心理症状の緩和・予防

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師(772人)

  • 脳卒中患者の重篤化を予防するためのモニタリングとケア
  • 活動性維持・促進のための早期リハビリテーション
  • 急性期・回復期・維持期における生活再構築のための機能回復支援

がん放射線療法看護認定看護師(323人)

  • がん放射線治療に伴う副作用症状の予防、緩和およびセルフケア支援
  • 安全・安楽な治療環境の提供

慢性呼吸器疾患看護認定看護師(324人)

  • 安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた呼吸器機能の評価及び呼吸管理
  • 呼吸機能維持・向上のための呼吸リハビリテーションの実施
  • 急性増悪予防のためのセルフケア支援

慢性心不全看護認定看護師(436人)

  • 安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた生活調整及びセルフケア支援
  • 心不全増悪因子の評価およびモニタリング

※人数は日本看護協会「認定看護師分野別登録者数一覧(2019年7月)」より

認定看護管理者

認定看護管理者になるには、看護師免許をもち、実務経験5年以上、日本看護協会が定めた要件を満たし、認定審査(書類審査・筆記試験)に合格する必要があります。認定看護管理者の教育課程はファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの3課程です。

多くが副看護部長、看護部長、看護師長、副院長などに就く認定看護管理者はジェネラリスト、マネジメントの道です。

ファーストレベル

  1. 日本国の看護師免許を有する者
  2. 看護師免許を取得後、実務経験が通算5年以上ある者
  3. 管理的業務に関心があり、管理的業務に従事することを期待されている者

セカンドレベル

  • 日本国の看護師免許を有する者
  • 看護師免許を取得後、実務経験が通算5年以上ある者
  • 認定看護管理者教育課程ファーストレベルを修了している者
    または看護部長相当の職位にある者、もしくは副看護部長相当の職位に1年以上就いている者

サードレベル

  • 日本国の看護師免許を有する者
  • 看護師免許を取得後、実務経験が通算5年以上ある者
  • 認定看護管理者教育課程セカンドレベルを修了している者
    または看護部長相当の職位にある者、もしくは副看護部長相当の職位に1年以上就いている者

新たな資格取得

新たな資格を取得して、専門職を目指す看護師も増えています。

臨床研究コーディネーター(CRC)

臨床研究コーディネーターは、専門的立場から医療機関において、治験での被験者・医師・治験依頼者の調整や臨床研究の管理を行う専門職です。主な仕事はインフォームドコンセント、被験者との面談・診察の同席、スケジュール管理、治験データの収集と書類の管理など多岐にわたります。

遺伝カウンセラー

遺伝カウンセラーは遺伝カウンセリング外来などで診療の相談・支援を行う専門職です。医師とは独立した立場で、来談者の相談に対応します。

看護師資格を活かして取得できる資格

看護師の資格に加えて、専門的な資格を取得することで別のキャリアを選択することができます。

助産師

助産師となるには看護師になったあとに1年以上の助産師養成校などを修了して、助産師国家試験に合格する必要があります。

保健師

保健師になるには看護師になったあとに1年以上の保健師養成校などを修了して、保健師国家試験に合格する必要があります。

養護教諭

養護教諭は養護教諭養成課程のある大学で所定の単位を取得して卒業すると養護教諭一種、短期大学や専門学校を卒業すると養護教諭二種の免許を取得できます。保健師養成校のなかには養護教諭免許も同時に取得できるところがあります。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

看護師として5年以上の実務経験で介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格が得られます。7日程度の実務研修を受講後、申請して登録すると介護支援専門員(ケアマネジャー)として認められます。

ケアマネジャーの資格(試験内容・勉強法)
介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得するためには、保健・医療・福祉分野の実務経験が必要となります。介護支援専門員の資格について、試験内容・勉強法をご紹介します。

まとめ

看護師としてこれからのキャリアを考えたとき、自分が進みたいのはどのような方向でどんな道なのか。資格取得から一般企業への転職まで、自分に合った働き方を見つけられれば、看護師としてのキャリアの可能性や活躍の場を広げることができます。

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