既卒・フリーターから正社員として就職するときに、採用選考のひとつとして面接が行われます。
既卒・フリーターの就職面接では、よくされる定番の質問があります。
よくされる定番の質問は、採用するために確認しておきたい重要なポイントだということです。
定番の質問に対しては、正社員としての心構えができていることをアピールして、面接官の不安を払拭することが面接を通過するポイントになります。
既卒・フリーターの就職面接でよくされる質問に対して、どのように回答するのがよいか、具体例とともにご紹介します。
既卒・フリーターの面接でよくされる質問
採用選考・就職の面接
就職の面接は、正社員経験がない既卒者の採用選考では重要な比重を占めています。
人物重視の企業では、面接だけで採否が決定されることもあります。
面接は応募書類からは把握できない職務遂行に必要となる適性や能力を評価するために行われます。
企業は会話のなかから理解力や判断力、表現力などを評価して、採用基準をクリアするかどうかを総合的に判断します。
応募者は求人内容が自分の認識と合っているかを確認して、入社するかどうかを判断します。
採用面接の目的
- 応募者の志望動機や要望と企業の採用条件・労働条件などの情報交換をする
- 会話のなかから応募書類や求人票からだけではわからない情報を得る
- 情報を総合的に判断して採用・入社を決定する
Q.新卒のときに就職しなかったのはなぜですか?
既卒やフリーターから正社員として就職を希望する際の面接では、必ず質問されますので、自分なりの回答を準備しておきましょう。
回答例1
「2年間という目標で公務員を目指して、採用試験の勉強を続けてきました。
先日、残念ながら不合格という結果が出ましたので、目標を変えて就職活動中です。
大学でも専攻していたマーケティング分野の仕事に就くことを希望しています。」
回答例2
「語学留学の後、語学力の向上を目指して、そのまま現地でアルバイトをしていました。
語学力にも自信がつきましたので、日本に帰国して、サービス業に就きたいと考えて、就職活動中です。」
回答例3
「正直、新卒の就職活動では甘さがあったと反省しております。
この1年間、アルバイトではありますが、責任をもってホテルの仕事に従事してきました。
さまざまな経験を積み、いろいろなことを学ぶなかで、真剣にホテルの仕事を深めていきたいと思うようになり、今回の応募に至りました。」
解説
この質問では、無理に理由をこじつけるより、真摯に誠実な回答をする方が好印象です。
回答例1、2のケースは新たな目標にきっぱり方向転換をして、全力で取り組む覚悟があることを伝えます。
回答例3のケースでは真剣にアルバイトに取り組んだことで、仕事に対する考え方が変わったことを伝えます。
Q.なぜ正社員としての就職を希望しているのですか?
既卒・フリーターを経て、正社員として就職したい理由について確認されます。
面接官が最も気にすることのひとつです。
心配されていることを意識して、正社員として働きたいという思いを伝えましょう。
NG回答例
「将来的な安定を考えました。
今までも正社員と変わらない仕事をしてきましたが、アルバイトであったため給与が安かったり、保険に加入できなかったりと苦労がありました。
今後は、正社員として同じ仕事を続けられれば、安定した将来設計ができると思い、希望しました。」
OK回答例
「これまではアルバイトとして働いてきましたが、責任のある仕事を経験し、知識とスキルを身につけることができたと考えています。
今後は、正社員として、さらに厳しい環境で責任のある立場で自分自身を成長させて、会社に貢献したいと考え、正社員としての就職を希望しました。」
解説
この質問では、正社員としての志望動機を聞かれています。
NG回答例では、正社員となることで自分が得られるメリットを述べているだけで、企業としては採用する理由(メリット)が見つけられません。
OK回答例では、今までの経験で一定のビジネススキルが身についていることや自分の責任を自覚していること、応募企業に貢献したいということが伝わります。
Q.正社員となった場合、残業や社内行事への対応はできますか?
正社員として働くイメージができているかを確認されます。
アルバイトと同じような職務内容に思えても、正社員に求められる職務や責任の範囲が違うことを理解していることを伝えましょう。
NG回答例
「残業は月にどのくらいになるのでしょうか?
特別な事情がない限り対応できると思います。
社内行事は休日でしょうか?
できる限り参加するようにしたいと思います。」
OK回答例
「はい、問題ありません。
アルバイトのときにもシフト外の対応をすることがありました。
社内行事についても積極的に参加させていただきたいと考えています。」
解説
この質問では、正社員としての覚悟、仕事に対する姿勢を聞かれています。
NG回答例も対応すると答えているのですが、歯切れが悪く、意識が低い印象を与えます。
サービス残業などのブラック企業は問題ですが、適正な時間外労働は多くの企業で行われています。
前向きに取り組む姿勢が正社員として勤務する準備ができていることのアピールになります。
既卒・フリーターの面接準備
模擬面接とは
模擬面接とは、入室から質疑応答、退室までの面接の一連の流れを、実際と同じように練習してみることです。
事前に準備をして、頭のなかでは整理できていると思う内容であっても、面接の場面では、緊張などから思うようにいかないことも多いものです。
ぶっつけ本番ではなく、実際に声に出して、想定される質問に回答する練習をしておきましょう。
オンライン面接を行う企業が増えていますので、オンラインに対応できる準備も必要になってきています。
チェックポイント
- 姿勢
- 表情
- 声の大きさ
- 話すスピード(早口になっていないか)
- 回答のわかりやすさ
- 回答時間(1つの質問に1分が目安)
オンライン対応
- パソコンやアカウントの準備
- 安定した回線と静かな場所
- カメラや音声の確認
- 面接開始前の接続準備
- 接続トラブルに備えた確認

まとめ
既卒・フリーターの就職面接では、本音をそのまま正直に答えることが正解ではありません。
同じ内容であっても、ただ事実をそのまま伝えるのではなく、正社員として就職したいという熱意が伝わりやすい回答を工夫することが大切です。
社会人として責任のある職務に就く覚悟があること、自分が果たす役割を自覚していること、組織の一員として貢献する意思があることを、自分らしい表現でアピールしましょう。




【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス