キャリアパスとは

キーワード解説

キャリアパス

キャリアパス(Career Path)とは、企業などにおける昇進・昇格等のルートのことです。

ある職位・役割に就くまでに必要な経験や職務の展望を示すものです。

どのような仕事をどれくらいの期間担当し、どのようなスキルを身につけて、どのレベルに達すれば、どのポストに就けるのか、昇進の経路や順序、計画を指します。

キャリアパスは人事異動、人事評価、教育訓練、能力開発などの複数の制度と連携して実施されます。

入社後のキャリアパスが明確であれば、配置や昇進・昇格と従業員個々人の人生設計を結びつけて選択しやすくなります。

従業員の能力を最大限に活かすために、企業には多様な昇進パターンを提供できるようにしておくことが求められます。

キャリア

「キャリア」とは、一般的に過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指しています。

「職務経歴」や「職業生涯」などと訳されます。

人事異動

人事異動は従業員の職種や職務、勤務地などを変更することです。

人事異動には大きく分けて、社内異動の配置転換・転勤と社外異動の出向転籍があります。

人事異動をきっかけとして昇進・昇格が行われることもあります。

配置転換

配置転換は社内で職種や職務、部署、勤務地などを変更することです。

人事評価などによる従業員の能力や成果を総合的に判断し、適正な人員配置のために行われます。

配置転換は正当な理由があれば拒否できる場合もありますが、一般的には就業規則労働契約のなかで、配置転換を受け入れることに合意していると考えられています。

勤務地の変更を伴う配置転換は転勤になります。

一般的な正社員の新卒採用や中途採用では転勤の可能性があることを前提として採用が行われてきましたが、勤務地を限定した正社員(地域限定正社員)の採用も増えています。

現地採用やパートタイマーなど採用時に勤務地が限定されている場合は、従業員本人の同意がない転勤命令は無効とされます。

昇進・昇格

「昇進」は組織で役職などのポジションが上がることです。

「昇格」は資格などの等級が上がることです。

反対にポジションや等級が下がるのは「降格」です。

昇進・昇格の基準

昇進・昇格は人事権の行使として企業の裁量で決定されます。

能力や役割によって区分したレベルに基づき、処遇されている場合、レベルごとに求められる要件が明確になっていることが重要です。

上位のレベルに進むためには、レベルの要件を満たし、一定の条件をクリアすることが必要となります。

  • 人事評価の基準をクリアしていること
  • 上位レベルの基準を満たしていること
  • 最短のモデル年数 など

ジョブローテーション

ジョブローテーションは、単なる配置転換ではなく、従業員の能力開発を目的として、人材育成計画に基づいた人事異動や職務変更を行うことです。

ジョブローテーションは日本企業における人材育成の手法として、広く取り入れられています。

若手社員に活用する場合には、比較的短い期間で多くの業務を経験させ、幹部候補となる人材の育成では、数年単位での実施となることがあります。

グループ企業への出向という形をとることもあります。

ジョブローテーションはゼネラリストの育成に有効ですが、スペシャリストの育成は困難となる可能性があります。

また、ジョブローテーションが従業員の希望するキャリアパスや専門分野と異なる場合、異動によってモチベーション・ダウンや離職につながるリスクもあります。

社内公募制度

企業側と従業員側のキャリアパスの希望が異なる場合、離職を防ぐ施策として「社内公募制度」や「社内FA制度」などの制度を導入する企業も増えています。

社内公募制度は、異動や退職による欠員や新規事業の要員などを、社内から募集して、選定する制度です。

社内FA制度は、従業員が自らのキャリアやスキルに基づき、希望する部門などを登録する制度です。

応募には、上司の同意を必要とするものと、必要としないものがあります。

同意を必要としないものの方が、制度の本来の趣旨に沿うものといえます。

上司の同意を必要としない場合は、人事部門や募集部門に直接応募します。

専門職のキャリアパス

専門職などでは、スキルの維持・向上のために独自の研修や認定資格などを設けています。

参考:厚生労働省ウェブサイト「人材開発」

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  • キャリアパスが明確になっていると、自分のキャリア形成に主体性と責任をもつことができる
  • キャリアパスは自己啓発の大きな動機づけになる
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