ドローンビジネスの業界研究【概要・企業・動向】

驚異的な成長を見せる可能性が高いドローン業界。

ドローンの普及で、ビジネスへの応用や新たなサービスが生まれています。

さまざまな分野でドローンを活用した実証実験が行われ、産業用途での普及が進んでいます。

転職・就職で押さえておきたいドローンビジネスの業界動向、採用市場をご紹介します。

ドローン業界の最新動向(2023年)

ドローン・サービスロボット

災害対応やインフラ点検、施設警備、清掃、医療で使われるロボットをサービスロボットといいます。

物流現場などで使われる無人搬送車、ドローン(無人飛行機)、手術ロボットなどが含まれることもあります。

人手不足の対応、生産性向上の目的でニーズが高まっています。

ドローンは、宅配やインフラ点検、土地測量、精密農業など、さまざまな分野で実証実験を行い、実用化を進めています。

ベンチャー企業が大企業や自治体と組んで事例を蓄積しています。

市場の予測

経済産業省などによると、国内のロボット市場は2035年に現在の約6倍の9.7兆円に拡大する見通しです。

特に人手不足を背景にサービス分野での利用拡大が見込まれています。

ドローン事業

国内では産業用途でドローンを導入する企業が増えています。

市場は拡大する見通しですが、規制が厳しく海外と比べると遅れ気味です。

ACSL

旧自立制御システム研究所。

ドローンの国内専業メーカーとして初の上場をしました。

インフラ点検、物流、防災分野に力を入れています。

  • 売上高:5億円
  • 従業員数:70人
  • 平均年齢:37歳

ソニーグループ

ソニーグループは、映画など撮影用のドローンを発売しています。

  • 従業員数:108,900人
  • 平均年齢:42歳

国内メーカー

  • プロドローン:業務用の高精細カメラ搭載できる大型機に強み
  • エアロセンス:自社開発機体による空撮、測量サービス

海外メーカー

  • DJI(中) :世界最大手。圧倒的なシェア
  • パロット(仏):業界2番手。ホビー用で市場を開拓
  • 3Dロボティクス(米):業界大手だがハードにおいて苦戦

映像分野

ドローンは、映画やテレビ、観光プロモーションなど映像分野で利用されることが多くなってきています。

空撮映像

  • 映画、テレビドラマ、ミュージックビデオ
  • 観光ビデオ、旅番組
  • イベント、スポーツ、ブライダル

土木・測量分野

人手不足などの観点から土木・測量分野でのドローン活用が進んでいます。

日本の大規模なインフラ設備の多くは、近年、老朽化が進み、インフラメンテナンスにおけるドローン活用に注目が集まっています。

インフラ点検

  • パナソニック:カメラやロボットによる撮影・点検
  • テラドローン:点検サービス、土木測量・河川測量
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物流分野

物流ではさまざまな企業によるドローンを使った配送実験が活発に行われています。

本格的な導入には至っていませんが、早期の実現が期待されています。

物流

  • アマゾン:「アマゾン・プライム・エア」
  • 楽天:ドローン配送サービス「そら楽」を実施
  • 日本郵便:ドローン配送のプロジェクトスタート
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農業分野

人手不足の対応、生産性の向上など効率化が進む農業分野で、ドローンの導入が進んでいます。

農薬散布

  • エンルート:農業向けドローン最大手
  • TEAD:農薬散布用ドローンを販売
  • ヤマハ発動機:独自開発の農薬散布用ドローンを投入
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警備分野

野外での警備におけるドローン活用が期待されています。

今後、社会への普及が広まっていくと考えられます。

警備関連サービス

  • セコム:自社開発ドローンによる防犯サービスを提供
  • KDDI:警備における運航管理機能の開発
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災害対策分野

災害対策において、迅速な活動が行えるドローンに注目が集まっています。

事業としての実績を上げることは難しいですが、社会貢献度の高い分野です。

災害対策

  • 土砂災害や地割れの調査
  • 災害時の状況確認
  • 救難活動への利用

ドローン業界の採用市場

ドローン関連の求人

日本国内のドローン関連市場規模は、2025年度には2019年度の約4倍に達すると予想されており、今後も更なる拡大が見込まれます。

ドローン関連人材の新規雇用も生まれ、日本でも3万人~5万人の新しい雇用創出が期待されています。

ドローンを使ったビジネスは拡大し、今はまだ想像もしていないドローンを活用した物やサービスが誕生してくると思われます。

ドローンビジネスは拡大し、ドローン関連市場も拡大が予想されています。

幅広い業種でドローン関連の求人ニーズがあります。

職種

  • ドローンパイロット(空撮、測量、点検、農薬散布、リモートセンシング)
  • エンジニア(ソフトウェア、ハードウェア)
  • スクールインストラクター
  • フライト運行管理
  • 空撮画像分析
  • 整備点検
  • 企画・営業
  • メディアディレクター
  • クリエイティブディレクター
  • 映像制作スタッフ
  • その他の技術職

業種

  • 農林業
  • 水産業
  • 漁業
  • 小売業
  • 観光業
  • 不動産業
  • 製造業
  • 電気・ガス
  • 通信業
  • 卸・小売業
  • 飲食業
  • 警備業
  • サービス業
  • 金融・保険業
  • その他の産業

ドローンパイロット

ドローン操縦者のニーズが高まっています。

ドローンの操縦テクニックや安全運航のための知識を得るにはドローンスクールの利用をおすすめします。

ドローンスクールでは業界の最新情報を得ることができ、ネットワークを広げることもできます。

ドローンスクール

  • ドローン操縦テクニック
  • 安全運航のための知識
  • ビジネスサポート
ドローン操縦資格を取得できるおすすめスクール
ドローンを操縦するには、ルールを守ることが必要です。国土交通省航空局の要件を満たした管理団体の認定資格を取得できるドローンスクールを厳選してご紹介します。

ドローンエンジニア

日本のドローンエンジニアは圧倒的に少ない状況です。

ドローンのエンジニアリングはそれぞれの分野により必要とされる技術は異なりますが、早くにチャレンジすることで、スペシャリストになれるチャンスがあります。

エンジニア育成

  • ハードウェア
  • 機体制御
  • アプリケーション
  • データ解析

エンジニアの転職活動

転職エージェントなどの転職支援サービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーが転職をサポートしてくれます。

非公開・独自案件の求人紹介だけでなく、キャリアアドバイザーによる企業ごとの書類作成や面接対策のサポートなどで、選考通過率のアップが期待できます。

キャリアごとの転職支援

エンジニアの転職ノウハウ

まとめ

ドローンを使ったビジネスや新たなサービスへの展開は拡大し、それだけ関連する仕事の可能性も広がっています。

今はまだ想像もしていないドローンを活用したビジネスやサービスが誕生してくることも考えられます。

ドローン業界未経験でも今からチャレンジすることで専門スキルを身につけて、キャリアアップを目指すことができます。

未経験からでもドローンスペシャリストになれるチャンスがあるのです。

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【参考】
・国土交通省ウェブサイト
・無人航空機登録ポータルサイト
・日本経済新聞出版『日経業界地図2023年版』