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飲料・酒類の業界研究【概要・企業・動向】-転職・就職に

飲料業界では健康志向の清涼飲料やチューハイなどの市場が拡大しています。

伸び悩むカテゴリーなどグループ事業の再編や統合で効率化を進め、収益力を高める動きが広がっています。

経済活動の正常化で需要の増加が期待されますが、ペットボトルや砂糖、コーヒー豆など原材料高騰の影響が懸念材料となっています。

転職・就職で押さえておきたい飲料業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

飲料業界の最新動向(2023年)

飲料業界とは

食品は「食料品製造業」と「飲料・たばこ・飼料製造業」の二部門で構成されています。

飲料は食品のカテゴリーのなかのひとつになります。

飲料業界は大手ビールメーカーが市場をけん引しています。

国内での飲料需要は縮小傾向のため、海外での事業展開を進めて、市場拡大を目指しています。

飲料の種類

  • 清涼飲料
  • 酒類
    ・果実酒
    ・ビール類
    ・清酒
    ・蒸留酒・混成酒
  • 茶・コーヒー
    ・製茶
    ・コーヒー

清涼飲料

清涼飲料はアルコール分1%未満の飲み物で、缶やペットボトル入りのミネラルウォーターや炭酸飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、果汁飲料のほかノンアルコールビールなどを含みます。

健康志向飲料が好調です。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン

国内首位。

コーラーや缶コーヒーで圧倒的な強さがあります。

  • 設立:2001年年6月29日
  • 本社:東京都
  • ブランド:「コカ・コーラ」「ジョージア」「綾鷹」「アクエリアス」など

サントリー食品インターナショナル

国内2位。

利益の7割が海外。

新商品のペットボトルコーヒーが好調です。

  • 本社:東京都
  • 従業員数:23,866人
  • 平均年齢:41歳
  • ブランド:「BOSS」「伊右衛門」「天然水」「ペプシ」など

アサヒ飲料

国内3位。

炭酸水「ウィルキンソン」や乳酸菌飲料「カルピス」などが好調です。

  • 設立:1982年3月30日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:約3,300人
  • ブランド:「ワンダ」「十六茶」「三ツ矢サイダー」「ウィルキンソン」など

キリンビバレッジ

紅茶飲料で圧倒的なシェア。

緑茶も好調です。

  • 設立:1963年4月15日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:3,568人
  • ブランド:「午後の紅茶」「生茶」「ファイア」など

伊藤園

緑茶飲料の最大手。

その他の茶系飲料やコーヒーも伸びています。

  • 設立:1966年8月22日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:8,180人
  • 平均年齢:40歳
  • ブランド:「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」「タリーズコーヒー」など

ダイドーグループホールディングス

販路の8割超が自動販売機。

コーヒー飲料に強みがあります。

  • 設立:1975年1月27日
  • 本社:大阪府
  • 従業員数:4,029人
  • 平均年齢:40歳
  • ブランド:「ダイドーブレンドコーヒー」など

カゴメ

野菜飲料で高いシェア。

  • 設立:1949年
  • 本社:愛知県
  • 従業員数:2,822人
  • 平均年齢:41歳
  • ブランド:「カゴメトマトジュース」「野菜生活100」など

酒類

酒類はアルコール度1%以上の飲料です。

製造方法やアルコール度数等により①発泡性酒類②醸造酒類③蒸留酒類④混成酒類に分類されます。

ビール系飲料の出荷量は減少傾向です。

健康志向の高まりを受けて、糖質オフや糖質セロの商品が人気です。

アサヒグループホールディングス

ビール系飲料出荷量で国内首位。

豪ビール最大手を買収し、事業利益の約5割が海外になりました。

  • 設立:1949年9月1日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:30,020人
  • 平均年齢:46歳
  • ブランド:「スーパードライ」「クリアアサヒ」など

キリンホールディングス

ビール国内2位。発泡酒では1位。

医薬事業など健康領域にも強みがあります。

  • 設立:1907年2月23日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:29,515人
  • 平均年齢:43歳
  • ブランド:「一番搾り」「本麒麟」など

サントリーホールディングス

ビール国内3位。

ウイスキーやワインなど洋酒に強みがあります。

  • 設立:2009年2月16日(創業:1899年)
  • 本社:大阪府
  • 従業員数:40,275人
  • ブランド:「ザ・プレミアム・モルツ」「響」など

サッポロホールディングス

ビール国内4位。

不動産事業が第2の利益柱になっています。

  • 設立:1949年9月1日(創業:1876年)
  • 本社:東京都
  • 従業員数:6,872人
  • 平均年齢:47歳
  • ブランド:「黒ラベル」「エビス」「麦とホップ」など

オリオンビール

野村HDと米投資ファンドが買収。

沖縄で圧倒的なシェアを占めています。

  • 設立:1957年5月18日
  • 本社:沖縄県
  • 従業員数:295人
  • ブランド:「ザ・ドラフト」「サザンスター」など

宝ホールディングス

焼酎国内首位。

子会社に宝酒造があります。

  • 設立:1925年9月6日
  • 本社:京都府
  • 従業員数:4,934人
  • 平均年齢:49歳
  • ブランド:「焼酎ハイボール」「澪」など

オエノンホールディングス

焼酎・清酒大手。

子会社に合同酒精があります。

  • 設立:1924年10月31日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:879人
  • 平均年齢:49歳
  • ブランド:「鍛高譚」「すごむぎ」

国内焼酎・清酒メーカー

  • 霧島酒造
  • 三和酒類
  • 旭酒造
  • 白鶴酒造
  • 月桂冠
  • チョーヤ梅酒
  • 大関
  • 日本盛
  • 菊正宗酒造

世界のビール大手

  • アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)
  • ハイネケン(オランダ)
  • カールスバーグ(デンマーク)
  • 華潤ビール(中国)
  • モルソン・クアーズ(米国)

飲料業界の売上高ランキング

飲料製造

順位企業名売上高
(百万円)
1サントリー食品インターナショナル1,268,917
2コカ・コーラボトラーズジャパン780,366
3アサヒ飲料470,353
4伊藤園466,281
5キリンビバレッジ271,281
6カゴメ189,652
7ダイドーグループホールディングス162,602
8ユーシーシー上島珈琲97,621
9味の素AGF85,263
10ポッカサッポロフード&ビバレッジ75,283
11キーコーヒー55,680
12北海道コカ・コーラボトリング51,998
13ゴールドパック48,800
14サントリープロダクツ48,392
15日本キャンパック32,823
16ニッセー20,541
17えひめ飲料16,052
18ハウスウェルネスフーズ13,865
参考大塚ホールディングス1,498,276
参考コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス785,837

酒類製造

順位企業名売上高
(百万円)
1サントリーホールディングス2,559,223
2アサヒグループホールディングス2,236,076
3キリンホールディングス1,821,570
4サッポロホールディングス437,159
5宝ホールディングス300,918
6オエノンホールディングス78,618
1アサヒビール725,132
2麒麟麦酒678,566
3サントリー297,902
4サッポロビール225,452
5宝酒造119,710
6霧島酒造58,437
7合同酒精52,485
8メルシャン48,672
9ニッカウヰスキー44,305
10三和酒類42,710
11白鶴酒造27,319
12キリンディスティラリー22,800
参考サントリービール196,125
参考サントリーワインインターナショナル23,653

(帝国データバンク『業界動向2023-Ⅰ』より)

飲料業界の採用市場

飲料メーカーの業務

飲料メーカーの業務は、商品開発から製造、品質管理、営業などさまざまな部門で重要な役割を担っています。

研究開発

国内市場の縮小傾向から、メーカー各社は積極的に新商品の開発に取り組んでいます。

この仕事には、高度は専門知識や技術だけでなく、新しい商品を生み出す探求心も求められます。

生産技術

商品を製造するための工程設計、生産性検討、設備計画、生産性指標の検証、食品加工技術開発などの仕事があります。

工場など現場担当者とのコミュニケーションも重要です。

マーケティング

市場の開発、拡大に関わる業務です。

消費者の好みや流行を敏感に取り入れ、商品開発を行います。

市場調査、商品企画・開発、試作、マーケティングプラン、市場投入、検証などの仕事があります。

購買・調達

商品を製造するために食材などの原材料を調達します。

必要な原料を適切な価格で、適切な納期に必要な量を入手することが求められます。

信頼関係を構築するコミュニケーション力や条件を交渉する力が必要となります。

製造

商品の製造は工場で行われます。

飲料メーカーの工場は自動化が進んでいて、製造工程のデータを理解し、対応する能力が求められます。

生産・品質管理

生産管理は高品質で安全な商品を経済的に生産するための管理を、品質管理は商品の安全性、栄養機能、飲みやすさなどを経済的に実現するための管理を行います。

衛生管理や食品衛生などの知識も必要となります。

営業・販促

飲料メーカーの営業で代表的なものは、卸会社への営業、スーパーやコンビニ、百貨店などの小売店への営業、レストランなど外食産業への営業などがあります。

自社商品を多く置いてもらう提案力や条件の交渉力が必要となります。

飲料メーカーの求人・転職

飲料業界では、自動販売機の運営を担う人材が慢性的に不足しています。

海外事業を強化する動きも続いています。

飲料製造業の給与

区分20~24歳25~29歳42.8歳
(平均)
所定内労働時間167時間166時間165時間
残業14時間14時間13時間
月収226,600円254,700円306,800円
年間賞与等511,400円689,900円839,400円
年収3,230,600円3,746,300円4,521,000円

(厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より)

飲料業界の転職活動

エージェントサービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーのサポートを受けることができます。

非公開・独自案件の求人紹介だけでなく、書類作成や面接対策のアドバイスなどで選考通過率のアップが期待できます。

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まとめ

飲料メーカーは、転職・就職おいて高い人気があります。

激しい競争を続ける飲料業界は、今後も業界内の提携や再編の動きに注目が集まります。

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【参考】
・総務省「日本標準産業分類」
・厚生労働省ウェブサイト
・一般社団法人全国清涼飲料連合会
・ビール酒造組合
・日本経済新聞出版『日経業界地図2023年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2023年版』

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