20代には、未経験分野の仕事に挑戦できるチャンスが豊富です。
キャリアチェンジをする人は多いのですが、キャリアチェンジというリスクを伴う転職に対して、採用選考では慎重に適性を判断しようとします。
転職・社会人採用の面接では、よくされる定番の質問があります。
よくされる定番の質問は、採用するために確認しておきたい重要なポイントであるということです。
キャリアチェンジの面接では、興味やイメージだけでなく、どのような裏付けや根拠を基にして、転職という決断に至ったのか、説得力のある回答が求められます。
キャリアチェンジの面接でよくされる定番の質問に対して、どのように回答するのがよいか、具体例とともにご紹介します。
キャリアチェンジの面接でよくされる質問
転職・社会人採用の面接
社会人採用・転職の面接は、書類選考を通過した人に対して行われるのが一般的です。
応募書類からは把握できない職務遂行に必要となる適性や能力を評価するために行われます。
企業は応募書類の内容とギャップがないかを確認して、採用基準をクリアするかどうかを総合的に判断します。
応募者は求人内容が自分の認識と合っているかを確認して、入社するかどうかを判断します。
採用面接の目的
- 応募者の職務経験や要望と企業の採用条件・労働条件などの情報交換をする
- 会話のなかから応募書類や求人票からだけではわからない情報を得る
- 情報を総合的に判断して採用・入社を決定する
Q. なぜこれまでの経験と別の職種を希望するのですか?
面接官は「なぜキャリアチェンジをしたいのか?」について知りたいと考えています。
必ず質問されると考えておきましょう。
転職理由や志望動機との整合性を考えて回答する必要があります。
NG回答例
「昨年からリクルーターとして新卒採用業務に携わっています。
多くの学生と接し、話をしているうちに、営業より人事の方が向いているのではないかと感じるようになりました。
これからは営業職ではなく、人事職としてキャリアを形成していくことを希望し、応募いたしました。」
OK回答例
「営業の仕事もやりがいを感じていますが、後輩の指導を任されるようになり、どのようにすればモチベーションを高められるか、意欲的に働いてもらえるかを日々考えるうちに、人事の職務、特に人材育成、能力開発の領域に興味をもつようになりました。
昨年からは自主的に社外研修に参加して、キャリアコンサルタントの資格を取得しました。
今後は人事としてキャリアを積んでいきたいという希望から応募いたしました。」
解説
この質問では、キャリアチェンジの理由を聞かれています。
キャリアチェンジにはリスクを伴いますので、どれだけの覚悟があるのかを確かめられます。
どんな仕事でも、いろいろな側面があり、楽しいことや面白いことばかりではありません。
NG回答例では、仕事のほんの一部分を手伝った経験で、向いていると思っただけですので、転職して希望の職に就いても、実際にやってみると自分の思っていたイメージと違ったということになりかねません。
OK回答例では、希望する職種に興味をもっただけでなく、研修や資格取得など基礎知識を身につけるという具体的な行動から、職種に対する前向きな姿勢が伝わります。
職種を変更する場合には、興味だけで終わっていないこと、意思が固いこと、資格取得やスキルアップなどを具体的に示すことがアピールになります。
Q. 転職しないと実現できないのですか?
キャリアチェンジを希望する未経験者の採用では慎重に選考を行います。
安易な転職ではないかを質問されることがあります。
NG回答例
「キャリア相談窓口はあるのですが、上司の耳に入る可能性がないとはいえないので、希望していません。
実際、人事部は人数が少なく、社内異動は難しいと思いますので、転職するしかないと考えています。」
OK回答例
「上司との面談で社内異動の希望を伝えましたが、営業職として入社し、配置されているので、異動させることは難しいという回答でした。
営業として育成していただいたことは感謝しているのですが、今後は人事を希望する意思が固いので、早く希望する職に就き、経験を積む方がよいと判断して、転職を決意しました。」
解説
この質問では、転職の意思の固さとどのような行動を取るのかを確認されています。
内定辞退のリスクも考慮して、その人の行動特性が見られています。
NG回答例では特に何も行動していませんが、OK回答例では、自分の希望と組織のルールを尊重し、誠実に行動していることが伝わります。
Q. 未経験の職種に適応できますか?
未経験の職種に対して、実際の業務や自分の適性についてどう考えているかを質問されることがあります。
NG回答例
「人事は未経験ですが、リクルーターとして2年以上、採用業務に関わってきました。
採用活動は順調で、人事部からも評価されました。
何より楽しく仕事ができてきたのは、職種として適性があるからだと考えています。」
OK回答例
「未経験ではありますが、採用業務には関わってきました。
またキャリアカウンセリングのトレーニングを受けており、実践でも使える準備をしてきたと思っています。
現在の仕事をしながらも続けてこられたのは、この職種に適応できるからだと考えています。」
解説
この質問では、職種に対する理解度を確認しています。
本人が応募職種をあこがれやイメージだけでなく、客観的に見ることができているかが判断されます。
NG回答では、人事部の評価を入れて回答していますが、日常業務と異なることを楽しめただけでは、未経験職種の適性があることの説明には不十分です。
回答例では、基礎的な実務知識があること、自分で実際に行動して確信をもったことがわかります。
キャリアチェンジの模擬面接・面接準備
模擬面接とは
模擬面接とは、入室から質疑応答、退室までの面接の一連の流れを、実際と同じように練習してみることです。
頭のなかでは整理できている内容であっても、実際の面接の場面では、緊張から思い通りにいかないことも多いものです。
ぶっつけ本番ではなく、実際に声に出して、想定される質問に回答する練習をしておきましょう。
オンライン面接を行う企業が増えていますので、オンラインに対応できる準備も必要になってきています。
チェックポイント
- 姿勢
- 表情
- 声の大きさ
- 話すスピード(早口になっていないか)
- 回答のわかりやすさ
- 回答時間(1つの質問に1分が目安)
オンライン対応
- パソコンやアカウントの準備
- 安定した回線と静かな場所
- カメラや音声の確認
- 面接開始前の接続準備
- 接続トラブルに備えた確認
まとめ
キャリアチェンジの転職に成功して入社をしてから、「思っていたイメージと実際の仕事が違った」となっては、本人にとっても会社にとってもよくありません。
キャリアチェンジの転職は、それだけ慎重に選考されるということを頭に入れておきましょう。
業界や職種の興味だけで終わっていないこと、具体的な行動に移していることなどで、転職への意思の固さを伝えることがアピールになります。
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス