三菱グループは、三菱財閥の流れをくむ企業グループです。
三菱財閥を母体として戦後に再編され、現在まで圧倒的なブランド力を誇る企業グループとして存在しています。
三菱グループの企業(2021年)
三菱財閥とは
三菱の起源は、1870(明治3)年に土佐藩出身の岩崎弥太郎が海運事業を興したことに始まります。
事業は関連業種に多角化され、戦前の有力財閥として、三菱財閥は三井、住友とともに三大財閥と呼ばれるまでに発展しました。
戦後は解体され、各社はそれぞれに独立した企業となりますが、三菱グループは、組織を重んじ、固い結束で知られています。
三菱財閥の歴史
- 1870年:岩崎弥太郎が九十九商会として海運事業を開業
- 1872年:九十九商会を三川商会と改称
- 1873年:三川商会を三菱商会と改称
- 1874年:三菱商会を三菱蒸汽船会社と改称
- 1875年:三菱蒸汽船会社を郵便汽船三菱会社と改称
- 1885年:弥太郎が死去し、弟の弥之助が二代目社長に就任
- 1885年:郵便汽船三菱会社と共同運輸会社が合併し、日本郵船会社を設立
- 1886年:三菱社を設立
- 1893年:三菱社を三菱合資会社に改組し、岩崎久弥が三代目社長に就任
- 1916年:岩崎小弥太が四代目社長に就任
- 1917年:三菱造船(現・三菱重工業)、日本光学工業(現・ニコン)を設立
- 1918年:三菱商事、三菱鉱業(現・三菱マテリアル)、江戸川バリウム工業所(現・三菱ガス化学)を設立
- 1919年:三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)を設立
- 1921年:三菱電機を設立
- 1927年:三菱信託(現・三菱UFJ信託銀行)を設立
- 1931年:三菱石油(現・JXホールディングス)を設立
- 1934年:日本タール工業(現・三菱ケミカル)を設立
- 1935年:化工機製作(現・三菱化工機)を設立
- 1937年:三菱合資会社を株式会社三菱社に改組
- 1943年:三菱社を三菱本社と改称
- 1945年:三菱本社の解散が決定
三菱金曜会
三菱金曜会は、三菱系列の会長、社長を会員とする親睦会です。
三菱グループの社長会「金曜会」に参加している企業が三菱グループの主要企業といえます。
三菱金曜会の創設時は、三菱本社の流れをくむ企業で構成されていましたが、現在では、三菱本社から分かれた企業ではない東京海上日動火災保険、明治安田生命保険、キリンホールディングスなど、三菱財閥と深いかかわりがあった有力企業も加入するようになっています。
三菱広報委員会の加盟会社
- 三菱UFJ銀行
- 三菱商事
- 三菱重工業
- アストモスエネルギー
- AGC
- ENEOSホールディングス
- キリンホールディングス
- 大日本塗料
- 東京海上日動火災保険
- ニコン
- 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ
- 日本郵船
- ピーエス三菱
- 三菱アルミニウム
- 三菱化工機
- 三菱ガス化学
- 三菱ケミカルホールディングス
- 三菱鉱石輸送
- 三菱地所
- 三菱自動車工業
- 三菱食品
- 三菱スペース・ソフトウエア
- 三菱製鋼
- 三菱製紙
- 三菱倉庫
- 三菱総合研究所
- 三菱電機
- 三菱ふそうトラック・バス
- 三菱プレシジョン
- 三菱マテリアル
- 三菱UFJ証券ホールディングス
- 三菱UFJ信託銀行
- 明治安田生命保険相互会社
- ローソン
三菱御三家
三菱グループの有力三社は「三菱御三家」と呼ばれています。
三菱UFJ銀行
日本最大のメガバンクです。
1919年に三菱銀行として設立され、1996年に東京銀行と合併。
2006年にはUFJ銀行と合併し、三菱東京UFJ銀行となり、2018年に三菱UFJ銀行へ社名変更しました。
- 従業員数:30,554人
- 平均年齢:38歳
三菱商事
総合商社の最大手です。
1918年に三菱合資会社営業部を分離して設立されました。
原料炭やLNGなどの資源事業と食料や機械など非資源事業の両方に強みがあります。
- 売上高:12兆8,845億円
- 従業員数:82,997人
- 平均年齢:43歳
三菱重工業
総合重機のトップです。
1917年に三菱合資会社から分離され、三菱造船として設立されたことに始まります。
その後、多角化し、三菱電機や三菱自動車、三菱航空機を設立しました。
- 売上高:3兆6,999億円
- 従業員数:79,974人
- 平均年齢:41歳
金融・保険
三菱御三家のひとつである三菱UFJ銀行は、株式を上場しておらず、三菱UFJフィナンシャル・グループが金融持株会社として上場しています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ
国内最大の資産規模をもつ金融グループです。
- 総資産:359兆円
- 従業員数:137,997人
- 平均年齢:41歳
機械・電機
三菱重工業は日本最大の重工業会社です。
事業・部門を分離して子会社にするなど、多角化を進めました。
三菱電機
総合電機大手。
1921年に三菱造船(現・三菱重工業)神戸造船所の電気部門を分離して設立されました。
法人向けに強みがあります。
- 売上高:4兆1,914億円
- 従業員数:145,653人
- 平均年齢:40歳
三菱自動車
三菱重工業の自動車製造部門を分離して設立されました。
燃費データ改ざん発覚の2016年以降、日産自動車の出資を受け、経営再建を目指しています。
- 売上高:1兆4,554億円
- 従業員数:30,091人
- 平均年齢:41歳
三菱化工機
化学機械メーカー。
1935年に三菱各社の共同出資により化工機製作株式会社として設立されました。
- 売上高:487億円
- 従業員数:576人
化学・素材
1918年に三菱合資から鉱山部と炭坑部を分離して、三菱鉱業が設立されました。
鉱山事業は造船事業とともに、三菱財閥の経営を拡大してきました。
三菱マテリアル
非鉄金属大手。
1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが合併し、三菱マテリアルとなりました。
- 売上高:1兆4,851億円
- 従業員数:27,162人
- 平均年齢:42歳
三菱ケミカル
三菱ケミカルホールディングスの中核企業です。
2017年に三菱化学、三菱レイヨン、三菱樹脂が合併し、三菱ケミカルとなりました。
- 従業員数:42,660人
三菱製鋼
三菱造船長崎造船所が設立した長崎製鋼所が分離され、1942年に三菱製鋼として設立されました。
- 売上高:978億円
- 従業員数:4,163人
- 平均年齢:42歳
三菱製紙
国内6位の製紙会社です。
国内需要が縮小するなか、業界再編が加速し、2019年に王子ホールディングスの持ち分法適用会社になっています。
- 売上高:1,623億円
- 従業員数:3,579人
- 平均年齢:47歳
三菱ガス化学
1971年に三菱江戸川化学と日本瓦斯化学工業が合併して誕生した化学メーカーです。
- 売上高:5,957億円
- 従業員数:2,427人
建設・不動産
明治政府は丸の内の陸軍用地を三菱財閥に払い下げました。
三菱は丸の内の広大な土地に、近代的なビル街を建設し、三菱各社が入居しています。
三菱地所
三菱財閥から丸の内一体の不動産を継承し、高度経済成長期には、地域開発や住宅建設にも進出しました。
- 売上高:1兆2,075億円
- 従業員数:9,982人
- 平均年齢:41歳
ピーエス三菱
コンクリート事業をルーツとする建設会社です。
- 売上高:1,172億円
- 従業員数:1,701人
- 平均年齢:44歳
運輸・エネルギー
海運業は三菱財閥の起点となる事業です。
海運業から関連業種に多角化を進めていきました。
日本郵船
海運業の国内トップ。
三菱グループ発祥の企業です。
海運だけでなく、陸運・空運にも強みがあります。
- 売上高:1兆6,084億円
- 従業員数:35,057人
- 平均年齢:40歳
三菱倉庫
倉庫業界大手。
海運業からスタートした三菱では、創業時から倉庫事業を行ってきました。
- 売上高:2,137億円
- 従業員数:4,598人
- 平均年齢:40歳
ENEOSホールディングス(旧JXTGホールディングス)
石油元売り最大手。
三菱石油が日本石油に合併され日石三菱となり、さらに新日鉱ホールディングスが経営統合してJXホールディングス、2017年には東燃ゼネラル石油と経営統合してJXTGホールディングス、2020年からENEOSホールディングスに。
- 売上高:7兆6,580億円
- 従業員数:40,753人
- 平均年齢:43歳
20代・第二新卒の採用市場
20代の転職市場は活発です。
転職市場には「第二新卒」という新卒で入社してから3年程度までの求職者の市場もあります。
新卒採用だけでなく、中途採用、通年採用に積極的な企業が増え、20代の若手にもチャンスが広がっています。
20代・第二新卒の転職支援
20代の採用市場に強い転職支援サービスを利用すると、採用選考に有利な転職サポートを無料で受けることができます。
適性・適職などのアドバイスから優良企業の求人紹介、応募書類の添削、面接対策などのサポートを受けられますので、選考通過率アップの可能性が高くなります。
転職支援サービスのメリット
- 非公開・独自案件の求人紹介
- 業界や職種に精通したキャリアコンサルタント
- 企業ごとの書類作成・面接対策 など
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まとめ
三菱財閥から再編された三菱グループは、代表的な企業グループとして、現在に至っています。
三菱グループの企業や歴史を知ることは、企業グループの特徴や文化を理解することに役立つでしょう。
参考:三菱グループサイト

