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半導体の業界研究【概要・企業・動向】-転職・就職に

半導体は、さまざまな製品に搭載され、社会生活を支えています。

半導体市場は、AIやIoTの広がりで需要が増加しています。

短期的には変動がありますが、長期的には成長を続けると予想されます。

転職・就職で押さえておきたい半導体業界の動向、売上高ランキング、採用市場をご紹介します。

半導体業界の最新動向(2023年)

半導体業界

半導体業界には、半導体素子の製造、半導体素子を集積したIC(集積回路)の製造・組み立て、半導体製造装置などの事業があります。

半導体は、トランジスタが誕生してから、ICと呼ばれる集積回路になり、さらに集積度は向上し、LSIから超LSIへと進化を積み重ねてきました。

半導体は技術革新のスピードが速く、巨額の研究開発費と設備投資で高性能な製品を作り続けるビジネスです。

AIやIoT、自動運転などの普及で、半導体の重要性が増しています。

業界の動向

電動化が進む自動車向けや通信インフラ向けの半導体需要が高まっています。

今後も幅広い分野で半導体市場の拡大が続く見込みです。

各社の業績は好調ですが、高水準の需要が続き、世界的な半導体不足で最終製品の生産には影響が出ています。

半導体の量産へ向けて、トヨタやNTT、ソニーグループなどが出資して、新会社「Rapidas」を設立しました。

半導体と関わりの深い産業

半導体の世界シェア(2021年)

  1. サムスン電子(韓)
  2. インテル(米)
  3. SKハイニックス(韓)
  4. マイクロン・テクノロジー(米)
  5. クアルコム(米)
  6. ブロードコム(米)
  7. メディアテック(台)

半導体製造装置の世界シェア(2021年)

  1. アプライドマテリアルズ(米)
  2. ASML(蘭)
  3. 東京エレクトロン
  4. ラムリサーチ(米)
  5. KLA(米)
  6. SEMES(韓)
  7. SCREENホールディングス

メモリ

メモリ半導体は、データを電気的に記憶するもので、DRAMやフラッシュメモリ、SRAMなどがあります。

ビッグデータの活用が広がり、データセンター向けメモリ需要が拡大しました。

深刻な半導体不足は、解消し始めています。

サムスン電子(韓)

DRAM、NAND型フラッシュメモリ最大手。

新しいメモリデバイスやマルチチップパッケージの開発にも積極的に取り組んでいます。

SKハイニックス(韓)

韓国内においてサムスン電子に次ぐ半導体メーカー。

メモリ以外の領域においても多数の半導体製造を行っています。

マイクロン・テクノロジー(米)

米国のDRAMメーカー。DRAM世界3位。

NAND型フラッシュメモリについても、より高度なエンジニアリング技術で設計上の課題解決に取り組んでいます。

キオクシアホールディングス(日)

旧東芝メモリ。NAND型フラッシュメモリ世界2位。

東芝からメモリ事業を分社化し、早期上場を目指しています。

ロジック

ロジック半導体は、組み合わせることで複雑な回路を設計し、さまざまな機能を担うことができます。

コンピューターのCPUにかかせないデバイスとなっています。

テレワークやオンラインサービスの広がりにより、パソコンやタブレットなどデジタル機器向けの需要が増えています。

インテル(米)

パソコンやサーバー向けプロセッサ世界最大手。

パソコンのCPUシェアは8割以上を占めています。

産業機器や家電製品に内蔵される組込みシステムへの挑戦も続けています。

クアルコム(米)

携帯電話用チップで世界標準を握るファブレス企業。

スマートフォン用で急成長し、スマホ向けプロセッサ世界最大手です。

ブロードコム(米)

通信用の半導体を製造販売するファブレス企業。

コンシューマデバイス部品も多数供給しています。

メディアテック(台)

モバイル向けSoC分野で拡大を続けるファブレス企業。

スマートフォンに強みがあります。

アドバンスト・マイクロ・デバイス(米)

CPUの世界大手。

カナダの画像処理半導体大手ATIテクノロジーズの買収で、GPUが急成長しました。

エヌビディア(米)

画像処理半導体(GPU)の大手。

パソコンやゲームのほかに、AIや自動運転でも成長しています。

マイコン

マイコンは、マイクロコントローラーの略で、制御用として使われます。

IoT時代に向けて、自動車向けや産業機器向けの需要が高まっています。

NXPセミコンダクターズ(蘭)

マイコン世界首位。

汎用製品を全世界対象に提供・販売しています。

ルネサスエレクトロニクス(日)

ルネサステクノロジとNECエレクトロニクスの経営統合によって設立された国内有数の半導体メーカー。

車載マイコンで世界トップクラス。

  • 設立:2002年11月1日(営業開始日2010年4月1日)
  • 本社:東京都
  • 従業員数:20,962人
  • 平均年齢:47歳

インフィニオンテクノロジーズ(独)

車載半導体やパワー半導体の世界大手。

車載用や産業用のほか、さまざまな分野に半導体製品やソリューション提供を行っています。

アナログ

アナログ半導体は、音や光などのアナログ信号に対応し、電源や動力の制御機能を持っています。

自動車や通信機器、医療機器などで利用される重要な技術です。

テキサス・インスツルメンツ(米)

アナログ半導体最大手。

アナログICと通信用に注力しています。

今後の成長が期待される医療やエネルギー、セキュリティなどの分野に合わせたソリューションを展開しています。

STマイクロエレクトロニクス(スイス)

アプリケーション専用のアナログIC、車載用ICに強み。

FA用ICのほか、電源用ICなど幅広く展開しています。

ソニーグループ(日)

