機械の整備や修理をする業務には専門的な能力が必要となります。特殊能力として需要は多く、資格や経験のある人材は常に求められています。
転職・就職に役立つ機械整備・修理の仕事についてご紹介します。
機械整備・修理の業務
機械整備・修理従事者は、機械の整備や修理の業務に従事します。工場などの生産現場における生産設備の修理の業務も含まれます。
【機械整備・修理の種類】
- はん用・生産用・業務用機械器具整備・修理
- 電気機械器具整備・修理
- 自動車整備・修理
- 輸送機械整備・修理
- 計量計測機器・光学機械器具整備・修理
(総務省「日本標準職業分類」より)
機械器具整備・修理
はん用・生産用・業務用機械器具の整備・修理には、原動機、工作機械、農業用機械、建設用機械、紡績機械、織物機械、印刷機械、事務用機械器具などの各種機械器具の部分修理、総修理・整備の業務が分類されます。
分類される仕事例
- 原動機修理工
- 金属加工機械修理
- 産業用機械修理
- 工作機械修理
- 建設機械修理
- 印刷機修理
- 生産設備保全
- エレベーター修理
- 業務用空調機器修理
- 自動販売機修理
電気機械器具整備・修理
電気機械器具の整備・修理には、回転電気機械、配電盤、変圧器、送電装置、整流装置、電気通信機械器具、電球、電子管、電池、電線、電らん、その他の電気機械器具の修理の業務が分類されます。
分類される仕事例
- 発電機修理
- テレビ修理
- 無線通信機器修理
- 有線通信機器修理
- ラジオ修理
- 電子計算機保守
- 電子計算機周辺機器保守
- パソコン修理
- コピー機保守
- エアコン修理
自動車整備・修理
自動車の整備・修理には、自動車のエンジン、車体、シャシー、車体部品などの整備・修理の業務が分類されます。
分類される仕事例
- 自動車整備
- 自動車修理
- 自動車シャシ―整備
- 自動車車体整備
- 自動車エンジン整備
- 自動車タイヤ整備
- 自動車電装品整備
- オートバイ修理
- フォークリフト修理
- メカニック
輸送機械整備・修理
輸送機械の整備・修理には、航空機、鉄道車両、船舶、軽車両などの輸送機械またはその部分品の修理の業務が分類されます。
分類される仕事例
- 航空整備
- 航空機修理
- 航空機エンジン修理
- 鉄道車両修理
- 鉄道車両機械修理
- 鉄道車両電装品修理
- 鉄道車両車体修理
- 船舶修理
- 自転車修理
計量計測機器整備・修理
計量計測機器の整備・修理には、計量計測機器、時計、光学機械器具の修理の業務が分類されます。
分類される仕事例
- 圧力計修理
- 電気メータ修理
- 電気時計修理
- カメラ組立修理
機械整備・修理の資格を取るには
機械整備・修理の業務に活かせる資格を取得することで、スキルレベルを示すことができます。
技能士・技能検定
技能検定は、各分野の技能レベルを国が認定する試験です。技能検定に合格すると、国家資格の「技能士」を名乗ることができ、高く評価されます。
資格は、特級、一級、二級、三級に分かれています。
各級のレベル
- 特級:管理者または監督者レベル
- 一級:上級技能者レベル
- 二級:中級技能者レベル
- 三級:初級技能者レベル
受験資格
原則として、技能検定を受験するには実務経験が必要になります。
職業訓練や学歴で期間を短縮できるものがあります。
- 特級:一級に合格してから5年以上の実務経験
- 一級:実務経験7年以上または二級に合格してから2年以上の実務経験
- 二級:三級の合格者または実務経験2年以上
- 三級:関連する職種訓練や学歴があれば実務経験不要
試験方法
実技試験と学科試験が行われ、両方の試験に合格する必要があります。
試験日
- 前期:【実技試験】6月~9月【学科試験】7月~9月
- 後期:【実技試験】11月~翌年2月【学科試験】翌年1月~2月
機械整備・修理の技能検定(例)
- 建設機械整備
・実技試験:建設機械整備作業
・学科試験:建設機械、建設機械整備法、材料、機械要素など - 農業機械整備
・実技試験:農業機械整備作業
・学科試験:農業機械一般、農業機械整備法、材料、機械要素など - 産業車両整備
・実技試験:産業車両整備作業
・学科試験:産業車両、産業車両制整備法、材料、機械要素、製図など - 鉄道車両製造・整備
