転職・中途採用の面接では、よくされる定番の質問があります。
よくされる定番の質問は、採用するために確認しておきたい重要なポイントであるということです。
職種にかかわらない定番の質問であっても、答え方には、看護・介護職として期待される内容があります。
評価されるのは職種や資格についての知識など専門性だけではありません。
転職の面接でよくされる質問に対して、看護・介護職としてどのように回答するのがよいか、具体例とともにご紹介します。
転職の面接でよくされる定番質問
転職・中途採用の面接
転職・中途採用の面接は、書類選考を通過した人に対して行われるのが一般的です。
応募書類からは把握できない職務遂行に必要となる適性や能力を評価するために行われます。
求人側は応募書類の内容とギャップがないかを確認して、採用基準をクリアするかどうかを総合的に判断します。
応募者は求人内容が自分の認識と合っているかを確認して、入社するかどうかを判断します。
採用面接の目的
- 応募者の職務経験や要望と企業の採用条件・労働条件などの情報交換をする
- 会話のなかから応募書類や求人票からだけではわからない情報を得る
- 情報を総合的に判断して採用・入社を決定する
Q. なぜ転職しようと思ったのですか?
転職する理由は退職する理由やキャリアチェンジの理由として聞かれることもあります。
転職理由が不満からであっても、前向きな目的に転換して、転職でどう解決できるかが問われています。
NG回答例
「看護師として大学病院での勤務は3年になりますが、夜勤など勤務のシフトが厳しいと感じるようになってきました。
体調を崩したことをきっかけに、次は自宅の近くで働きたいと思い、転職を決意しました。」
OK回答例
「看護師として3年間、大学病院で勤務してまいりましたが、レベルアップしたいと考えていました。
以前から地域に役立つ医療に関心がありましたので、地域医療に高い実績のある貴院で自分の力を発揮したいと考え、転職を決意しました。」
解説
転職(退職)の理由は必ず聞かれます。
前職を批判するのではなく、看護・介護職としての経験を活かす前向きな転職であることをアピールすることが大切です。
NG回答例では、労働条件は他の職場でも似ている可能性があり、近くであればどこの病院でもよいのだと受け取られます。
OK回答例では、自分のスキルを向上させて、役に立ちたいという前向きな姿勢が評価されます。
Q. なぜこの仕事を希望するのですか?
看護・介護という職種や応募する求人に対して、業務の理解や今後のビジョンが描けているかを確認されることがあります。
転職理由やキャリアプランとの整合性を考えて回答する必要があります。
NG回答例
「勤務していた有料老人ホームの人員が減ったことで、労働条件がさらに厳しくなり、シフトもきつくなりました。
一生懸命に働いているつもりですが、これ以上の待遇悪化には耐えられないと思い、体力的にもゆとりをもって勤務ができそうな御社への応募を決意しました。」
OK回答例
「有料老人ホームで勤務してきましたので、グループホームは大変な仕事だということはわかっているつもりです。
前職もやりがいがありましたが、祖母の介護で家族が苦労してきたのをみていますので、御社の募集を知り、お役に立ちたいと思い、応募を決心しました。」
解説
この質問では、志望動機を聞かれています。
「なぜ応募したのか」の理由となる具体的な説明と、採用されてから貢献できることまでを伝えれば説得力のある志望動機になります。
NG回答例では、職場の不満から楽な仕事を探しているように思われます。
ハードな環境はどこにでもあり、労働条件を志望動機にするのは不評です。
OK回答例では、単なる興味ではなく、実体験から仕事の大変さもわかったうえで応募していることに納得できます。
Q. 看護・介護職として心がけていることは何ですか?
看護・介護職としての適性をアピールできる質問です。
過去の経験から適性やホスピタリティ精神が伝わるように工夫することが大切です。
NG回答例
「介護保険は改正が多いので、ケアマネージャーとして正しい知識を常に把握しています。
現場では利用者の立場に寄りそって、できるだけ費用のかからないサービスをおすすめするようにしています。」
OK回答例
「ケアマネージャーとして利用者とご家族に効果的で最善なサービスを提供できるよう努めています。
市区町村やボランティア団体、NPOなどのサービスについても、多くの人と情報交換をして、関係者との協力関係、信頼関係を大切にしています。」
解説
この質問では看護・介護職としての適性や強みをアピールします。
看護・介護の職種では専門性以上にホスピタリティ精神や適性が重視されます。
ケアマネージャーの仕事は利用者や家族の要望に沿ったケアプランの作成が第一です。
NG回答例では、介護保険知識を把握することは当然の仕事ですし、費用がかからないサービスが最善とという判断は自分本位ともいえ、アピールになりません。
OK回答例では、職務に必要なスキルを理解し、日々、努力していることが伝わります。
看護・介護の面接準備
模擬面接とは
模擬面接とは、入室から質疑応答、退室まで面接の一連の流れを、実際と同じように練習してみることです。
頭の中では整理できている内容であっても、実際の面接では、緊張から思い通りにいかないことも多いものです。
一度は想定される質問に対して声に出して回答する練習をしておきましょう。
オンライン面接を行う企業が増えていますので、オンラインに対応できる準備も必要になってきています。
チェックポイント
- 姿勢
- 表情
- 声の大きさ
- 話すスピード(早口になっていないか)
- 回答のわかりやすさ
- 回答時間(1つの質問に1分が目安)
オンライン対応
- パソコンやアカウントの準備
- 安定した回線と静かな場所
- カメラや音声の確認
- 面接開始前の接続準備
- 接続トラブルに備えた確認
まとめ
看護・介護職の転職面接では、専門性はもちろんですが、ホスピタリティ精神や信頼関係を構築できるかどうかが評価されます。
実体験から得た考えや知識が説得力を高めます。
面接官の気持ちを動かすのは、どんな気持ちで仕事に取り組んでいるかどうかです。
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス