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プラントエンジニアリングの業界研究【概要・動向】

石油精製や化学などのプラントメーカーは、調査・企画・設計・施工・施工管理などを一括して請け負い、エンジニアリング機能を持っています。

プラントエンジニアリングは巨大プロジェクトを受注する産業です。

転職・就職で押さえておきたいプラントエンジニアリング業界の概要と動向についてご紹介します。

プラントエンジニアリングとは

プラントとは、一般的に大型の生産設備を指すとされています。

石油精製や石油化学、電力、通信、製鉄、海洋資源開発などの機械装置や設備・工事などを統合したシステムで、こうしたプラントを一括して請け負うメーカーは総合エンジニアリング会社として機能しています。

東南アジアなどが主な市場です。

工期が長期間になるため、さまざまなリスク管理が重要となります。

【専業大手】

  • 日揮ホールディングス
  • 千代田化工建設
  • 東洋エンジニアリング

プラント専業

プラント専業の国内大手3社は、総合エンジニアリング会社として巨大プロジェクトを手掛けています。

日揮ホールディングス

総合エンジニアリング国内首位。

世界でも有力な独立系の総合エンジニアリング会社です。

エネルギー分野ではすべての領域をカバーし、特にLNGプラントでは世界トップクラスです。

  • 設立:1928年10月25日
  • 本社:神奈川県
  • 従業員数:7,275人
  • 平均年齢:44歳

千代田化工建設

三菱系の総合エンジニアリング会社。

LNGプラント建設で高い技術力を持っています。

多種多様なプラントを対象に幅広いサービスを提供しています。

  • 設立:1948年1月20日
  • 本社:神奈川県
  • 従業員数:4,018人
  • 平均年齢:42歳

東洋エンジニアリング

投資ファンドの出資を受けて経営再建中。

化学肥料プラントに強みがあります。

  • 創業:1961年5月1日
  • 本社:千葉県
  • 従業員数:5,900人
  • 平均年齢:43歳

プラント関連企業

脱炭素を背景とした新エネルギー分野など市場は拡大する見込みです。

プラント開発が世界的に活性化することが期待されています。

日立造船

ごみ焼却発電など環境・プラント。

造船事業からは撤退し、事業の選択と集中を進めています。

  • 設立:1934年5月29日
  • 本社:大阪府
  • 従業員数:11,540人

JFEエンジニアリング

エネルギープラント。

LNGや石油などの資源を受け入れ、貯蔵し、製品に変えて供給する設備を構築しています。

  • 本社:東京都、神奈川県
  • 従業員数:約10,000人

日鉄エンジニアリング

製鉄プラント。

製鉄会社から生まれた事業として製鉄プラントや関連設備の建設を行っています。

  • 本社:東京都
  • 従業員数:4,485人

三菱重工エンジニアリング

三菱重工のエンジニアリング部門から分離独立したエンジニアリング会社。

交通システム、化学プラントなど社会インフラのエンジニアリングを行っています。

  • 設立:2018年1月1日
  • 本社:神奈川県

三井E&Sホールディングス

造船・重機大手。

事業の多角化を進め、プラントエンジニアリングの分野にも力を入れています。

  • 設立:1937年7月31日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:6,665人

IHIプラント

石油・石油化学、バイオケミカル、ファインケミカル、水処理などのプラント事業を展開しています。

  • 設立:1969年9月1日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:702人

プラントエンジニアリング売上高

順位企業名売上高
(百万円)
1日立造船441,797
2日揮ホールディングス428,401
3千代田化工建設311,115
4JFEエンジニアリング310,366
5日鉄テックスエンジ268,053
6東洋エンジニアリング202,986
7東芝プラントシステム180,660
8日鉄エンジニアリング177,687
9レイズネクスト129,832
10太平電業126,908
11三菱ケミカルエンジニアリング89,913
12三菱重工環境・化学エンジニアリング69,851
13西日本プラント工業66,925
14中部プラントサービス66,522
15日立プラントコンストラクション64,166
16四電エンジニアリング63,759
17高田工業所47,243
18東レエンジニアリング46,528
19コベルコ E&M42,217
20コスモエンジニアリング33,640

(帝国データバンク『業界動向2023-Ⅰ』より)

エンジニアリングの業務

エンジニアリングの仕事は、さまざまな分野のエキスパートで構成されたプロジェクトチームで進められます。

システム設計

システム設計の業務は、機械・電気系などのエンジニアが基本設計・詳細設計を担当し、プロセスを組み立て、必要なノウハウを収集する役割を担います。

コスト管理

コスト管理の業務は、入札の見積りからプロジェクトの完了まで、プロジェクトをコスト面で管理する役割を担います。

アドミニストレーション

アドミニストレーションの業務は、プロジェクトに携わる大勢の人を衣食住を含めて支える役割を担います。

語学力やグローバルな視点が求められます。

法務

法務の業務は、クライアントとの契約やプロジェクトの進行を法的にサポートする役割を担います。

プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントの業務は、プロジェクトメンバーをまとめて、円滑な組織運営を行うことです。

さまざまなリスク管理を行い、プロジェクトを完遂させる役割を担います。

エンジニアリングの採用市場

エンジニアリングのプロジェクトは最先端の技術を世界のさまざまな現場環境で行います。

ニーズの高い技術系を中心として、国際ビジネスで活躍できるエキスパートが求められます。

語学力や多様な視点を持っていることが必要とされます。

生産機械製造業の給与

区分20~24歳25~29歳43.1歳
(平均)
所定内労働時間168時間169時間169時間
残業18時間21時間17時間
月収235,300円273,200円350,200円
年間賞与等518,300円743,900円1,081,100円
年収3,341,900円4,022,300円5,283,500円

(厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より)

まとめ

プラントエンジニアリング業界は、新興国の経済成長や脱炭素化を背景に、エネルギーやインフラ需要が増え、市場は拡大すると見られています。

各社はコロナ禍で影響を受けましたが、経済回復が進み、プラント開発の活性化が期待されています。

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製造技術者の仕事
製造業の技術者とは、食品、電気・電子、機械、化学などの製品の開発・設計から生産の技術的な業務に従事する技術者のことです。

 

【参考】
・一般財団法人 エンジニアリング協会
・東洋経済新報社『四季報業界地図2023年版』
・日本経済新聞出版『日経業界地図2023年版』