化学メーカーの転職業界研究


化学業界は自動車業界と並ぶ市場規模ですが、化学業界は定義や全体像がわかりにくいといわれます。化学業界では、就職人気が高い化粧品や洗剤、医薬品などの消費財メーカーだけでなく、幅広く多彩な製品を幅広く提供しています。

化学業界の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、業績ランキング、採用市場をご紹介します。

化学業界の最新動向(2019年)

化学業界とは

化学工業は、標準産業分類では「化学肥料」「無機化学工業製品」「有機化学工業製品」「化学繊維」「油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料」「医薬品」「化粧品・歯磨・その他の化粧用調製品」「その他の化学工業」に分類されています。

総合化学メーカーは基礎化学品を生産するほか、二次処理した誘導品、さらに機能性材料などを手掛け、中堅化学では基礎化学品や誘導品を原料として、合成樹脂や各種の機能材料を生産しています。

化学会社には素材メーカーから最終製品メーカーまであり、多種多様の会社が存在します。業種や製品の種類が多い化学業界は規模も大きく、収益性も高くなっています。

化学業界の原料から製品

  • 原料:石油、LPG、天然ガス、動植物油脂、空気・水、食塩、リン鉱石など
  • 基礎化学品:エチレン、ベンゼン、硫酸、苛性ソーダ、アンモニア、塩素など
  • 中間化学品:有機化学品、合成樹脂、合成ゴム、合成繊維、界面活性剤など
  • 最終化学品:樹脂ゴム成形品、塗料・接着剤、タイヤ、医薬品、化粧品、洗剤など

総合化学メーカー

総合化学メーカーでは、付加価値の高い高機能性素材・材料分野を強化する動きが見られます。

三菱ケミカル

三菱ケミカルは三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨンの3社が合併して、2017年に設立された国内最大の総合化学メーカーです。高機能材強化へ組織再編を進めています。

  • 従業員数:69,230人
  • 平均年齢:46歳

住友化学

住友化学は住友グループの大手総合化学メーカーです。グローバルカンパニーとして海外拠点の充実に注力してきました。石油化学のグローバルな事業展開と強化を軸に、ライフサイエンス、情報電子分野に資源を投入し、成長を加速させています。

  • 従業員数:31,837人
  • 平均年齢:40歳

三井化学

三井化学は三井グループの総合化学メーカーです。石油化学の比率が高く、ペットボトルの原料であるPETペレットやポリエチレン、ポリプロピレンの触媒など日常品の様々な原材料を市場に供給しています。

  • 従業員数:17,277人
  • 平均年齢:42歳

旭化成

旭化成は化学、繊維、住宅、建材、エレクトロニクス、医薬品、医療等の事業を行う各種事業会社を統括する事業持株会社です。住宅、医療分野で高収益を上げています。

  • 従業員数:34,670人
  • 平均年齢:43歳

東ソー

東ソーは「ビニル・イソシアネート・チェーン」事業に加え、石油化学事業や機能商品事業を柱として事業展開を行っています。強みの分野を軸として、複合的に発展することを目指しています。

  • 従業員数:12,595人
  • 平均年齢:39歳

昭和電工

昭和電工は総合化学メーカーとして成長してきましたが、総合化学から個性派化学会社への転換を打ち出し、無機化学系製品を中心とした事業へシフトしています。

  • 従業員数:10,864人
  • 平均年齢:40歳

機能性化学メーカー

化学メーカー各社は、世界的な需要拡大で中長期的な成長が続く見込みです。

花王

花王は石けんから販売からスタートした化学メーカーです。家庭用品事業、化粧品事業、工業製品事業を展開。国内だけでなく、世界の化粧品・トイレタリー企業のシェアランキングでも上位です。原料からの一貫生産と物流・販売システムに強みがあります。

  • 従業員数:33,560人
  • 平均年齢:41歳

カネカ

カネカは前身の鐘淵紡績の非繊維事業が独立した化学メーカーです。化成品、機能性樹脂、発泡樹脂、食品、ライフサイエンス、エレクトロニクス、合成繊維、医療機器事業を展開しています。

  • 従業員数:10,234人
  • 平均年齢:40歳

JSR

JSRは合成ゴムのトップメーカーです。多角化事業の成長に注力し、先進化学企業としてさらなる成長を目指しています。

  • 従業員数:7,203人
  • 平均年齢:38歳

信越化学工業

信越化学工業は半導体シリコン、塩ビ樹脂で世界最大のメーカーです。世界各地に工場を持ち、先進的なユーザーと取り引きをすることで、世界トップメーカーとしての優位性を保っています。

  • 従業員数:20,155人
  • 平均年齢:42歳

日立化成

日立製作所の化学部門が独立した日立グループの化学メーカーです。エレクトロニクス関連や機能性材料関連の製品の種類が多いのが特徴です。海外市場の開拓にも力を入れています。

  • 従業員数:22,623人
  • 平均年齢:42歳

その他の主な化学メーカー

  • 宇部興産:ナイロン原料大手
  • 三菱ガス化学:芳香族化学品など
  • クラレ:高機能樹脂と各種フィルム
  • ダイセル:セルロース事業
  • デンカ:合成ゴム、樹脂
  • 日本触媒:基礎化学品と機能性材料
  • トクヤマ:半導体用シリコンの大手
  • 日本ゼオン:タイヤ用合成ゴム
  • ADEKA:樹脂添加剤、光熱硬化材料、界面活性剤など
  • 日産化学:液晶配向膜、半導体材料、農薬、医薬品

