キーワード解説
ニート
ニートとは、英語のnot in emopoyment, education or training(NEET)の頭文字をとった造語のことです。
就職や進学をしていない、職業訓練を受けるなどの求職活動をしていない人(35歳未満くらい)のことを意味しています。
日本の統計上では、
「15~34歳の非労働力(就業していない、求職活動を行っていない)のうち、主に通学でも、主に家事に従事するでもない」人を指しています。
1990年代後半以降、企業が新卒採用を抑制するようになり、若年者の就業率が悪化してきたことが背景にあるとされています。
高校卒業のあとでは、若いほどニートになりやすい傾向があります。
近年、企業では新卒採用枠を既卒者にまで拡大する動きが広がっていて、若年層の就職チャンスは拡大しています。
早期離職
一旦、正社員として就職しても短期間で仕事を辞めて、ニートになってしまうケースは多くあります。
仕事内容が合わなかったり、実際の仕事とのギャップなどで、数日~数ヵ月で早期離職したような場合には、すぐに正社員として就職活動することには消極的になり、ニートになることが少なくありません。
非正規雇用
景気変動の影響を受けるなど、新卒の就職活動で正社員として就職できなかった学生が非正規雇用やニートとなる可能性があります。
一旦は正社員として就職しても早期に離職して、その後は正社員としての就職活動はせず、アルバイトなど非正規雇用の働き方を選ぶ人もいます。
アルバイトの方がやりたい仕事に就きやすかったり、収入に満足していると正社員を選ぶ必要はないと考えている状況があります。
若者の就職支援
わかものハローワークでは、正社員就職を目指す若者(おおむね35歳未満)を対象に、さまざまな就職支援を行っています。
都道府県が主導する若者の就職支援も積極的に展開されています。
ジョブカフェ(若年者のためのワンストップサービスセンター)は、若者の就職支援をワンストップで行う施設です。
ジョブカフェの多くは県庁所在地にあります。
厚生労働省でも、都道府県の要望に応じてジョブカフェにハローワークを併設し、職業紹介等を行うなど、都道府県と連携しながら支援に取り組んでいます。
トライアル雇用
働いた経験が少ないことなどから安定した職業に就くことが難しくなっている人や期間の定めのない雇用(無期雇用)での就職に不安のある人などが、無期雇⽤への移⾏を前提として、 原則3ヵ月間その企業で試⾏的に働いてみるトライアル雇用の制度があります。
無期雇用へ移行することを目的として、3ヵ月以内の期間を定めて有期労働契約を結び、雇用期間を実質的な試用期間としています。
トライアル雇用の期間中は、仕事や企業についての理解を深めることができます。
トライアル雇用が終わったあとは、約7割の人が無期雇用に移行しています。
トライアル雇用期間が終了した時点で、企業が求める業務遂行の能力を満たさない場合などは、無期雇用に移行しないこともあります。
トライアル雇用の求人は、ハローワークなどで紹介が受けられます。
ハローワークインターネットサービスを使えば、ハローワークに出されている求人から「トライアル雇用求人」を探すことができます。
トライアル雇用の対象
以下のいずれかの要件を満たし、トライアル雇用を希望した場合に対象となります。
- 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する人
- 紹介⽇時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業(正社員等)に就いていない人(既卒・フリーター・ニートなど)
- 紹介⽇の前⽇から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している人
- 紹介⽇の前⽇時点で、離職している期間が1年を超えている人
- 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介⽇の前⽇時点で、安定した職業に就いて いない期間が1年を超えている人(パート・アルバイトなどを含め一切の就労をしていないこと)
- 就職の援助を⾏うに当たって、特別な配慮を有する人
トライアル雇用の流れ
- ハローワークや民間の職業紹介事業者などへ求職登録・就職相談
- トライアル雇用対象の求人紹介
- トライアル雇用採用(選考面接)
- トライアル雇用開始
- 常用雇用への移行要件の確認
- トライアル雇用終了(常用雇用移行の判断)
- 常用雇用へ移行(または雇用期間満了)
一般トライアルコース
職業経験、技能、知識などから安定的な就職が難しくなっている求職者について、ハローワークや職業紹介事業者などの紹介により、一定期間試行的に働いていみるコースです。
試行雇用の期間中に、適性や業務遂行可能性を見極め、求職者と企業がお互いに理解を深めることで、希望する仕事に就ける可能性やチャンスを広げることを目的としています。
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス