入社してから3年程度「第二新卒」の転職市場は活発で、企業の採用意欲も高いものがあります。
第二新卒の若手に対する企業の期待は高い一方で、仕事が長続きしない人なのではないかという懸念を持たれる可能性もあります。
第二新卒の転職面接では、そんな面接官の心配を払拭するために、納得できる転職理由や志望動機をアピールすることが大切です。
業界や職種が違っても、面接官がする質問の意図は共通していますので、相手を納得させる答え方を身につけることが面接選考を通過するポイントになります。
第二新卒の転職面接でよくされる質問に対して、どのように回答することが望ましいか、具体例とともにご紹介します。
第二新卒の転職面接でよくされる質問
第二新卒・転職の面接
第二新卒・転職の面接は、基本的に書類選考に通過した人に対して実施されます。
応募書類からは把握できない職務遂行に必要となる適性や能力を評価するために行われます。
企業は応募書類の内容とギャップがないかを確認して、採用基準をクリアするかどうかを総合的に判断します。
応募者は求人内容が自分の認識と合っているかを確認して、入社するかどうかを判断します。
採用面接の目的
- 応募者の職務経験や要望と企業の採用条件・労働条件などの情報交換をする
- 会話のなかから応募書類や求人票からだけではわからない情報を得る
- 情報を総合的に判断して採用・入社を決定する
Q.入社してまだ2年ですが、なぜ転職を希望するのですか?
面接官が一番確認したい内容といえます。
直接的に聞かれるとは限りませんが、何からの方法で必ず確認されるはずです。
自分なりの考えをまとめておきましょう。
NG回答例
「新築住宅を販売する営業として入社しましたが、業界の将来性に不安を感じています。
中古物件の人気が高まっていますし、リフォームが主流になるのではないかと思うようになりました。
今後は、中古物件も扱う業界で働きたいと考え、応募いたしました。」
OK回答例
「住宅販売に興味があり、ハウスメーカーに入社しました。
実際に働いてみて、もっとお客様に合わせてさまざまな提案をしたいという思いに至りました。
御社には新築住宅はもちろん、中古住宅やマンション、リフォーム、土地取引まで扱える仕事があり、お客様の希望に広く応えられると考え、応募いたしました。」
解説
この質問では、転職(退職)理由を聞かれています。
前職の批判や不満ではなく、転職しなくては実現できないことを伝えます。
入社して、短期間の転職は仕事が長続きしないのではないかと見られてしまいますので、その心配を払拭するためには、明確な転職理由と志望動機がアピールになります。
NG回答例では、応募企業でなければ実現できないことの説明にはなっておらず、面接官の心配を払拭するには不十分な内容といえます。
OK回答例では、実際に働いてみてわかったこと、自分が希望する働き方を実現するために応募企業へ転職したいことを説明しています。
Q.転職しなければできないことですか?
なぜ入社した会社を早期に辞めるという決意をしたのか、転職しなければならない理由があるのかを面接官は確認したいと考えます。
面接官が納得するような説得力のある理由を伝えましょう。
NG回答例
「上司に相談したところ、3年経てば異動も可能ということでした。
最初は社内異動も検討しましたが、やはり他にもいろいろな商品を扱いたいと考え、転職することにしました。」
OK回答例
「社内異動やグループ会社も調べてみましたが、自分が目指す営業を実現するのは難しい環境であることがわかりました。
お客様に合わせて幅広く提案したいという思いは、外に機会を求めるしかないという結論に至り、転職することを決意しました。」
解説
この質問では、転職を決意するまでの具体的な説明を求められています。
NG回答例もOK回答例もだいたい同じ内容ですが、NG回答例には意思の強さは感じられず、面接官の不信感を払拭するには至りません。
面接官が確認したいのは、以下の点ですので、論理的に回答することが大切です。
- 転職を決めた理由
- その理由の正当性
- 安易な転職ではないか、意思の強さ
Q.転職しても同じことになりませんか?
せっかく採用しても、また数年で同じように転職されることを面接官は心配します。
面接官の不安を払拭する回答をする必要があります。
NG回答例
「新卒の就職活動では、仕事の内情まではよくわかっていませんでした。
今は業界の事情がよくわかっていますので、今回の選択は間違いないと思っています。」
OK回答例
「ご指摘の可能性を自分でもいろいろと検討してみました。
自分が目指すキャリアプランを短期・中長期的に立て、ゴールに向かっていくには、御社で一歩一歩仕事を積み重ねていくのが最もよいと考えて、今回の応募に至りました。」
解説
この質問では、同じことを繰り返さないかどうか、意思の強さを確認しています。
NG回答例では、以前から安易な行動を取っていて、これからも繰り返すかもしれないという不安が残る内容になっています。
OK回答例では、同じことは繰り返さず、これからは長く働く意思があることを伝えています。


第二新卒の模擬面接・面接対策
模擬面接とは
模擬面接とは、入室から質疑応答、退室まで面接の一連の流れを、実際と同じように練習してみることです。
頭のなかでは整理されている内容であっても、面接の場面では、緊張からうまく回答できないこともあります。
ぶっつけ本番ではなく、実際に声に出して、想定される質問に回答する練習をしておきましょう。
オンライン面接を行う企業が増えていますので、オンラインに対応できる準備も必要になってきています。
チェックポイント
- 姿勢
- 表情
- 声の大きさ
- 話すスピード(早口になっていないか)
- 回答のわかりやすさ
- 回答時間(1つの質問に1分が目安)
オンライン対応
- パソコンやアカウントの準備
- 安定した回線と静かな場所
- カメラや音声の確認
- 面接開始前の接続準備
- 接続トラブルに備えた確認

面接対策のサポート
転職エージェントなどの転職支援サービスを利用すると、応募企業に合わせた書類作成や面接対策のサポートなどを無料で受けることができます。
第二新卒向けの転職エージェントでは、第二新卒の転職市場に精通したキャリアアドバイザーが転職活動をサポートしてくれます。
転職支援サービスのメリット
- キャリアの可能性を広げるカウンセリング
- 第二新卒の転職市場に精通したキャリアアドバイザー
- 未経験からチャレンジできる求人を多数保有
- 書類作成・面接対策などのサポートで選考通過率アップ
- 転職スキルアップのセミナー など
第二新卒の転職支援サービス
まとめ
第二新卒の採用に意欲的な企業が増えています。
希望のキャリアチェンジやリベンジ転職のチャンスが豊富な状況になっているといえます。
転職面接で厳しい質問をされるのは、圧迫面接で不採用にしようと思っているのではなく、採用の決め手となる回答を求めているのです。
転職面接の質問には、面接官の心配や懸念を払拭できる答え方を練習しておくことが大切です。





【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス