「残業続きで体調が悪い」
「うつ病かもしれない」
「休みたいけど休めない」
など、メンタルヘルス不調に悩む人は20代の若者に多くいます。特に転職や就職など新しい環境に慣れていない時期は注意が必要です。
体調が悪いときは、1人で悩み続けないでください。相談できる人、解決する方法、救済措置は必ず見つかります。
メンタルヘルス不調と休職・復職・転職
メンタルヘルス不調と主な要因
仕事に関係するストレスや過労で精神的な病気を患うケースが増えています。
仕事上のストレス
仕事や会社生活のなかの心理的なストレスが原因となり発症する場合があります。
- 仕事の質や量
- 職場の人間関係
- 仕事上の失敗や責任の発生など
過労死ラインを超える残業
過労死ラインを超える長時間労働が原因となり発症する場合があります。
- 2~6ヵ月の1ヵ月当たり平均80時間を超える時間外労働
- 発症1ヵ月前の100時間を超える時間外労働など
パワハラ(パワーハラスメント)
パワハラとは、職務上の地位や人間関係の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させる行為です。
- 暴行・傷害
- 脅迫・名誉棄損・侮辱・暴言
- 人事権の不当な行使
- 遂行不可能なことの強制
- 仕事を与えないこと
- プライベートに過度に立ち入ることなど
業務上か業務外か
病気やケガで休職や退職をする場合、その病気やケガの原因が業務上の理由か、業務外の理由かで会社の対応や法律の保護が異なります。業務上のものであれば、労働災害となります。
「うつ病」などメンタル疾患が原因で、休職や退職する人が増えていますが、事故によるケガと違い、業務上の理由によるものかの判断は難しいといわれています。
メンタルヘルス不調の救済
メンタル不調者の増加により、企業ではメンタルヘルス対策の重要性が高まっています。
社内の対策
- 職場環境の改善、再発防止
- 管理者・マネジメント向けの教育、研修
- 社内外に相談窓口設置
- 産業医の設置
- 残業の削減
- 加害者の配置転換、懲戒処分
- ストレスチェック等による状況把握
- 職場復帰支援
傷病休職制度
業務外の傷病による長期欠勤が一定期間続いたときに、猶予期間を置き、傷病から回復し就業可能となれば復職し、回復せずに期間が満了すれば退職となる制度です。
傷病手当金の支給要件
- 業務外の病気やケガの治療中であること
- 労務不能であること
- 連続3日以上休んでいること
- 賃金の支払がないこと
労災保険
労災保険は業務上の理由または通勤による負傷、疾病、障害、死亡等に対して、労働者やその遺族に給付を行う保険制度です。
労災保険の給付
①療養(補償)給付
業務災害や通勤災害による傷病を労災指定病院、労災指定医療等以外の病院で療養するとき
②休業(補償)給付
業務災害や通勤災害による傷病の療養のため労働ができずに賃金を受けられない日が4日以上になるとき
③障害(補償)給付業務災害や通勤災害による傷病が治った後に障害等級が1~14級のいずれかにあてはまる障害が残ったとき
④傷病(補償)年金
業務災害や通勤災害による傷病が療養開始後1年6ヵ月を経過した日あるいは同日後に次のいずれにもあてはまるとき
- 傷病が治っていない
- 障害の程度が傷病等級の1~3級にあてはまる
⑤介護(補償)給付
障害(補償)年金または傷病(補償)年金の受給権者で、その支給事由となっている一定の生涯の程度に該当し、常時または随時介護を必要とするとき
⑥遺族(補償)給付
業務災害や通勤災害により死亡したとき
⑦葬祭(料)給付
業務災害や通勤災害で死亡した人の葬祭を行うとき
⑧二次健康診断等給付
過労死等の防止のため、脳および心臓の状態を把握するための検査や医師による健康診断や保健指導を受けるとき
メンタル不調からの復職
主治医による復職可の診断書をもって復職の申し出として、産業医の意見を聞くなどして、最終的な結論を出します。
メンタル疾患の場合には、回復の程度がわかりにくいので、職場復帰の判断は慎重になります。
職場復帰の判断基準(例)
- 通勤時間帯に1人で安全に通勤できる状態であるか
- 勤務時間に継続して就業できるか
- 業務に必要な作業をこなすことができるか
- 夜眠れて、朝決まった時間に起きられるか
- 業務を行う集中力や注意力があるか
- 職場の受け入れ態勢があるか
メンタル不調と就業
- 休職を経て通院治療しながら働き続ける
- 休職と復職を繰り返している
- 休職期間中(復職直後)に退職している
- 休職をせずに通院治療等をしながら働き続ける
- 休職を経て通院治療せずに働き続ける
- 休職をせずに退職している
メンタルヘルス不調と転職
メンタルヘルス不調になっても、通院したり、社内異動をしたり、休職するなどして体調が回復させることが一番です。
それでも良くならない場合には、就業環境を変えるために転職するのも選択肢のひとつです。
うつ症状があって、長く働くことに不安を感じている人は、うつ症状専門の就労移行支援サービスを利用して不安を解消していくことができます。
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まとめ
過労やパワハラが原因でうつ病になったような場合、業務上の可能性が高いといえますが、認定されるには、煩雑な手続き、場合によっては裁判にまで発展することがあります。
体調が深刻な状態になる前に、職場環境の改善を求め、勤務の内容、メールなどを記録として残し、信頼できる人や専門窓口に相談することを優先しましょう。

