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通関士の資格を取るには

通関士は物流・貿易関連で唯一の国家資格です。通関業、運送会社や倉庫などはもちろん、メーカーや商社など貿易関連業界で専門知識を活かせる資格です。

国際ビジネスで有利な通関士の資格についてご紹介します。

通関士とは

通関士は輸出入されている物品の通関手続きをするために必要な国家資格です。

通関士として通関業務に従事するには、通関士試験に合格して、勤務先の通関業者の申請に基づく財務大臣の確認を受ける必要があります。

通関業者には通関業務を行う営業所ごとに専任の通関士を1人以上置くことが法律で定められています。

通関士の資格

通関士として仕事をするのは、通関業者に所属して、通関士として登録された人です。

通関士試験に合格して、通関士以外の通関業務に従事している人もいます。

また営業部門など通関業務以外の仕事で通関の知識を活かしている人もたくさんいます。

貿易に関係する仕事では、通関の知識が必要となりますので、運送会社や倉庫会社、商社、輸出入会社、各種メーカーなど活躍の場は広く、高いニーズがあります。

通関業従業者数(各年4月1日現在)

通関士
(人)
その他
(人)
合計
(人)
2019年8,2167,75515,971
2020年8,3208,20816,528
2021年8,3428,10516,447
2022年8,4078,15716,564
2023年8,4918,26716,758

(税関「通関士の現況」より)

税関別通関業従業者数(2023年)

税関通関士
(人)
その他
(人)
合計
(人)
函館206360566
東京2,5352,5315,066
横浜1,2121,1712,383
名古屋9949461,940
大阪1,6941,3973,091
神戸9197931,712
門司7688161,584
長崎107160267
沖縄5693149
合計8,4918,26716,758

(税関「通関士の現況」より)

資格取得メリット

通関士は輸出入手続きを行うプロフェッショナルです。

通関士としての専門知識は幅広く活用でき、各企業からも重要視されています。

物流・貿易業界で有利

通関士になりたい人はもちろん、国際物流業者、メーカー、商社など貿易関連業界で身につけた専門的な知識を活用できます。

収入アップが期待できる

通関士として働く人には資格手当の支給が期待できます。

また資格取得者は社内での重要性が増しますので、昇進にも役立ちます。

独立も可能

輸出入の知識を活かして、個人輸入を始めたり、インターネット販売など貿易関係の事業を立ち上げることも可能です。

通関士試験

通関士の資格を取得するには、国家試験である通関士試験に合格しなければなりません。

通関士試験は、通関士として必要な知識や能力があるかどうかを判断するために、財務大臣が決定する問題により各税関長が行う試験です。

通関士試験は誰でも受験することができ、学生から社会人、通関業以外の異業種などさまざまな人が目指しています。

受験資格

制限なし

試験日程

  • 願書配布:7月上旬
  • 受付期間:7月下旬~8月上旬
  • 試験日:年1回(10月)
  • 合格発表:11月下旬~12月上旬

試験地

北海道、新潟県、東京都、宮城県、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県

試験科目

試験科目には法律のほかに、それぞれの法律に基づく政令、省令、告示、通達が含まれます。

  1. 通関業法
  2. 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法
  3. 通関書類の作成要領その他通関手続の実務

※その他関税に関する法律とは、次のものをいいます。

  1. 関税暫定措置法
  2. 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律
  3. コンテナ―に関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行う貨物の国際運送に関する通関条約の実施に伴う関税法等の特例に関する法律
  4. 物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約の実施に伴う関税法等の特例に関する法律
  5. 電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律

試験方法

  1. 通関業法
    ・選択式
    ・択一式
  2. 関税法等
    ・選択式
    ・択一式
  3. 通関実務
    ・通関書類の作成要領:選択式、計算式
    ・その他通関手続の実務:選択式、択一式、計算式

試験科目の一部免除

  1. 通関業者の通関業務または官庁における関税その他通関に関する事務に従事した期間が通算して15年以上になるとき
  2. 通関業者の通関業務または官庁における通関事務に従事した期間が通算して5年以上になるとき

合格率

受験者数
(人)
合格者数
(人)
合格率
(%)
2019年6,38887813.7
2020年6,7451,14016.9
2021年6,9611,09715.8
2022年6,3361,21219.1
2023年6,3321,53424.2

(税関「通関士試験」より)

税関別合格率(2023年)

税関受験者数
(人)
合格者数
(人)
合格率
(%)
函館税関982323.5
東京税関2,30058625.5
横浜税関73118725.6
名古屋税関86620423.6
大阪税関1,08626324.2
神戸税関67315222.6
門司税関4289021.0
長崎税関1001818.0
沖縄地区税関501122.0
合計6,3321,53424.2

(税関「通関士試験」より)

問い合わせ

各税関の通関業監督官

資格取得の勉強法

通関士の資格を取得するためには、独学や資格・通信講座で勉強する方法があります。

それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますので、かけられる時間、費用など自分の状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。

働きながら資格を取得するのであれば、合格ラインに必要な内容を効率よく学べる方法を選び、短期合格を目指すことをおすすめします。

資格の取得期間

一般的に半年程度の準備期間が必要とされています。

資格・通信講座のカリキュラムも6ヵ月~9ヵ月程度のものが多くなっています。

合格のための学習ポイント

  • 過去問題集は3回以上繰り返す
  • 8割以上の正解率を目指す
  • 関税定率法をしっかり押さえる

通関士試験のおすすめテキスト

通関士試験の過去問題集

まとめ

グローバル化が進み、輸出入の専門知識を活用できる場は増えることはあっても減ることはないといえるでしょう。

通関士試験は年齢、学歴に関係なく誰でも受験できます。

輸出入を必要とする企業への転職・就職から業界内でのスキルアップやキャリアアップなどキャリアのどのタイミングでも活かすことができます。

参考:税関ウェブサイト

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