接客業はお客様をもてなす仕事です。
接客は企業イメージや売り上げに直接影響しますので、接客・接遇スキルは非常に重視されます。
接客業として働くために必須の資格があるわけではありませんが、関連する資格を取得することは接客・接遇のスキルアップにつながります。
接客・接遇に役立つ資格をご紹介します。
接客・接遇に役立つ資格
接客業とは
接客業とは、お客様をもてなす仕事のことです。
サービス業の一種で、案内・受付、販売、問い合わせの対応など、お客様と直接やり取りする業務が中心となります。
接客業は企業やお店、施設のイメージにや売り上げに影響しますので、働く人の接客・接遇スキルは重視されます。
接客業が活躍する業界
接客全般
接客業には、身だしなみや言葉遣いはもちろん、コミュニケーション能力も求められます。
サービス接遇検定
サービスマインドの育成を目的とした検定試験です。
サービス業務に対する心構え、対人心理の理解、応対の技術、態度・振る舞いなどが審査されます。
各級のレベル
- 1級
サービスの接遇実務について十分な理解、および高度な知識・技能を持ち、専門的なサービス能力が発揮できる - 準1級
2級合格者を対象に、サービス接遇担当者としての口頭表現について面接による審査を行う - 2級
サービス接遇実務について理解を持ち、一般的なサービスを行うのに必要な知識・技能を持っている - 3級
サービス接遇実務について初歩的な理解を持ち、基本的なサービスを行うのに必要な知識・技能を持っている
- 受験資格:制限なし
- 試験日:【1級筆記・2級・3級】6月、11月
- 試験地:全国の筆記試験会場から選択
- 試験形態
・1級:一次試験(筆記)と二次試験(面接)
・準1級:面接試験
・2・3級:筆記試験(選択問題と記述問題) - 試験内容(筆記試験)
・理論:サービススタッフの資質、専門知識、一般知識
・実技:対人技能、実務技能 - 合格率
・1級:35%程度
・準1級:80%程度
・2級:80~90%
・3級:80%程度 - 問い合わせ:公益財団法人 実務技能検定協会
接客サービスマナー検定
接客サービスの能力を判定する検定試験です。
接客サービスマナー検定の取得により、高度な接客サービス能力を身につけていることを証明できます。
各級のレベル
- 1級
接客サービスのプロとして経営の立場からも考えられるレベル - 準1級
ワンランク上のサービスを求めるお客様への対応ができるレベル - 2級
質の高い接客サービスが求められる分野での接客サービスマナー能力のレベル - 3級
接客サービスの仕事に就くのに最低身につけておきたいマナーの基本レベル
- 受検資格:制限なし
- 試験日:2月、5月、8月、11月
- 試験地
・個人受検:公開会場
・団体受検:認定された会場
・オンライン受検 - 試験形態
・1級:筆記試験+実技試験
・準1級:筆記試験+実技試験
・2級:筆記試験
・3級:筆記試験 - 試験内容
・基礎問題(敬語・席順・電話の応対など)
・ビジネスマナー
・漢字の読み書き
・外国人のお客様への対応
・シチュエーション問題
・サービス全般 - 問い合わせ:NPO法人 日本サービスマナー協会
レストラン・ホールスタッフ
レストランや飲食店の接客業には、お客様に失礼のない立ち振る舞い、適切なサービスの提供が求められます。
レストランサービス技能検定
レストランサービスの接客に関する知識や技能を証明する技能検定です。
料飲サービスに関する資格としては唯一の国家資格です。
各級のレベル
- 1級
レストランサービスの職種における上級レベルの技能・知識 - 2級
レストランサービスの職種における中級レベルの技能・知識 - 3級
レストランサービスの職種における初級レベルの技能・知識
- 受検資格:履修制限など
- 試験日:【学科】8月【実技】10~11月
- 試験地:全国9ヵ所の試験会場から選択
- 試験内容
・学科試験:食品衛生及び公衆衛生、料飲一般、レストランサービス、食文化、施設の管理等、苦情への対応、関係法規、安全衛生
・実技試験:レストランサービス作業 - 問い合わせ:一般社団法人 日本ホテル・レストランサービス技能協会
ソムリエ
ワイン全般に関する知識・技能を認定する民間資格です。
ワインの仕入れ、管理、販売方法、料理との組み合わせなどに関する業務のプロ資格です。
- 受験資格:アルコール飲料等の実務経験など
