印刷会社の業界研究


印刷業界では紙から電子媒体へのシフトに伴い、生産性向上や新事業の開発などで収益力強化を図っています。

変化する印刷会社の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

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印刷業界の最新動向(2020年)

印刷産業とは

印刷は、もともと「版を媒介にして、文字や図などを紙等にインキで定着させ、複製物を大量に製造する」ことと定義され、印刷とそれに付帯する業種を印刷産業と呼んできました。

印刷産業は製造業であるとともに、印刷物そのものが情報発信ツールになっていることから、メディア産業にも位置付けられ、コンテンツ・ビジネスを担うようになっています。

業界の動向

大日本印刷と凸版印刷の大手2社は非印刷分野の強化を急いでいます。電子コンテンツや販促支援などIT活用に注力しています。

印刷物

印刷物には書籍や雑誌などの出版印刷、広告やチラシ、パンフレットなどの商業印刷、パッケージ全般の包装印刷、ハガキや帳票類の事務用印刷などがあります。

紙の印刷需要は落ち込みが続き、中堅は商業印刷やパッケージ印刷など得意分野に集中して生き残りを図っています。

印刷の内訳

区分生産金額(百万円)
出版印刷4,722
商業印刷10,395
証券印刷515
事務用印刷4,463
包装印刷5,860
建装材印刷1,262
その他の印刷1,100
合計28,317

(経済産業省生産動態統計2019年)

印刷会社

印刷市場は凸版印刷、大日本印刷の大手2社が全体の7割近くを占めています。業界は大手、中堅印刷会社を頂点に多くの中小印刷会社が下請け・孫請けの関係にあります。多くを占める地方の印刷会社は大都市の大手企業から受注を行っています。

凸版印刷

凸版印刷は1900年に大蔵省印刷局出身の技術者を中心に創立された「凸版印刷合資会社」が前身となっています。創業以来、印刷技術を核にしながらエレクトロニクス分野まで事業領域を拡大してきました。売上は情報コミュニケーション事業が5割を超えています。

  • 従業員数:51,712人
  • 平均年齢:42歳

大日本印刷

大日本印刷は1876年に日本で初めて西洋活版印刷の技術を導入した本格的な印刷会社秀英舎として創業しました。VR(仮想現実)向けの作成に乗り出すなど、ITを活用した販促事業にも注力しています。

  • 従業員数:38,051人
  • 平均年齢:42歳

トッパン・フォームズ

トッパン・フォームズは帳票などのビジネスフォームを中心とする印刷事業のほか、ICT(情報通信技術)事業、商品事業、海外事業に取り組んでいます。システム運用管理サービス拡大などで、増益となっています。

  • 従業員数:10,586人
  • 平均年齢:44歳

共同印刷

共同印刷の事業は定期刊行物や書籍、一般商業印刷、電子書籍の出版商印部門が全体の5割を占めています。さまざまなソリューションサービスを展開し、ITを活用した販促支援サービスを強化しています。

  • 従業員数:3,054人
  • 平均年齢:42歳

図書印刷

図書印刷は凸版印刷グループとして雑誌、コミック、教科書、フリーペーパーに強みがあります。特にコミックの印刷では国内最大のシェアを持っています。

  • 従業員数:1,579人
  • 平均年齢:42歳

NISSHA

NISSHAは美術印刷を得意とする中堅印刷会社です。高い技術は美術印刷だけでなく、産業資材、電子事業の分野にも活かされ、売上高の7割は産業資材、電子事業が占めています。

  • 従業員数:5,861人
  • 平均年齢:41歳

中堅印刷会社

  • 共立印刷:情報誌印刷に強み
  • 広済堂:公共関連印刷に強み
  • 竹田印刷:デジタル印刷を強化
  • 光村印刷:商業印刷を強化
  • 三浦印刷:一括請負に注力
  • サンメッセ:書籍、チラシ、包装まで総合印刷
  • 福島印刷:広済堂と業務提携

印刷会社の電子書籍ビジネス

紙媒体の市場規模は縮小を続けていますが、電子出版の市場規模は拡大を続けています。印刷会社は電子書籍市場で中心的な役割を担っています。

トゥ・ディファクト

トゥ・ディファクトは大日本印刷グループの電子書籍、電子書店です。NTTドコモの決済システムなどを使って販売する仕組みで、文芸書を中心に電子書籍を配信しています。

ブックライブ

BookLive!は凸版印刷グループの電子書籍ストアです。共通のIDでスマートフォン、タブレット、PCなど複数の端末で読むことができます。

印刷業界の売上高ランキング

印刷業

順位企業名売上高(百万円)
1凸版印刷1,464,755
2大日本印刷1,401,505
3トッパン・フォームズ225,810
4NISSHA207,404
5共同印刷97,782
6大阪シーリング印刷96,956
7電通テック86,091
8佐川印刷68,437
9朋和産業60,990
10図書印刷52,435
11共立印刷46,121
12朝日印刷39,331
13廣済堂36,195
14竹田印刷36,155
15中本パックス33,942
16東洋紙業33,582
17日立ドキュメントソリューションズ32,300
18プリントパック30,800
19メイワパックス27,899
20グラフィック23,955

(帝国データバンク『業界動向2020-Ⅰ』より)

印刷業界の採用市場

印刷会社の職種

印刷会社特有の業務があり、それぞれの職種で専門性が求められます。

DTP(デスクトップ・パブリッシング)

DTPの普及により、デザイン、版下作成、製版の工程がコンピューター上で一人の作業者が行えるようになっています。

  • フィルム・PS版方式(CTF方式)
  • CTPプレート方式
  • オンデマンド方式

プレス・ポストプレス

プレスの仕事は刷版の取付け、交換などから機械の操作、印刷中の検査、機械の調整、給排紙作業、印刷物の運搬、機械保守などのプロセスです。ポストプレスの仕事は印刷物の断裁、折り、丁合から製本、光沢加工など印刷工程の仕上げ加工です。

印刷の生産管理

印刷業の生産管理は印刷物の資材調達、進捗管理、外注管理、発送・配送管理および品質管理なども行います。印刷工程全般のプロデューサーといえます。

印刷の営業

印刷業の営業の仕事は顧客開拓中心から自社の優位性や企画力を売る提案型の商品・サービスの営業が必要になっています。ネットによる受注も増えていることから、営業のスタイルも大きく変わってきています。

印刷・印刷関連業の給与

区分20~24歳25~29歳43.1歳(平均)
所定内労働時間171時間172時間170時間
残業19時間19時間16時間
月収234,300円255,100円312,900円
年間賞与等336,100円460,500円606,900円
年収3,147,700円3,521,700円4,361,700円

(厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」より)

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まとめ

紙媒体の印刷需要は減少傾向ですが、デジタル印刷の普及により必要なものを必要な時に必要な部数だけ印刷するオンデマンド印刷など新しいビジネスモデルが誕生しています。印刷各社は、より付加価値の高い製品やサービスの拡大を目指しています。

転職・就職に役立つ業界天気図一覧(2020年)
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