宇宙ビジネスの業界研究


宇宙開発は政府主導による事業が中心でしたが、多くの民間企業が参入し、宇宙ビジネスが大きな注目を集めるようになっています。

宇宙ビジネスの転職・就職で押さえておきたい基礎知識、業界の動向、関連企業をご紹介します。

宇宙ビジネス業界の動向(2022年)

宇宙ビジネス

日本の宇宙ビジネスは、ロケットや人工衛星などの宇宙インフラ、衛星通信放送サービス、カーナビなどの宇宙関連民生機器などの産業で構成されています。

日本の宇宙ビジネスは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の官公需が中心で、政府主導で進められるプロジェクトが大部分を占めています。

しかし、ハードのロケット開発以外で多数の民間企業が宇宙ビジネスに参入し、市場は拡大していくと見られています。

JAXA

宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団が統合して発足しました。

日本の宇宙開発の中心で、宇宙予算の多くはJAXAの技術開発に充てられます。

世界の宇宙機関

  • NASA(アメリカ航空宇宙局)
  • ESA(欧州宇宙機構)
  • CNSA(中国国家航天局)

ロケット

宇宙技術の代表格はロケット開発といえるでしょう。

ロケット開発には高度な技術が必要となり、日本のH2A、H2Bロケットは世界トップレベルの打ち上げ成功率を誇っています。

三菱重工業

国内最大手。日本を代表するH2Aロケットの製造・打ち上げを行っています。

後継機種のH3を開発中です。

  • 部門利益:948億円
  • 従業員数:36,691人
  • 平均年齢:39歳

川崎重工業

H2Aロケットの衛星フェアリングを担当。

  • 部門利益:316億円
  • 従業員数:36,691人
  • 平均年齢:39歳

IHI

ロケットエンジンのターボポンプ部分を担当。

  • 部門利益:404億円
  • 従業員数:29,149人
  • 平均年齢:39歳

世界のロケット企業

  • ロッキード・マーティン(米)
  • ボーイング(米)
  • アリアンスペース(欧州)

人工衛星

人工衛星は、「通信衛星」「測位衛星」「リモートセンシング衛星」「惑星探査機」に分類されます。

人工衛星はそれぞれの役割を担って、ロケットによって宇宙空間へ運ばれます。

NEC

JAXAの探査機「はやぶさ2」の需要機器を開発。

  • 部門利益:594億円
  • 従業員数:114,714人
  • 平均年齢:44歳

三菱電機

人工衛星を開発・製造・運用。

  • 部門利益:164億円
  • 従業員数:145,653人
  • 平均年齢:40歳

世界の人工衛星企業

  • ロッキード・マーティン
  • ボーイング
  • スペースシステム・ロラール
  • エアバス(欧州)

衛星通信・放送サービス

通信衛星を宇宙に配置することで、広範囲に電波を届けることができます。

スカパーJSATホールディングス

衛星運営アジア最大手。

  • 部門利益:94億円
  • 従業員数:846人
  • 平均年齢:50歳

宇宙ベンチャー

小型ロケットや小型衛星などのベンチャー企業が世界中で生まれています。

数は少ないですが、日本でも宇宙ベンチャーが誕生しています。

さまざまな取り組みを行い、大企業からベンチャー企業への出資も増えています。

インターステラテクノロジズ

堀江貴文氏が創業した宇宙ベンチャー。

民間企業単独で開発する小型ロケット「MOMO」は、2度の打ち上げ成功を達成しています。

PDエアロスペース

宇宙機開発のベンチャー企業。

宇宙旅行をはじめとする宇宙輸送の事業化に向けて取り組んでいます。

アクセルスペース

超小型衛星の設計、製造、打ち上げ、運用を手掛けるベンチャー企業。

アストロスケールホールディングス

スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去サービスの実用化を目指すベンチャー企業。

国際宇宙ステーション

国際宇宙ステーションには多くの企業が関わっています。

居住モジュール、実験モジュール、ノード、作業用のロボットアーム、太陽電池パドルなどで構成されています。

「きぼう」日本実験棟

宇宙飛行士が長期間活動できる有人施設で、船内実験室、船外実験プラットフォーム、船内保管室、船外パレット、ロボットアーム、衛星間通信システムで構成されています。

  • 三菱重工業
  • IHIエアロスペース
  • 川崎重工業
  • NEC
  • 日立製作所

打ち上げサービス

人工衛星打ち上げの引き受けやサポートを行います。

ロケット企業や国際宇宙ステーションからの放出などを仲介したり、煩雑な手続きを代行するなど打ち上げを支援します。

三井物産

衛星打ち上げ支援サービスや衛星データ解析を行っています。

Space BD

JAXAの民間事業化案件に選定。宇宙利用事業を展開しています。

新たな宇宙ビジネス

宇宙ビジネスはロケットや人工衛星以外にも範囲を広げています。

これまで宇宙ビジネスとはかかわったことのないような企業も参入しています。

宇宙旅行

高度100km以上の宇宙空間に数分間到達する宇宙旅行が始まっています。

民間企業が宇宙旅行プランを発表しています。

  • ブルー・オリジン(米)
  • ヴァージン・ギャラクティック(米)

宇宙旅行訓練ビジネス

宇宙旅行に行くためには、訓練が必要とされています。

民間人が宇宙旅行する時代に向けて訓練サービスを展開する準備が進められています。

宇宙ホテル

将来的に長期間滞在する宇宙旅行が実現すると、旅行中は宇宙ホテルに滞在することになります。

オリオン・スパンは世界初となる宇宙ホテルの開業を目指しています。

宇宙食

宇宙旅行が普及すると、宇宙での食べ物や飲み物も求められるようになります。

亀田製菓は「亀田の柿の種」を宇宙日本食としてJAXAに申請し、認証されました。

宇宙服

宇宙旅行が現実となると旅行者が宇宙で着用する宇宙服が必要となります。

アディダスは宇宙旅行用アパレルブランドの開発を進めています。

まとめ

宇宙に関連するビジネスが注目されています。

日本でも政府主導による事業だけでなく、小型ロケットの開発などベンチャー企業が登場しています。

今後も新たなサービスやビジネスが生まれ、新たな市場が形成されていくと考えられます。

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