- 試験日:【1次】8月【2次】10月【3次】11月
- 試験地:【1次】47都道府県の会場【2・3次】全国の主要都市
- 試験内容
・1次:CBT試験(酒類・飲料の必須知識)
・2次:テイスティング、論述試験
・3次:サービス実技 - 合格率:30%程度
- 問い合わせ:一般社団法人 日本ソムリエ協会
販売員
百貨店やショップなどの接客業には、お客様のニーズに的確に応え、販売につなげることが求められます。
リテールマーケティング(販売士)検定
販売士は小売業界唯一の公的資格です。
販売や接客のみならず、マーケティングや経営管理まで専門知識が身につくため幅広い業界で高く評価されています。
各級のレベル
- 1級
マーケティングの責任者やコンサルタントとして戦略的に企業経営に関わる人材を目指す - 2級
販売促進の企画・実行をリードし、店舗・売場を包括的にマネジメントする人材を目指す - 3級
接客や売場づくりなど、販売担当として必要な知識・技術を身につけた人材を目指す
- 受験資格:制限なし
- 試験日:【1級】2月【2・3級】2月、7月
- 試験地:全国の商工会議所が指定する会場
- 試験内容
・小売業の類型
・マーチャンダイジング
・ストアオペレーション
・マーケティング
・販売・経営管理 - 合格率
・1級:20%程度
・2級:50%程度
・3級:45~65% - 問い合わせ:日本商工会議所
ファッションビジネス能力検定試験
ファッションビジネス能力検定試験は、ファッションに関わるさまざまな分野で活躍できる能力を証明する民間資格です。
ファッション業界での知名度は高く、生産、販売といったアパレル、百貨店や専門店などの流通で評価されます。
各級のレベル
- 1級:アパレルの実務経験5~6年のレベル
- 2級:実務レベル
- 3級:基礎レベル
- 受験資格:制限なし
- 試験日:【1級】1月【2・3級】6月、11月
- 試験地:【1級】東京【2・3級】協会が指定する会場
- 試験科目
・1級
マーケティング戦略、マーチャンダイジング戦略、流通戦略、マネジメント知識、ファッションビジネス知識
・2・3級
ファッションビジネス知識、ファッション造形知識 - 合格率
・1級:10%程度
・2級:50%程度
・3級:70%程度 - 問い合わせ:一般財団法人 日本ファッション教育振興協会
ファッションビジネス能力検定試験の過去問題集は日本ファッション教育振興協会事務局から購入することができます。
色彩検定
色彩検定は、感性に頼りがちな色に関する知識や技能を系統的に学び、実践的活用能力を身につけることができる公的資格です。
ファッション、美容、インテリア関係ではこの検定を受験する傾向があります。
各級のレベル
- 1級:プロフェッショナル向け
- 2級:実務に応用したい人向け
- 3級:初めて色を学ぶ人向け
- UC級:一般社会人向け
- 受験資格:制限なし
- 試験日:【1級1次】11月【1級2次】12月【2・3・UC級】6月、11月
- 試験地:全国11エリア
- 試験内容
・1級
色彩と色彩調和論、光と色、色の表示、ビジュアル、ファッションなど
・2級
生活と色、光と色、色の表示、色彩調和、配色イメージ、ビジュアルなど
・3級
色のはたらき、光と色、色の表示、色彩心理、インテリア、色彩調和など - 合格率
・1級:35%程度
・2級:65%程度
・3級:75%程度
・UC級:90%程度 - 問い合わせ:公益財団法人 色彩検定協会
シューフィッター
シューフィッターは足に関する基礎知識と靴合わせの技能を習得し、足の疾病予防の観点から正しく合った靴を販売するシューフィッティングの専門家です。
資格取得者が少ないため靴販売店のニーズが高く、評価されます。
コースの内容
- プライマリーコース:初級
- バチェラーコース:上級
- 受験資格
・プリマリー(初級):制限なし
・バチェラー(上級):プライマリー有資格者 - 取得方法:通信講座受講、スクーリング、課題提出、実務経験など
- 問い合わせ:一般社団法人 足と靴と健康協議会
まとめ
接客業には、ニーズに応えるサービスの提供だけでなく、ホスピタリティまで求められるようになっています。
接客・接遇スキルだけでなく、語学力を磨くことで活躍のチャンスが広がります。
スキルアップとして取得した資格はどの業界に進んでも活かすことができるでしょう。