・実技試験:機器ぎ装作業、内部ぎ装作業、電気ぎ装作業などから選択
・学科試験:鉄道車両一般、材料、機械要素、電気、機械工作法など - 時計修理
・実技試験:時計修理作業
・学科試験:時計、時計修理法、材料、電子および電気など - 光学機器製造
・実技試験:光学ガラス研磨作業、または光学機器組立て作業
・学科試験:光学一般、光学機器製造一般、品質管理、製図など - 自動販売機調整
・実技試験:自動販売機調整作業
・学科試験:自動販売機、材料、自動販売機調整法など
問い合わせ
各都道府県職業能力開発協会、指定試験機関
自動車整備士
自動車整備士は、自動車の整備に関する知識と技能を認定する資格です。
自動車整備士になるには、国土交通大臣が実施する技能検定に合格する必要があります。
日本自動車整備振興会連合会が実施する「自動車整備技能登録試験」に合格すると、技能検定の学科試験が免除されます。
指定の自動車整備士養成施設の課程を修了すると、技能検定の実技試験が免除されます。
一級自動車整備士
二級自動車整備士より高度な自動車の整備ができること。
- 一級大型自動車整備士
- 一級小型自動車整備士
- 一級二輪自動車整備士
二級自動車整備士
自動車の一般的な整備ができること。
- 二級ガソリン自動車整備士
- 二級ジーゼル自動車整備士
- 二級自動車シャシ整備士
- 二級二輪自動車整備士
三級自動車整備士
自動車各装置の基本的な整備ができること。
- 三級自動車シャシ整備士
- 三級自動車ガソリン・エンジン整備士
- 三級自動車ジーゼル・エンジン整備士
- 三級二輪自動車整備士
特殊整備士
各々の分野についての専門的な知識・技能があること。
- 自動車タイヤ整備士
- 自動車電気装置整備士
- 自動車車体整備士
受験資格
- 一級:二級に合格してから3年以上の実務経験など
- 二級:三級に合格してから3年以上の実務経験など
- 三級:15歳以降の実務経験が1年以上あることなど
- 電装:15歳以降の実務経験が2年以上あることなど
- 車体:15歳以上の実務経験が2年以上あることなど
※実技試験は学科試験合格者のみ
試験日
- 学科試験:7月
- 実技試験:9月
試験内容
【学科試験】
- 構造、機能および取り扱い法
- 点検、修理、調整および完成検査の方法
- 整備用試験機、計量器および工具の構造、機能、取り扱い法
- 材料および燃料油脂の性質および用法
- 図面に関する知識
- 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
【実技試験】
- 基本工作
- 点検、分解、組立て、調整および完成検査
- 修理
- 整備用の試験機、計量器および工具の取り扱い
問い合わせ
国土交通省、各地方運輸局
航空整備士・航空運航整備士
航空整備士は航空機の整備や修理点検などを行い、航空運航整備士は動力装置の点検(車輪交換)などを行います。
航空整備士・航空運航整備士になるには、航空従事者技能証明を受けなければなりません。
業務に必要な知識および能力があるかを判定するために学科試験と実技試験が行われます。
整備士の資格
- 一等航空整備士
- 二等航空整備士
- 一等航空運航整備士
- 二等航空運航整備士
受験資格
- 一等航空整備士:19歳以上で3年以上の航空機整備経験など
- 二等航空整備士:20歳以上で4年以上の航空機整備経験など
- 一等・二等航空運航整備士:18歳以上で2年以上の航空機整備経験など
試験日
7月、11月、翌年3月
試験内容
【航空整備士】
- 学科試験:機体、発動機、電子装備品、航空法規など
- 実技試験:整備の基本技術、整備に必要な知見、整備に必要な技術、航空機の点検作業、動力装置の操作
【航空運航整備士】
- 学科試験:機体、発動機、航空法規など
- 実技試験、整備の基本技術、整備に必要な知見、整備に必要な技術、航空機の日常点検作業
問い合わせ
国土交通省 航空局
まとめ
機械整備・修理の仕事は資格がなくてもスタートできますが、関連する資格を取得してステップアップしていくことができます。
転職や就職には資格取得が有利です。
【参考】
・国土交通省ウェブサイト
・総務省ウェブサイト
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス