パートタイマー・アルバイトと正社員の待遇


パートタイマーやアルバイトなどパートタイム従業員は企業にとって欠かせない存在です。

なかには正社員と同じような業務をしている人もいるでしょう。

そのようなパートタイム従業員と正社員の待遇格差が長年問題となっています。

パートやアルバイト(フリーター)などの非正規雇用と正社員の労働条件については、不合理な待遇差別を禁止する「パートタイム・有期雇用労働法」が施行されています。

パートタイム従業員は働き方に応じて、正社員と同様の扱いが求められるようになっています。

パートタイマー・アルバイトの基礎知識

パートタイム従業員とは

パートタイム従業員とは、「1週間の所定労働時間が、同一の事業所に雇用される通常の従業員の1週間の所定労働時間に比べて短い従業員」のことです。

1週間の所定労働時間が正社員(無期雇用フルタイム)より短い場合は、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託社員」「臨時社員」「契約社員」など、企業により呼び方は異なっても、法律的にはすべてパートタイム従業員の扱いとなります。

雇用期間に定めがある(有期雇用)かない(無期雇用)かにかかわらず、正社員より勤務時間が短い正社員以外の人がパートタイム従業員に該当します。

パートタイム従業員も、労働者のためのさまざまな規定について、正社員と同様に扱われます。

賃金休日・休暇退職解雇などの規定はもちろん、一定の要件を満たす場合には、育児介護休業法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法が適用されます。

その他の正社員以外の従業員

パートタイム従業員ではありませんが、1週間の所定労働時間が正社員と同じか長い正社員以外の雇用形態で働いているアルバイト(フリーター)の人もいます。

不合理な待遇差の禁止

同一企業内において、正社員とパートタイム従業員・有期契約社員との間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることは禁止されています。

同一労働同一賃金

パートタイマーやアルバイト(フリーター)であることだけを理由にして、正社員との待遇に差をつけることは認められません。

正社員と非正規雇用の不合理な待遇差を解消する同一労働同一賃金の義務化が始まっています。

雇用形態・働き方の基礎知識
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パートタイム従業員の働き方

正社員以外の形態で働く人は、12ヵ月の有期雇用が多く、職種はサービスの仕事の割合が高くなっています。

産業別では、「宿泊業飲食サービス業」が最も高く、次いで「生活関連サービス業、娯楽業」、「卸売業、小売業」となっています。

雇用期間の有無

  1. 雇用期間の定めがある(67.5%)
    ・12ヵ月(42.3%)
    ・6ヵ月(29.3%)
  2. 雇用期間の定めがない(31.8%)
  3. 不明

職種別の割合

  1. サービスの仕事(26.5%)
  2. 事務的な仕事(13.0%)
  3. 販売の仕事(19.5%)
  4. 専門的・技術的な仕事(13.0%)
  5. 運搬・清掃・包装等の仕事(8.1%)

産業別の雇用形態(%)

産業正社員パート専門職その他
鉱業・採石業・砂利採取業87.43.40.29.0
建設業86.73.52.77.1
製造業76.912.00.310.8
電気・ガス・水道業90.34.30.64.8
情報通信業85.85.82.75.7
運輸業・郵便業73.316.00.210.5
卸売業・小売業52.041.10.56.4
金融業・保険業77.714.60.37.5
不動産業・物品賃貸業65.622.60.411.4
学術研究、専門・技術サービス80.39.72.77.2
宿泊業、飲食サービス業31.360.20.87.7
生活関連サービス業、娯楽業46.544.60.68.4
教育・学習支援業62.027.06.74.3
医療・福祉62.828.93.54.8
複合サービス事業69.213.00.117.7
サービス業53.328.70.917.1
総数62.827.41.68.3

(厚生労働省「平成28年パートタイム労働者総合実態調査」より)

パートタイム・有期雇用労働法

「パートタイム・有期雇用労働法」では、パートタイマーやアルバイト、契約社員などの公正な待遇を実現して、納得して働くことができるようになることを目的としています。

①労働条件の文書による明示

企業はパートタイム従業員を雇入れる際に、正社員と同様に労働条件を文書などの書面で明示しなければならないという事項があります。

さらに、「昇給」「退職金」「賞与」の有無と「相談窓口」についても書面で明示しなければなりません。

②パートタイム従業員から正社員への転換

パートタイム従業員から正社員への転換を推進するための措置を取ることが企業に義務づけられています。

③待遇決定にあたっての考慮事項の説明

雇入れの際、パートタイム従業員から求めがあった場合、企業は待遇の決定にあたって考慮した事項を説明することが義務づけられています。

④パートタイム従業員からの相談に対応するための体制整備

企業は、パートタイム従業員からの相談に応じ、トラブルに適正に対応するために必要な体制を整備しなければなりません。

パートタイム従業員の種類

「パートタイム・有期雇用労働法」では、パートタイム従業員の働き方に応じて、正社員との均等・均衡待遇を求めています。

①正社員と同視すべきパートタイム従業員

職務(業務の内容や責任の程度)が正社員と同じで、契約期間の定めがなく、人材活用のしくみ(職務内容や配置の変更)が正社員と同じパートタイム従業員

②正社員と職務が同じパートタイム従業員

職務の内容が正社員と同じパートタイム従業員

③正社員と職務も異なるパートタイム従業員

職務の内容が正社員と異なるパートタイム従業員

職務内容の比較方法

パートタイム従業員の職務の内容(①業務の内容と②業務に伴う責任の程度)が正社員と同じかどうかを判断します。

判断のステップ

  1. 業務の内容が実質的に同じかどうか
  2. 業務に伴う責任の程度が著しく異ならないかどうか
  3. 職種は同じでも職務が異なる場合
  4. 業務内容は同じでも、責任の程度が異なり、職務が異なる場合
  5. 職務が同じ場合

人材活用の仕組みや運用の比較方法

パートタイム従業員の人材活用の仕組みや運用などが正社員と同じかどうか判断します。

判断のステップ

  • パートタイム従業員と正社員の転勤の有無
  • 転勤の範囲(全国転勤、エリア限定の転勤など)を比較
  • 「職務の内容の変更」と「配置の変更」の有無を比較
  • 「職務の内容の変更」と「配置の変更」の範囲を比較

企業が行う格差是正の措置

パートタイム従業員の待遇について、事業主は賃金、教育訓練、福利厚生施設などの待遇について適切な措置を講じなければなりません。

パートタイム従業員の待遇是正措置

区分職務関連の
賃金
それ以外の
賃金
職務遂行に必要な
教育訓練
それ以外の
訓練
業務の円滑な遂行
のための施設
それ以外の
福利厚生
①正社員と同視
②正社員と同じ職務
③正社員と異なる職務
  • ◎:パートタイム従業員であることによる差別的取扱いの禁止
  • ○:実施義務・配慮義務
  • △:職務の内容、成果、意欲、能力、経験などを勘案する努力義務
  • ー:パートタイム労働指針に基づき就業の実態、正社員との均衡等を考慮

まとめ

パートタイマーやアルバイトなどのパートタイム従業員と正社員との待遇格差の解消が進められています。

今後もますます正社員と比較して適正な待遇が強く求められるようになっていくことが考えられます。

アルバイトが長くなっている人は、待遇改善や正社員への転換などのチャンスを見つけられる可能性が高くなっているといえるでしょう。

これからのキャリアについて見直してみることをおすすめします。

参考:厚生労働省WEBサイト

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