石油化学

石油化学工業は、化学産業全体を大きく成長させましたが、化学業界における石油化学への利益依存度は低下しています。収益面での依存度は4割を切っています。医薬や農薬関連など収益性の高い事業の強化に向け、国内外でM&Aを積極化する動きがあります。

石油元売り系

  • JXTGホールディングス
  • 出光興産
  • コスモエネルギーホールディングス
  • 昭和シェル石油
  • 太陽石油
  • 富士石油

石油開発

  • 国際石油開発帝石
  • 石油資源開発
  • 三井石油開発

化学品製造業の業績ランキング

売上高

順位 企業名 年商(百万円)
1 JXTGエネルギー 9,408,497
2 出光興産 2,746,981
3 コスモ石油 2,092,630
4 昭和シェル石油 1,908,970
5 三菱ケミカル 1,227,020
6 花王 919,844
7 信越化学工業 733,449
8 住友化学 708,362
9 三井化学 676,037
10 太陽石油 665,088
11 武田薬品工業 659,462
12 第一三共 630,954
13 旭化成 621,875
14 アステラス製薬 613,657
15 東レ 591,664
16 東ソー 585,195
17 富士フイルム 538,345
18 大塚製薬 531,217
19 中外製薬 526,052
20 昭和電工 524,708
21 日東電工 519,000
22 西部石油 431,761
23 富士石油 416,857
24 田辺三菱製薬 414,957
25 大阪国際石油精製 380,478
26 日立化成 374,352
27 三菱瓦斯化学 364,433
28 丸善石油化学 357,071
29 ギリアド・サイエンシズ 350,000
30 日亜化学工業 335,538
31 エーザイ 334,051
32 塩野義製薬 315,941
33 MSD 315,315
34 宇部興産 315,241
35 カネカ 293,016
36 ライオン 264,280
37 小野薬品工業 260,223
38 ノバルティスファーマ 257,565
39 千葉ケミカル製造有限責任事業組合 252,000
40 大日本住友製薬 251,101
41 バイエル薬品 249,532
42 アストラゼネカ 249,273
43 日本イーライリリー 246,413
44 クラレ 242,657
45 JSR 240,576
46 ダイセル 239,638
47 デンカ 237,833
48 プライムポリマー 234,778
49 DIC 232,045
50 日本触媒 226,887

純利益

順位 企業名 純利益(千円)
1 JXTGエネルギー 312,512,000
2 アステラス製薬 296,818,000
3 武田薬品工業 187,004,000
4 花王 132,530,000
5 信越化学工業 96,943,000
6 出光興産 91,270,000
7 塩野義製薬 89,135,000
8 大塚製薬 88,087,000
9 旭化成 84,284,000
10 第一三共 83,729,000
11 東ソー 79,455,000
12 東レ 78,902,000
13 日東電工 75,434,000
14 田辺三菱製薬 73,755,000
15 中外製薬 69,723,000
16 富士フイルム 64,177,000
17 三菱ケミカル 57,983,000
18 住友化学 55,842,000
19 日亜化学工業 48,882,000
20 昭和シェル石油 48,092,000

営業利益率

順位 企業名 営業利益率
1 オゾ化学技研 37.8
2 塩野義製薬 37.0
3 ノックス 35.0
4 アンターク本舗 34.1
5 旭化学工業 31.6
6 ジュポンインターナショナル 31.0
7 大日本住友製薬 29.7
8 ビオフェルミン製薬 29.4
9 アクト 29.0
10 科研製薬 28.3
11 扶桑化学工業 26.9
12 東京ディップ 26.7
13 マルホ 25.5
14 トリケミカル研究所 24.8
15 メック 23.8
16 池田模範堂 23.2
16 アジアリチウム 23.2
18 リングスター 22.7
19 荒川樹脂 22.6
20 田辺三菱製薬 21.8

(帝国データバンク『全国企業あれこれランキング2019』より)

化学業界の採用市場

化学業界の求人・転職

研究、開発、品質管理、品質保証、技術営業、分析・評価など化学系エンジニアの求人は高い水準で推移しています。研究・開発職は非公開求人として募集されることがほとんどです。営業の採用を理系出身者にしている企業もありますので、転職エージェントを活用するなど、情報収集が不可欠です。

化学業界の給与

区分 20~24歳 25~29歳 41.6歳(平均)
所定内労働時間 160時間 160時間 160時間
残業 14時間 17時間 13時間
月収 237,800円 290,400円 379,100円
年間賞与等 604,000円 930,100円 1,419,000円
年収 3,457,600円 4,414,900円 5,968,200円

(厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」より)

化学業界の主な職種

化学業界ではテーマごとの基礎研究を行い、応用・開発研究で製品化に向けた取り組みをします。営業と技術営業は電子部品メーカーや食品メーカー、医薬品メーカーなどから自社製品の受注を獲得し、商品開発と生産技術が生産方法を検討し、ラインを確保します。

研究

  • 基礎研究
  • 応用研究
  • 開発・工業化研究

開発・設計

  • 商品開発
  • 生産技術

生産・調達

  • 製造・生産
  • 品質管理・品質保証
  • 購買・物流

営業・販促

  • 営業
  • 技術営業・企画

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まとめ

化学業界は業種として大手企業の割合が高く、待遇など制度面が整備されています。各種研修制度やキャリアアップのための支援にも力を入れています。

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