過労死ライン

キーワード解説

黒板と虫眼鏡

過労死ラインとは

過労死ラインとは、過労死の危険性が高まるとされる時間外労働時間の目安のことです。

過労死ラインは、過労死を労災として認定する際に、労働と過労死に因果関係があったかどうかの判断基準として使われます。

厚生労働省では、脳・心臓疾患による過労死を労災認定する基準として、残業時間が

  1. 発症前1ヵ月に100時間
  2. 発症前2~6ヵ月間に1ヵ月あたり約80時間を超える

場合に、過労死の危険性が高くなり、業務と発症に関連性が強いとしています。

この基準を「過労死ライン」と呼んでいます。

長時間労働の結果、肉体的・精神的なストレスなどが原因となって、疾病などにより死亡する過労死は、日本企業の独特な現象とみなされ、外国語でも「karoshi」と表現されます。

平成26年には、国の責任において、過労死や過労自殺をなくすことを目的とした「過労死等防止対策推進法」が成立しています。

企業には、働く人の安全や健康に配慮した快適な職場環境の実現が求められています。

過労死

過労死は、長時間労働など業務における過重な負荷により脳・心臓疾患を原因として死亡することです。

業務による明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳・心臓疾患は、業務上の疾病として取り扱われます。

過労死が労災認定されるには、次のような認定要件があります。

  1. 異常な出来事
    発症前から前日までの間において、発生状態を時間的および場所的に明確にし得る異常な出来事に遭遇したこと
  2. 短期間の過重労働
    発症に近接した時期において、特に過重な業務に就労したこと
  3. 長期間の過重労働
    発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したこと

過労自殺

過労自殺は、長時間労働やパワハラなどによる心理的なストレスが原因となり、うつ病などの精神疾患で労働者が故意に死亡(自殺)することです。

精神障害の発症が業務に起因すると認められれば、業務上疾病として労災の対象となります。

精神障害が労災認定されるには、次のような認定要件があります。

  1. 精神障害を発症していること
  2. 発症前の6ヵ月間に業務による強い心理的負荷が認められること
  3. 業務以外の個人的理由(精神障害の既往歴等)による発症ではないこと

労働時間以外の負荷要因

業務による負荷は、労働時間については通算し、労働時間以外の負荷については総合的に評価されます。

  • 不規則な勤務
  • 拘束時間の長い勤務
  • 出張の多い業務
  • 交代制勤務・深夜勤務
  • 作業環境
  • 精神的緊張を伴う業務

日常的に精神的緊張を伴う業務

  • 常に自分あるいは他人の生命、財産が脅かされる危険性のある業務
  • 危険回避責任がある業務
  • 人命や人の一生を左右しかねない重大な判断や処置が求められる業務
  • 極めて危険な物質を取り扱う業務
  • 会社に多大な損失をもたらし得るような重大な責任のある業務
  • 過大なノルマがある業務
  • 決められた時間(納期等)どおりに遂行しなければならないような困難な業務
  • 顧客との大きなトラブルや複雑な労使紛争の処置等を担当する業務
  • 周囲の理解や支援のない状況下での困難な業務
  • 複雑困難な新規事業、会社の建て直しを担当する業務

発症に近接した時期における精神的緊張を伴う業務

  • 労働災害で大きなケガや病気をした
  • 重大な事故や災害の発生に直接関与した
  • 悲惨な事故や災害の体験(目撃)をした
  • 重大な事故(事件)について責任を問われた
  • 仕事上の大きなミスをした
  • ノルマが達成できなかった
  • 異動(転勤、配置転換出向等)があった
  • 上司、顧客等との大きなトラブルがあった

医師による面接指導

厚生労働省令で定める要件に該当する長時間働いた労働者には、医師による面接指導を行わなければなりません。

医師による面接指導とは、「問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うこと」(労働安全衛生法)です。

過労死ラインの見直し

厚生労働省の検討会では、過労死ラインに達しない場合でも、それに近い残業があり、不規則な勤務が認められれば、労災認定すべきだという見直し案が検討されています。

参考:厚生労働省公式サイト

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