多くの社会人が自分磨きやキャリアアップのために大学で学んでいます。
既に社会人として働いている人が、新たに大学で学びたいと考えるのは、資格や免許を取得したり、キャリアアップやスキルアップのために専門知識を身につけたいという理由があります。
仕事を続けながら限られた時間で新たに学びたいと考えたとき、どのような大学に入ればよいでしょうか。
通信制大学や通信教育課程のある大学であれば、自分のペースに合わせて学習することができます。
通信制大学や大学の通信教育課程は、入学資格があれば、書類選考だけで入学できるところが多く、比較的、学習をスタートさせやすいといえるでしょう。
大学への入学資格がない人には、特修生制度を設けている大学もあります。
通信制大学・通信教育課程の学び方
通信制大学・通信教育課程
自宅で学習できる通信教育部を持つ大学は全国に40校程度あります。
テレビ、ラジオ、インターネットで学ぶことができる放送大学もあります。
また通学部でもインターネットを活用して授業を行う大学も増えてきています。
大学や短大を卒業している人は、これから目指したい資格や免許の取得に必要な科目を選択して履修することができます。
卒業するためには、スクーリングに参加することが必要になりますが、それ以外は自宅学習で自分のペースで進めることができます。
仕事との両立もしやすいといえます。
正科生
正科生は大学の正規の課程を履修します。
正科生として入学するには、高校卒業など大学に入学するための資格が必要になります。
多くの大学では、正科生の2年次、3年次への編入学制度を設けていますので、学歴などの資格により卒業までの期間を短縮することができます。
科目等履修生(教職)
教職の科目等履修生は、大学や短大を卒業している人が教員免許を取得するために、必要な教職課程の科目を選択して履修することができます。
保育士や図書館司書、社会福祉士などの資格・免許を取得することもできます。
科目等履修生(教養)
教養の科目等履修生は、知識や教養を身につけることを目的として、どの科目でも自由に選択して学ぶことができます。
入学資格に制限はありませんが、履修しても、単位としては認定されない場合があります。
特修生
特修生は大学の入学資格がない人でも、大学の科目を学ぶことができます。
特修生の入学資格は18歳以上としている大学が多く、正科生の入学資格取得を目的とするものもあります。
その場合、所定の単位を修得するか、大学が実施する認定試験に合格すれば、正科生の1年次に入学することができます。
通信教育の学習方法
通信制大学や大学の通信教育課程では、自宅で学習を進めることができますが、卒業するためには決められたスクーリングに参加しなければなりません。
仕事をしている場合、スクーリングの期間は仕事との調整が必要ということになります。
スクリーニングは多様な社会人学生と交流して、人間関係を築くことができるという魅力があります。
履修科目
正科生の場合には、通学部と同じように、一般教育科目、外国語科目、専門教育科目、教職科目、保健体育課目などから履修科目を選びます。
基本的に通学部と同じレベルで卒業に必要な単位数も変わりません。
授業方法
授業の方法には、教材(テキスト)を使った授業、放送授業、面接授業(スクーリング)、メディアを利用して行う授業があります。
通信教育課程では、大学から指定された教材によるテキスト授業(自宅学習)が主体となります。
一定の単位のテキスト授業が終わると、決められた課題のレポートを作成して、提出します。
レポートをすべて提出して、合格すると、科目ごとに単位修得試験が行われます。
単位修得試験は、大学のキャンパスや全国の主要都市で実施されます。
放送授業は、放送大学によるテレビやラジオ、インターネットを利用した授業方法です。
インターネットを活用して動画配信で講義を行う授業は、通学せずに、メディア授業だけで卒業できる大学もあります。
スクーリング授業
通信教育課程のカリキュラムでは、通常、スクーリング授業が必須になっています。
決められた時期や場所で実施される教室の授業で、卒業に必要な総単位数の4分の1に相当する単位を修得しなければなりません。
