転職・社会人採用の面接では、よくされる定番の質問があります。
よくされる定番の質問は、採用するために確認しておきたい重要なポイントであるということです。
職種にかかわらない定番の質問であっても、答え方には接客業として期待される内容があります。
評価されるのはコミュニケーション能力など対人スキルだけではありません。
接客業としての基準をクリアする必要があります。
転職の面接でよくされる質問に対して、接客業としてどのように回答するのがよいのか、具体例とともにご紹介します。
接客業の転職面接でよくある質問
転職・社会人採用の面接
転職・社会人採用の面接は、書類選考を通過した人に対して行われるのが一般的です。
応募書類からは把握できない職務遂行に必要となる適性や能力を評価するために行われます。
企業は応募書類の内容とギャップがないかを確認して、採用基準をクリアするかどうかを総合的に判断します。
応募者は求人内容が自分の認識と合っているかを確認して、入社するかどうかを判断します。
採用面接の目的
- 応募者の職務経験や要望と企業の採用条件・労働条件などの情報交換をする
- 会話のなかから応募書類や求人票からだけではわからない情報を得る
- 情報を総合的に判断して採用・入社を決定する
Q. なぜ転職しようと思ったのですか?
転職する理由は退職する理由やキャリアチェンジの理由として聞かれることもあります。
必ず確認されると思っておきましょう。
転職理由が不満からであっても、前向きな目的に転換して、転職でどう解決できるかが問われています。
NG回答例
「子ども服専門のショップに勤務しています。
かわいい服が多いのですが、本当に売りたいのは、自分自身も着たいと思える服だと感じていました。
売りたい服を販売したいという気持ちが強くなり、転職を決意しました。」
OK回答例
「現在は、子ども服を販売するショップに勤務しています。
プレゼント用の購入も多く、販売の勉強になりますが、年齢の近いお客様とのコミュニケーションを大切にしたレディースブランドに魅力を感じています。
同世代の情報も多く、現在より売上に貢献できると思い、転職を決意しました。」
解説
この質問では、退職(転職)の理由を聞かれています。
前職を批判するのではなく、販売職としての経験を活かす前向きな転職であることをアピールすることが大切です。
NG回答例では、自分が着たくない服でも売るのが販売の仕事ですので、考えが甘いと思われます。
OK回答例では、今の仕事も勉強になると肯定していて、販売に対する前向きな姿勢が伝わります。
同世代のお客様への対応も期待できると評価されます。
Q. なぜこの仕事を希望するのですか?
接客業という職種に対して、業務の理解や今後のビジョンが描けているかを確認するために質問されます。
転職理由やキャリアプランとの整合性を考えて回答する必要があります。
NG回答例
「スーパーで3年間勤務してきましたが、昇給がありませんでした。
1人暮らしには厳しく、このままの収入では生活ができないと悩んでいました。
御社の募集は給与・休暇など非常に好条件で、すぐに応募を決意しました。」
OK回答例
「スーパーで主に販売を担当してまいりました。
臨機応変な対応が求められる接客は、得意な方だと自信をもっています。
商品の説明やアドバイスが必要なホームセンターの仕事は、スーパーでの仕事以上に自分の強みを発揮できると思いました。
やりがいのある仕事で貢献できるチャンスですので、応募いたしました。」
解説
この質問では、接客業という職種についての志望動機を聞かれています。
「なぜ入社したいのか」の理由となる具体的な説明と、会社に貢献できることまでを伝えれば説得力のある志望動機になります。
NG回答例では、給与や休暇などの労働条件を志望動機にしていますので、接客業の志望動機としてアピールにつながりません。
労働条件は重要な問題ですが、そのまま志望動機にするのは不評です。
OK回答例では、接客業として応募先で活かせる強みまで説明しているので、説得力があります。
Q. 接客業として誇れる実績は何ですか?
即戦力としての実力をアピールできる質問です。
過去の実績から応募企業でも活躍できることが伝わるように工夫することが大切です。
NG回答例
「店長として、目標を達成するために、売上に影響するいろいろな要因をさぐりながら、努力してまいりました。
その結果、継続して売上目標を達成することができ、経営の安定にも貢献できました。」
OK回答例
「店長として、客層に合わせた商品管理を徹底することで、前年比20%アップの売上を実現できたことが1番の実績です。
日々の業務でも入口付近の商品配置を変えたり、店内清掃をこまめに実行するなどお客様に配慮した運営を心掛けていました。」
解説
販売職は顧客志向だけでなく、売上の視点も重要な評価対象です。
具体例や数字でわかりやすくアピールすることが大切です。
NG回答例では、内容があいまいで具体的な実績が伝わりません。
OK回答例では、具体的な数字をあげることで実績がわかりやすく、顧客を大切にしていることも伝わります。
接客業の模擬面接・面接準備
模擬面接とは
模擬面接とは、入室から質疑応答、退室まで面接の一連の流れを、実際と同じように練習してみることです。
頭の中では整理できている内容であっても、実際の面接では、緊張などから思い通りにいかないことも多いものです。
接客業の面接では、回答内容だけでなく、話し方や表情なども重視されます。
想定される質問に対して、声に出して回答する練習をしておきましょう。
オンライン面接を行う企業が増えていますので、オンラインに対応できる準備も必要になってきています。
チェックポイント
- 姿勢
- 表情
- 声の大きさ
- 話すスピード(早口になっていないか)
- 回答のわかりやすさ
- 回答時間(1つの質問に1分が目安)
オンライン対応
- パソコンやアカウントの準備
- 安定した回線と静かな場所
- カメラや音声の確認
- 面接開始前の接続準備
- 接続トラブルに備えた確認
まとめ
接客業の転職面接では、対人スキルはもちろん、ホスピタリティや顧客満足度、売上への視点、マネジメント力が評価されます。
ありきたりな内容ではなく、具体的なエピソードや事例で印象に残るアピールをすることが大切です。
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス