放送(地上波・衛星・有線・IP)の業界研究


放送業界を取り巻く環境はテレビとインターネットの融合を軸として大きく変化しています。

各局は動画配信サービスに力を入れるようになっています。

放送の転職・就職で押さえておきたい業界の動向、収入高ランキング、採用市場をご紹介します。

放送業界の最新動向(2022年)

放送とは

放送とは「公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信」と放送法で定義されています。

主に無線電波を使用する放送として基幹放送、それ以外を一般放送と区分しています。

放送の種類によって、利用する周波数帯が異なります。

送信方法の違いによる分類

  • 地上放送:NHK、民間放送
  • 衛星放送:BS・CS放送
  • 有線放送:ケーブルテレビ
  • IP放送:IPTV

地上テレビ放送

地上テレビ放送には、受信料が収益源のNHKと広告収入がメインの民間地上テレビ放送局(民放)があります。

民放では、東京を拠点とするテレビ局が、全国のネットワーク系列を通じて番組を提供しています。

テレビ広告の伸びは限定的で、ネット広告へシフトしています。

日本テレビホールディングス(日本テレビ)

日本テレビは1953年に民放テレビ局として初めて放送をスタートしました。

視聴率、収益ともにトップです。

  • 従業員数:4,764人
  • 平均年齢:49歳
  • 全国紙:読売新聞グループ本社
  • 読売テレビ放送、中京テレビ放送などNNN30局
  • BS日本、CS日本
  • 日テレテクニカルリソーシズ
  • 日テレアックスオン
  • バップ
  • 日本テレビ音楽など

テレビ朝日ホールディングス(テレビ朝日)

テレビ朝日の開局は1959年で、開局当時は日テレとTBSを追う形でした。

番組コンテンツの強化に取り組み、視聴率の獲得には成功したものの、増収には結びついていない状況です。

  • 従業員数:5,229人
  • 平均年齢:42歳
  • 全国紙:朝日新聞社
  • 朝日放送、名古屋テレビ放送などANN26局
  • ビーエス朝日、シーエス・ワンテン
  • テレ朝動画、AbemaNewsなど

TBSホールディングス(TBS)

東京放送は首都圏をエリアにするラジオ局のラジオ東京を前身として、1955年に開局しました。

経営的には厳しい状況がありますが、不動産事業が貢献しています。

  • 従業員数:6,134人
  • 平均年齢:48歳
  • 全国紙:毎日新聞グループホールディングス
  • 毎日放送、中部日本放送などJNN28局
  • TBSラジオ、BS-TBS
  • 日音、TBSサービス
  • 緑山スタジオ・シティなど

フジ・メディア・ホールディングス(フジテレビ)

フジテレビはラジオ局の文化放送やニッポン放送が中心となり設立し、1959年に放送を開始しました。

事業の多角化を進めています。

  • 従業員数:6,880人
  • 平均年齢:44歳
  • 全国紙:産業経済新聞社
  • 関西テレビ放送、東海テレビ放送などFNN28局
  • ニッポン放送、BSフジ
  • フジクリエイティブコーポレーション
  • ポニーキャニオン
  • サンケイリビング新聞社、ディノス、セシール
  • サンケイビルなど

テレビ東京ホールディングス(テレビ東京)

テレビ東京ホールディングスは地上放送事業、放送周辺事業、BS放送事業、インターネット・モバイル事業を展開しています。

  • 従業員数:1,618人
  • 平均年齢:47歳
  • 全国紙:日本経済新聞社
  • テレビ大阪、テレビ愛知などTXN6局
  • テレビ東京、BSジャパン
  • テレビ東京制作
  • テレビ東京メディアネット
  • テレビ東京コミュニケーションズなど

日本放送協会(NHK)

日本放送協会(NHK)は受信料収入を経営基盤とした公共放送事業です。

NHKの規模は強大で、事業収入も民放と比べて大きく上回っています。

  • NHKエンタープライズ
  • NHKグローバルメディアサービス
  • NHKビジネスクリエイト
  • NHKテクノロジー
  • NHKアート
  • NHKエデュケーショナル
  • NHK出版など

衛星放送

衛星放送は人工衛星を用いて宇宙から電波を送信して、広い範囲に放送を提供します。

有料の衛星放送は民間地上放送と異なり、広告収入に頼らないビジネスモデルです。

WOWOW

日本衛星放送(WOWOW)は初の民間衛星放送として1990年に放送を開始しました。

契約者数を順調に伸ばしてきましたが、現在は足踏み状態にあります。

  • 従業員数:588人
  • 平均年齢:41歳

スカパーJSATホールディングス

スカパーJSATが衛星基幹放送および衛生一般放送のプラットフォーム事業者になっています。

プラットフォーム事業者としてスカパー!とスカパー!プレミアムのサービスを提供しています。

  • 従業員数:846人
  • 平均年齢:50歳

ケーブルテレビ

ケーブルテレビはテレビ電波が届かない地区に有線ケーブルで放送を配信するシステムとして導入されました。

その後、自主放送や都市型ケーブル事業者が登場し、多チャンネルに対応したシステムとして成長してきました。

JCOM(旧ジュピターテレコム)

ジェイコムはグループケーブルテレビ局を全国に有する日本最大のMSO(多施設所有事業者)です。

関東や近畿など中心に事業展開しています。

  • 従業員数:16,858人

IPTV

IPTVはインターネット・プロトコルを用いて放送や映像配信を行います。

4K・8K対応が着実に進んでいます。

ひかりTV

NTTぷららが提供する「ひかりTV」はIPTV最大手です。

自主放送やビデオ・オン・デマンドについてはすでに4Kに対応しています。

動画配信サービス

ビデオ・オン・デマンドのサービスが動画配信として急速に普及しています。

定額制による動画配信サービスの競争は激化しています。

AbemaTV

AbemaTVはテレビ朝日とサイバーエージェントが共同で始めた無料動画配信サービスです。

スマホ専用アプリを利用して、ニュースや音楽、ドラマ、アニメなどが視聴できます。

テレビ系動画配信

  • TVer
  • Paravi
  • FOD
  • テレ東BIZ
  • NHKプラス

ラジオ放送

民間ラジオ放送には、FM局は3系列、AM局は2系列のネットワークがあります。

ラジオ各局の放送をインターネットを通じて配信するサイマルラジオ「ラジコ」の利用者が増加しています。

FM

  • JFN:エフエム東京など
  • JFL:J-WAVEなど
  • MEGA-NET

AM

  • NRN:文化放送、ニッポン放送など
  • JRN:TBSラジオなど
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放送業界の収入高ランキング

地上波テレビ放送

順位企業名収入高(百万円)
1日本放送協会(NHK)716,283
2日本テレビ放送網286,314
3フジテレビジョン217,577
4テレビ朝日199,425
5TBSテレビ189,615
6テレビ東京95,136
7朝日放送グループホールディングス78,344
8MBSメディアホールディングス60,139
9讀賣テレビ放送58,946
10関西テレビ放送50,033
11中京テレビ放送26,825
12RKB毎日ホールディングス22,691
13CBCテレビ21,711
14名古屋テレビ放送19,603
15九州朝日放送14,883
16札幌テレビ14,299
17東京メトロポリタンテレビジョン13,993
18福岡放送13,495
19テレビ西日本12,232
20北海道テレビ放送11,406

衛星放送・CATV・ラジオ放送

順位企業名収入高(百万円)
1JCOM322,640
2ジェイコム東京131,963
3ジェイコムウエスト130,798
4スカパーJSAT113,897
5ジェイコム湘南・神奈川86,617
6WOWOW79,165
7ジェイコム埼玉・東日本77,044
8スカパー・エンターテイメント45,349
9ジェイ・スポーツ16,993
10BSテレビ東京16,065
11BS-TBS15,374
12BS日本15,232
13ビーエスフジ14,305
14ビーエス朝日14,278
15ニッポン放送12,286
16エフエム東京10,552
17TBSラジオ8,492
18文化放送6,369
19J-WAVE4,192

(帝国データバンク『業界動向2022-Ⅰ』より)

放送業界の採用市場

放送業界の求人・転職

放送業界の募集は限られていますので、求人の人気は高く、競争率が高くなります。

放送業界への転職は、自分だけで活動するよりも、業界に強い転職エージェントを上手に活用することをおすすめします。

自分だけで活動しても見つけられないチャンスに出会える可能性が高まります。

放送業の給与

区分20~24歳25~29歳41.6歳(平均)
所定内労働時間153時間155時間158時間
残業15時間19時間14時間
月収252,400円305,100円452,500円
年間賞与等588,900円1,296,600円2,133,300円
年収3,617,700円4,957,800円7,563,300円

(厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」より)

放送業界の転職活動

転職エージェントの転職支援サービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアコンサルタントが転職をサポートしてくれます。

非公開・好条件の求人紹介だけでなく、専任のキャリアコンサルタントによる企業ごとの書類作成や面接対策などで選考通過率のアップが期待できます。

キャリアごとの転職支援

まとめ

変化する放送業界のなかで、今後も拡大が見込まれる定額動画配信サービスは業界の競争を激化させると予想されます。

放送業界はテレビだけでない、新たなメディアとして総合力が問われる時代になっています。

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