キーワード解説
圧迫面接
圧迫面接とは、採用選考の面接において、面接官が意図的に意地悪な質問をしたり、威圧的な態度をとるなどして、応募者の反応から本音を知ろうとする面接方法のことです。
応募者のストレス耐性や突発的な状況にどれだけ対応できるかを見るために、あえて行う企業もあるといわれます。
メンタルヘルス不調の従業員が増加し、ストレス耐性を重視する企業は増えています。
応募者は本気で怒ったりせず、慎重に対応することが大切です。
応募者の適性を評価するために必要で合理的な範囲の言動は違法とはいえませんが、面接で質問することが不適切な差別発言やセクハラなどのハラスメント発言は不法行為となる可能性があります。
採用面接は、応募者にとって選考される場であると同時に、応募企業を選ぶ立場でもあります。
応募者は、圧迫面接やハラスメント発言、長すぎる面接や短すぎる面接など、良い印象が残らなかった企業は選ばないという選択をすることができます。
不法行為となる圧迫面接
あえて高圧的な口調で質問するなどの圧迫面接であっても、応募者の適性を見極めることを目的として、合理的な範囲で行われる場合には、原則として違法とはなりません。
応募者の名誉を傷つけたり、差別的な発言などは違法と判断されることがあります。
違法であるかどうかは、発言の具体的な内容、態度、回数などを総合的に考慮して判断されます。
厚生労働省では、適性・能力に関係のない質問自体が公正な採用選考にとって不適切であるとしています。
名誉感情の侵害
応募者の適性に関係のない面接官による人格否定や侮辱的な発言は、名誉感情を侵害する不法行為となる可能性があります。
差別発言
応募者の人種や性別、宗教などについて、面接官が差別的な発言をすることは、適性の評価と関係がなく、不法行為となる可能性があります。
暴言・威嚇
面接に必要のない面接官の暴言や威嚇などの言動は、応募者の人格を傷つけるものとして不法行為となる可能性があります。
セクハラ
応募者に対して、面接官がセクハラに該当するような性的な言動や質問をすることは不法行為となる可能性があります。
ストレス耐性
ストレス耐性が必要となる業種や職種など、ストレス耐性を重視する企業は多くあります。
採用面接では、ストレスやプレッシャーにうまく対処できる人材かどうか見極めようとしています。
クレーム対応やトラブル対応、売り上げ目標、納期・締め切り、人間関係などビジネスにおいて、ストレスを受けることは日常的なことです。
継続的にストレスを受けることがあっても、ストレスを受けていることを自覚して、うまく対処し、解消できていることが重要です。
ストレスに気づかなかったとか、我慢したというのではなく、自分なりのストレス解消法があるとよいでしょう。
- 運動をする
- 趣味に打ち込む
- 友人と飲みに行く
- 上司に相談する
- 犬の散歩をする など
公正な採用選考の基本
公正な採用選考を行うことは、職務遂行能力とは直接関係のない質問や家族状況、生活環境といった事柄で採否を決定しないこととされています。
採用面接において、適性や能力に関係のない事項の質問は就職差別につながる可能性があります。
- 本人に責任のない事項の質問
・本籍・出生地に関すること
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること - 本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の質問
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
参考:厚生労働省「公正な採用選考をめざして」
□どのような答えを期待しているのか
□適性の評価に関係のない質問や発言はないか