ソニーグループへ社名変更。

画像センサー世界首位。

スマホ向けCMOSイメージセンサーの圧倒的なシェアで、車載向けへの拡大も進めています。

  • 設立:1946年5月7日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:108,900人
  • 平均年齢:42歳

ファウンドリー(受託生産会社)

サムスン、インテルなどの大手メーカーは自社で半導体を製造する場合もありますが、設計と製造を分業して、半導体受託製造(ファウンドリー)に委託する企業もあります。

TSMC(台)

ファウンドリー世界最大手。

日本の熊本県に半導体工場を建設することになりました。

半導体製造装置

半導体製造装置の日本メーカーに対する評価は高く、世界トップレベルです。

半導体メーカーの設備投資が追い風となり、当面、好調が続く見通しです。

東京エレクトロン(日)

半導体製造装置の国内最大手。

エッチング装置、成膜装置に注力しています。

  • 設立:1963年11月11日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:15,634人
  • 平均年齢:44歳

SCREENホールディングス(日)

半導体洗浄プロセス関連の装置で世界大手。

洗浄装置や塗布装置など世界シェアトップクラスの製品を多数保有しています。

  • 設立:1943年10月11日
  • 本社:京都府
  • 従業員数:5,943人
  • 平均年齢:43歳

日立ハイテク(日)

計測装置やエッチング装置など。

日立製作所の完全子会社になりました。

  • 設立:1947年4月12日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:12,717人

アドバンテスト(日)

半導体検査装置で世界シェアトップクラス。

  • 設立:1954年12月
  • 本社:東京都
  • 従業員数:6,464人
  • 平均年齢:46歳

ディスコ

ウェハー切断装置で世界最大手。

研削・研磨装置でも高く評価されています。

  • 設立:1937年5月5日
  • 本社:東京都
  • 従業員数:5,829人
  • 平均年齢:36歳

成膜・エッチング・洗浄など

  • アプライドマテリアルズ(米):半導体製造装置世界最大手
  • ラムリサーチ(米):エッチング装置
  • KLAテンコール(米):検査装置

露光装置

  • ASML(蘭):露光装置で首位
  • ニコン(日):露光装置で世界2位
  • キヤノン(日):ナノインプリント技術を開発中

半導体業界の売上高ランキング

半導体製造

順位企業名売上高
(百万円)
1ソニーグループ9,921,513
2三菱電機4,476,758
3東芝3,336,967
4シャープ2,495,588
5キオクシアホールディングス1,526,500
6ルネサスエレクトロニクス994,418
7富士電機910,226
8ローム452,124
9日本サムスン413,986
10日亜化学工業394,041
11新光電気工業271,949
12インテル224,769
13サンケン電気175,660
14浜松ホトニクス169,026
15インフィニオンテクノロジーズジャパン142,110
16三井ハイテック139,429
17三益半導体工業85,051
18メガチップス75,256
19SK hynix Japan72,896
参考富士通3,586,839

半導体・FPD製造装置製造

順位企業名売上高
(百万円)
1東京エレクトロン2,003,805
2ニコン539,612
3アドバンテスト416,901
4日立ハイテク370,000
5SCREENセミコンダクターソリューションズ293,677
6ディスコ253,781
7アルバック183,011
8CKD142,199
9東京応化工業140,055
10日本電子138,408
11東京精密133,277
12レーザーテック70,248
13キヤノントッキ67,168
14TOWA50,666
15芝浦メカトロニクス49,272
16ギガフォトン45,877
17日本マイクロニクス39,998
18住友重機械イオンテクノロジー33,680
19キヤノンアネルバ30,646
20新菱25,800

(帝国データバンク『業界動向2023-Ⅰ』より)

半導体業界の採用市場

半導体業界の求人・転職

自動車や産業機械メーカーの影響を受けますが、半導体業界の求人は堅調に推移していくことが見込まれます。

技術革新や再編が激しい業界の変化に柔軟に対応できることが転職市場での評価を高める上で、重要になります。

半導体の研究開発

半導体の研究開発では、製品化のために、製品カテゴリーや材料、回路、パッケージなど担当する論理設計や回路設計、レイアウト設計などを行います。

技術系の基礎知識や専門性が求められます。

半導体の営業職

半導体業界の営業職には、製品の販売だけでなく、技術的にもサポートできるだけの知識が求められます。

マーケティングや製品企画のための情報収集機能も担っていますので、高度な技術知識が必要となります。

半導体の製造

半導体の製造は、自社工場で生産する垂直統合型と製造をファンドリーメーカーが担当する水平分業型があります。

水平分業型へ移行しています。

デバイス・電子回路製造業の給与

区分20~24歳25~29歳43.9歳
(平均)
所定内労働時間164時間164時間164時間
残業21時間22時間17時間
月収251,300円288,400円362,500円
年間賞与等502,800円730,100円1,118,200円
年収3,518,400円4,190,900円5,468,200円

(厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より)

半導体業界の転職活動

エージェントサービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーのサポートを受けることができます。

非公開・独自案件の求人紹介だけでなく、書類作成や面接対策のアドバイスなどで選考通過率のアップが期待できます。

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まとめ

5GやAI、自動運転など社会を支える半導体の重要性は高まっています。

あらゆる用途で半導体需要は拡大し、市場は長期的に成長が続くと見られています。

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製造業の技術者とは、食品、電気・電子、機械、化学などの製品の開発・設計から生産の技術的な業務に従事する技術者のことです。

 

【参考】
・経済産業省ウェブサイト
・一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
・日本経済新聞出版『日経業界地図2023年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2023年版』

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