IT人材とは

キーワード解説

IT人材

IT人材とは、主にIT企業および事業会社の情報システム部門などに所属している人のことです。

システムから企業文化まで変革していくDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、ITとビジネスの関係が密接になったことで、DXを推進する人材は、IT部門だけでなく、ITを活用して事業創造や製品・サービスの付加価値向上、業務のQCD向上等を行うビジネス部門の人材も含まれると定義されるようになりました。

ITの進化や情報セキュリティなどに対するニーズが拡大し、IT人材、DX人材の育成が課題となっています。

ビッグデータ、IoTAI(人工知能)など、新しい技術やサービスの登場により、今後ますますITの高度化・多様化が進むことが予想されますが、国内の人材供給力は低下し、IT人材不足がさらに深刻化する可能性が指摘されています。

ITスキル標準

ITスキル標準とは、各種IT関連サービスに必要とされる能力を明確化・体系化した指標です。

ITスキル標準では、職種を「コンサルタント」や「プロジェクトマネジメント」、「ITスペシャリスト」などに分類し、各職種ごとに専門分野を設けています。

それぞれの専門分野には、7つのレベルを設定しています。

ITスキル標準は、プロフェッショナルとしての実務能力のレベルを表しています。


出典:ITスキル標準センタ「ITスキル標準概要」

IT人材の新規獲得

IT人材の不足により、採用競争は激しくなっています。

新卒採用や中途採用(キャリア採用)だけではなく、IT未経験の第二新卒や外国人材などを採用して、自社で育成することが必要になっています。

IT人材育成に対する国や自治体からの助成金が整備され、企業の負担を抑えて、IT人材の育成を行えるようになってきています。

IT人材の多様化

女性のIT人材、シニアのIT人材、外国人のIT人材など、より多様なIT人材の活躍が期待されています。

女性のIT人材が活躍するためには、女性が長期的なキャリアを築けるよう出産・育児による休職後にも継続して活躍できる制度や長時間労働の是正など、働きやすい職場づくりが求められます。

シニアのIT人材については、新しい知識やスキルへの対応力が必要となります。

本人のモチベーションアップを促すための施策、研修などの実施が求められます。

外国人のIT人材が十分に実力を発揮できるようにするためには、受け入れ体制を整え、コミュニケーションやマネジメントに配慮して、定着率を向上させることが重要になります。

今後重要となるIT人材

新たな需要に応えるためのIT人材として、ビッグデータやIoT、AI(人工知能)などの分野を担う先端IT人材や自社向けおよび社外向けの情報セキュリティ対策を担う情報セキュリティ人材を重点的に育成・確保することが重要な課題とされています。

先端IT人材

  • ビッグデータの分析・活用を担う人材
  • IoTを活用した新たなビジネス創出を主導するプロデューサーとしての役割を果たす人材
  • 組込みソフトウェアからネットワーク、アプリケーションに携わる人材
  • 機器やデバイスからネットワークを経由し、データ処理までを考慮した広範なアーキテクチャを設計できるシステムアーキテクト
  • 広範な知識やスキルを持ち、スピーディにシステムを構築できる“フ ルスタック人材”

情報セキュリティ人材

  • 自社向けの情報セキュリティ対策を担う人材
    ・全社的・部署横断的な情報セキュリティ対策の統括者
    ・部署内の情報セキュリティ管理者
  • 自社向けおよび社外向け情報セキュリティ対策を担う人材
    ・開発系情報セキュリティ業務従事
    ・運用系情報セキュリティ業務従事者
    ・検査・監査系情報セキュリティ業務従事者
    ・コンサルティング系情報セキュリティ業務従事者

デジタル事業に対応する人材

  • プロダクトマネージャー
    デジタル事業の実現を主導するリーダー格の人材
  • ビジネスデザイナー
    デジタル事業(マーケティングを含む)の企画・立案・推進等を担う人材
  • エンジニアリングマネージャー、アーキテクト
    デジタル事業に関するシステムの設計から実装ができる人材
  • データサイエンティスト
    事業・業務に精通したデータ解析・分析ができる人材
  • 先端技術エンジニア
    機械学習、ブロックチェーンなどの先進的なデジタル技術を担う人材
  • UI/UXデザイナー
    デジタル事業に関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材
  • エンジニア/プログラマ
    デジタル事業に関するシステムの実装やインフラ構築、保守・運用、セキュリティ等を担う人材

若手IT人材の発掘&育成

  • セキュリティキャンプ
    22歳以下の若者を対象に高度な技術教育を実施し、IT人材を発掘・育成する事業
  • U-22プログラミング・コンテスト
    自らのアイディアと技術で日本の未来を創る22歳以下対象の作品提出型コンテスト
  • 未踏事業
    IT技術を駆使してイノベーションを創出することのできる独創的なアイディア・技術を有する若者の発掘・育成事業
  • 全国IT部活活性化プロジェクト
    IT人材の裾野拡大のための全国のIT部活(パソコン部、コンピュータ部、ロボット部等)への支援

【参考】
・経済産業省「IT人材の育成」
・経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果について」
・情報処理推進機構『IT人材白書2020』『DX人材白書2021』
・情報処理推進機構サイト

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IT人材には、企業の情報システム部門に所属している人だけでなく、ITを活用するビジネス部門に所属する人も含まれる
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