昼間のスクーリング授業の多くは、夏期に集中して行われます。
そのほか、主要都市で集中講義を行ったり、土曜日・日曜日に実施される授業もあります。
社会人にも日程調整しやすいように工夫されています。
卒業論文
卒業論文は、テーマを決めて、教員の指導を受けながら作成します。
社会人が多い通信教育課程では、仕事や地域などに関連するものが多いという特徴があるようです。
通信制大学・通信教育課程の選び方
大学に入学する目的
社会人としての経験を経て、大学に入学したいと考える人には、資格や免許を取得したい、キャリアチェンジ・キャリアアップのために専門知識を身につけたいなどの明確な目的があるでしょう。
目的を実現するために一番ふさわしい大学を選ぶことが大切です。
大学で取得可能または受験資格を取得できる資格や免許であっても、すべての通信制大学や通信教育課程に該当するコースが設けられているわけではありません。
通信制大学や通信教育課程では取得できない資格や免許を取得したい場合には、通学が必要となります。
夜間部があれば、仕事と両立することができます。
通信制にも夜間部にも該当するコースがなければ、日中の通学が必要となりますので、仕事と両立することはかなり難しくなります。
勤務先にキャリアアップのための休職制度などがあれば利用して通学することができます。
大学で取得可能または受験資格を取得できる資格・免許
- 各種教員免許
- 幼稚園教諭・保育士
- 福祉系資格(介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士)
- 医療系資格(医師・看護師・薬剤師・歯科衛生士・理学療法士・作業療法士など)
- 栄養系資格(栄養士・管理栄養士)
- 建築・土木系資格(建築士・測量士)
教育分野を学べる大学
- 環太平洋大学
- 淑徳大学
- 東京福祉大学
- 創価大学
- 帝京大学
- 帝京平成大学
- 日本大学
- 東京未来大学
- 人間総合科学大学
- 星槎大学 など
福祉分野を学べる大学
- 東北福祉大学
- 東京福祉大学
- 聖徳大学
- 産業能率大学
- 日本福祉大学
- 星槎大学
- 九州保健福祉大学 など
情報分野を学べる大学
- 北海道情報大学
- 帝京大学
- 産業能率大学
- ビジネス・ブレークスルー大学
- サイバー大学 など
ビジネス分野を学べる大学
- 帝京平成大学
- 産業能率大学
- ビジネス・ブレークスルー大学 など
人間科学分野を学べる大学
- 武蔵野大学
- 産業能率大学
- 淑徳大学
- 聖徳大学
- 東京福祉大学
- 人間総合科学大学 など
幅広い分野を学べる大学
- 早稲田大学
- 慶応義塾大学
- 日本大学
- 中央大学
- 法政大学 など
通信教育課程のある大学(上記以外)
- 玉川大学
- 東洋大学
- 日本女子大学
- 武蔵野美術大学
- 明星大学
- 八洲学園大学
- 中部学院大学
- 愛知産業大学
- 京都造形芸術大学
- 京都橘大学
- 佛教大学
- 大阪学院大学
- 大阪芸術大学
- 近畿大学
- 大手前大学
- 神戸親和女子大学
- 姫路大学
- 奈良大学
- 吉備国際大学 など
大学の情報収集
自分に合った大学を見つけるためには、情報収集が必要です。
大学、短期大学、専門学校、通信制大学、塾・予備校など幅広い学校が掲載されている情報サイトでは、資格や所在地など、希望する条件で学校を検索し て、資料請求、願書請求、オープンキャンパス予約が簡単にできます。
大学の特徴や学部・学科 の詳細、オープンキャンパス情報、出願・入試情報、学費・奨学金情報など学校選びに役立つ情報をまとめて収集できて便利です。
まとめ
通信制大学や通信教育課程では、多くの社会人が仕事を続けながら学んでいます。
4年間で卒業することはできますが、仕事と両立しながら6年程度かけて卒業する人も少なくありません。
社会人が通信制大学や通信教育課程で学び、仕事を続けながら卒業するためには、「取得したい資格・免許がある」、「専門知識を修得してキャリアアップしたい」など明確な目的意識をもつことが大切といえるでしょう。
【参考】
・文部科学省ウェブサイト
・一般社団法人日本私立大学連盟
・日本私立大学協会