キーワード解説
地域限定正社員とは
地域限定正社員とは、勤務地を限定した条件で雇用された正社員のことです。雇用形態のひとつとして、転勤するエリアが限定されていたり、転居を伴う転勤がなかったり、あるいは転勤が一切ない条件の正社員のことを意味しています。
「地域限定正社員」は「勤務地限定正社員」「エリア総合職」「エリア限定正社員」などとも呼ばれます。
地元に定着した就業や地域のニーズにあったサービスの提供が可能になる働き方です。また育児や介護などの事情により転勤が難しい場合でも、離職せず、働き続けることができます。
小売業や飲食業などのような業種では、パートタイマーやアルバイトなどの有期労働契約社員が多く、無期労働契約に転換したあとの雇用管理が課題になっています。今後、有期労働契約からの転換の受け皿として、勤務地を限定した地域限定正社員が増えることが見込まれています。
勤務地だけでなく、職務を限定して雇用することも考えられます。専門的な技術や知識を活かしてスペシャリストとして働くには「職務限定正社員」として受け入れることが考えられます。
勤務時間を限定した働き方であれば、「勤務時間限定正社員」として雇用することができます。
多様な正社員の制度を設けることは、選択肢を広げることになり、企業が人材を確保し、定着させる効果が期待できます。
地域限定正社員の新卒採用
就職のときに、転勤があるかどうかを気にする人が増えています。全国展開している会社でも、転勤のない勤務地限定という制度を用意して、転勤が困難になるような事情が発生したときに、選択・転換できるとしているケースがあります。
地域限定正社員の中途採用
地域限定正社員の中途採用では、募集の段階でコースを限定しているケースが一般的です。地方で安定した生活基盤を築くことを希望する人が安心して就業することができます。
地域限定正社員の勤務地
- 勤務地を一定地域内に限定する
- 勤務地を通勤圏内に限定する
- 勤務地を特定の事業所に限定する
地域限定正社員の賃金
限定なしの正社員と職務内容が変わらず、転勤をしない限定なしの正社員がいるのであれば、限定なしの正社員と地域限定正社員の大きな賃金格差は公平なものとはいえません。
地域限定正社員の昇進
職務の範囲や経験による影響が少ない場合には、限定なしの正社員と地域限定正社員の昇進における差を小さく設定することが望ましいといえます。
事業所の閉鎖
地域限定正社員が勤務する事業所を閉鎖する場合、この社員の扱いが問題になります。限定なしの正社員の場合は、他の事業所で転勤となるケースがほとんどです。地域限定正社員についても、他の事業所への転勤について、同意が得られるよう協議をするなど解雇を回避する努力が求められます。

